フランス南部が舞台となったブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージ。終盤に降り始めた雨は大粒の雹に変わったため、レース主催者はステージのキャンセルを決定。中間スプリントや山岳ポイントも無効となり、総合タイムも採用されず、ステージ優勝者が決まることはなかった。
第3ステージ 8月24日(月)
グリュイッソン〜フォン・ローム 174km(中級山岳)

自身初のグランツールを走るエロセギ photo:CorVos 
前日の落車で負傷したアイデブルックス photo:CorVos

初日から最終日までマイヨロホを1度も手放さず、総合優勝できるかに注目が集まるタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

第3ステージ グリュイッソン〜フォン・ローム image:A.S.O. モナコで開幕した2026年ブエルタ・ア・エスパーニャの3日目は、フランスのグリュイッソンを出発し、ピレネー山脈のフォン・ロームにフィニッシュする174kmで争われた。獲得標高差は2,676mで、そのほとんどが1級山岳モンルイ峠(距離19.4km/平均4.8%)と2級山岳フォン・ローム(距離9.8km/平均5%)が連続するラストの約35kmに集約されている、シンプルな山頂フィニッシュの予定だった。
落車により前日に棄権したセルヒオ・チュミル(グアテマラ、ブルゴス・ブルペレットBH)を除く183名が晴天のなか走り出すと、逃げを目指すアタックと吸収が繰り返される。その攻防の結果、前日も逃げ、繰り上げで緑色のマイヨプントス(ポイント賞ジャージ)を着るイーサン・ヘイター(イギリス、スーダル・クイックステップ)やデンマーク王者マグナス・コルト(ウノエックス・モビリティ)を含む6名がエスケープ。一方、逃げに最大2分半のリードを許したメイン集団では、リーダーチームであるUAEチームエミレーツXRGが先頭でペースを作った。
第3ステージで逃げた6名
オリヴィエ・ルガック(フランス、グルパマFDJユナイテッド)
イーサン・ヘイター(イギリス、スーダル・クイックステップ)
マグナス・コルト(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)
アスビャアン・ヘレモース(デンマーク、ジェイコ・アルウラー)
ティモ・ローセン(オランダ、ピクニック・ポストNL)
マッツ・ヴェンツェル(ルクセンブルク、エキポ・ケルンファルマ)

この日形成された逃げはマグナス・コルト(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)ら6名 photo:A.S.O.

コース後半に入り、横風による集団分断が発生した photo:A.S.O.

終始集団の前方を位置取ったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.
レース前半に逃げ形成以外の大きな動きはなく、後半に入ると一気に緊張感が上がった。それは西に向かう選手たちに対し、南からの横風が吹き始めたため。UAEチームエミレーツXRGがペースを上げたことによりプロトンは分断。しかし数km進んだ辺りで再び集団は1つとなり、レースに大きな影響を与えることはなかった。
残り45km地点に設定された中間スプリントポイントでは、ヘイターが争うことなく先頭通過。そのためヘイターはポガチャルを上回り、暫定でポイント賞首位に浮上した。しかし後述するレース中止によって、この中間スプリントポイントの結果も無効となっている。
残り35.6km地点から1級山岳モンルイ峠(距離19.4km/平均4.8%)が始まった時点で、逃げ集団と相変わらずUAEチームエミレーツXRGの牽引するプロトンとの差は1分30秒。山頂まで残り13km地点から早くもアスビャアン・ヘレモース(デンマーク、ジェイコ・アルウラー)がアタック。それにヴェンツェルとコルトが追従した一方、中間スプリントでのポイント獲得というこの日の目標を達したヘイターら3名はプロトンに戻っていった。

1級山岳で単独先頭に立ったマッツ・ヴェンツェル(ルクセンブルク、エキポ・ケルンファルマ)に大粒の雹が降りつけた photo:CorVos
頂上までの距離が9kmを切った残り25km地点で、今度はプロ2年目の23歳であるヴェンツェルが加速してヘレモースを引き離すことに成功する。コルトと2名で頂上を目指している最中に雨が降り出し、やがてヴェンツェルはコルトも振り切って単独先頭となる。そしてプロトンとの差が43秒まで縮まった頂上まで残り5.8km地点で、レースの中継が切れた。
フィニッシュ地点の映像に切り替わると、そこでは大粒の雨が降り続ける様子が映し出された。そして再びレース中継に戻ると、先頭をいくヴェンツェルにはプロトンから飛び出したロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、XDSアスタナ)が合流していた。嵐とも呼べる大雨のなか、1級山岳モンルイ峠の頂上をフォルトゥナートが先頭通過。そしてプロトンではマイヨロホを着るポガチャルが、雨が大粒の雹へと変わったため危険と判断し、減速するよう手で後続の選手たちに合図を送った。
その後選手たちはモンルイ峠の山頂付近にあるホテルへと避難し、レース主催者は天候の回復を待つのではなく、第3ステージのキャンセルを発表。この日はステージ優勝者はもちろん、総合タイムも計測されず、また先述した中間スプリントや山岳ポイントもすべて無効となった。
ブエルタでレースが途中で中止になったのは、抗議活動があった2025年の第21ステージ以来のこと。またグランツールで悪天候によりレース途中で打ち切られたのは、2019年のツール・ド・フランス第19ステージ以来。この時は最後から2つ目の超級山岳イズラン峠頂上でのタイム差が総合成績に反映されたため、今回はそれまでの走行結果がすべて無効となる異例の措置となった。

