第113回ツール・ド・フランスで活躍したプロバイクを紹介していく第1弾は、イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)ののコルナゴV5Rs。エアロモデルのY1Rsが普及する中、軽さにこだわる新星のバイクにフォーカスします。



イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)が使用したコルナゴV5Rs photo:Sotaro Arakawa

数々のドラマが繰り広げられた第113回ツール・ド・フランスを駆け抜けたプロバイクたち。まず紹介するのは総合3位とマイヨブランを獲得したイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)のバイクだ。

今大会区間5勝という圧倒的な走りで5回目のマイヨジョーヌを獲得したタデイ・ポガチャル(スロベニア)を含め、多くのメンバーは山岳コースでも超エアロモデルのY1Rsに乗っていた一方、デルトロがステージ優勝を遂げた第2ステージも含めてメインユースしていたのは軽量モデルのV5Rs(表面コーティングだけを施した軽量バージョンのダークシリーズ)。第2ステージでデルトロはY1Rsに乗ってスタートし、パンクをきっかけにV5Rsに乗り換えて「モンジュイックの丘」を制した。

第2ステージでタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)とワンツーフィニッシュを決めたイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

1号車を示すシール。デルトロがY1RsではなくV5Rsを愛用していることが分かる photo:Sotaro Arakawa
Carbon-Ti