選手たちが逃げ込んだ、山頂付近にあるホテル photo:CorVos

ホテル内では所狭しと選手たちが身体を休める photo:CorVos 
ホテルでチーム関係なく共に暖を取る選手たち photo:CorVos
第3ステージ 8月24日(月)
グリュイッソン〜フォン・ローム 174km(中級山岳)




落車により前日に棄権したセルヒオ・チュミル(グアテマラ、ブルゴス・ブルペレットBH)を除く183名が晴天のなか走り出すと、逃げを目指すアタックと吸収が繰り返される。その攻防の結果、前日も逃げ、繰り上げで緑色のマイヨプントス(ポイント賞ジャージ)を着るイーサン・ヘイター(イギリス、スーダル・クイックステップ)やデンマーク王者マグナス・コルト(ウノエックス・モビリティ)を含む6名がエスケープ。一方、逃げに最大2分半のリードを許したメイン集団では、リーダーチームであるUAEチームエミレーツXRGが先頭でペースを作った。
第3ステージで逃げた6名
オリヴィエ・ルガック(フランス、グルパマFDJユナイテッド)
イーサン・ヘイター(イギリス、スーダル・クイックステップ)
マグナス・コルト(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)
アスビャアン・ヘレモース(デンマーク、ジェイコ・アルウラー)
ティモ・ローセン(オランダ、ピクニック・ポストNL)
マッツ・ヴェンツェル(ルクセンブルク、エキポ・ケルンファルマ)



レース前半に逃げ形成以外の大きな動きはなく、後半に入ると一気に緊張感が上がった。それは西に向かう選手たちに対し、南からの横風が吹き始めたため。UAEチームエミレーツXRGがペースを上げたことによりプロトンは分断。しかし数km進んだ辺りで再び集団は1つとなり、レースに大きな影響を与えることはなかった。
残り45km地点に設定された中間スプリントポイントでは、ヘイターが争うことなく先頭通過。そのためヘイターはポガチャルを上回り、暫定でポイント賞首位に浮上した。しかし後述するレース中止によって、この中間スプリントポイントの結果も無効となっている。
残り35.6km地点から1級山岳モンルイ峠(距離19.4km/平均4.8%)が始まった時点で、逃げ集団と相変わらずUAEチームエミレーツXRGの牽引するプロトンとの差は1分30秒。山頂まで残り13km地点から早くもアスビャアン・ヘレモース(デンマーク、ジェイコ・アルウラー)がアタック。それにヴェンツェルとコルトが追従した一方、中間スプリントでのポイント獲得というこの日の目標を達したヘイターら3名はプロトンに戻っていった。

頂上までの距離が9kmを切った残り25km地点で、今度はプロ2年目の23歳であるヴェンツェルが加速してヘレモースを引き離すことに成功する。コルトと2名で頂上を目指している最中に雨が降り出し、やがてヴェンツェルはコルトも振り切って単独先頭となる。そしてプロトンとの差が43秒まで縮まった頂上まで残り5.8km地点で、レースの中継が切れた。
フィニッシュ地点の映像に切り替わると、そこでは大粒の雨が降り続ける様子が映し出された。そして再びレース中継に戻ると、先頭をいくヴェンツェルにはプロトンから飛び出したロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、XDSアスタナ)が合流していた。嵐とも呼べる大雨のなか、1級山岳モンルイ峠の頂上をフォルトゥナートが先頭通過。そしてプロトンではマイヨロホを着るポガチャルが、雨が大粒の雹へと変わったため危険と判断し、減速するよう手で後続の選手たちに合図を送った。
その後選手たちはモンルイ峠の山頂付近にあるホテルへと避難し、レース主催者は天候の回復を待つのではなく、第3ステージのキャンセルを発表。この日はステージ優勝者はもちろん、総合タイムも計測されず、また先述した中間スプリントや山岳ポイントもすべて無効となった。
ブエルタでレースが途中で中止になったのは、抗議活動があった2025年の第21ステージ以来のこと。またグランツールで悪天候によりレース途中で打ち切られたのは、2019年のツール・ド・フランス第19ステージ以来。この時は最後から2つ目の超級山岳イズラン峠頂上でのタイム差が総合成績に反映されたため、今回はそれまでの走行結果がすべて無効となる異例の措置となった。



マイヨロホ(個人総合成績)
| 1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 4:58:40 |
| 2位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:09 |
| 3位 | マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:10 |
| 4位 | レオ・ビジオー(フランス、デカトロンCMA CGM) | +0:12 |
| 5位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:14 |
| 6位 | シュテファン・キュング(スイス、チューダープロサイクリング) | +0:18 |
| 7位 | ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG) | |
| 8位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) | +0:20 |
| 9位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:26 |
| 10位 | ジョルダン・ラブロース(フランス、デカトロンCMA CGM) | +0:27 |
マイヨプントス(ポイント賞)
| 1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 42pts |
| 2位 | イーサン・ヘイター(イギリス、スーダル・クイックステップ) | 37pts |
| 3位 | マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | 30pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞)
| 1位 | クーン・ボウマン(オランダ、ジェイコ・アルウラー) | 6pts |
| 2位 | ディエゴ・ウリアルテ(スペイン、エキポ・ケルンファルマ) | 4pts |
| 3位 | イーサン・ヘイター(イギリス、スーダル・クイックステップ) | 1pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞)
| 1位 | マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | 4:58:50 |
| 2位 | レオ・ビジオー(フランス、デカトロンCMA CGM) | +0:02 |
| 3位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:04 |
チーム総合成績
| 1位 | UAEチームエミレーツXRG | 14:56:40 |
| 2位 | ヴィスマ・リースアバイク | +0:03 |
| 3位 | ネットカンパニー・イネオス | +0:23 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
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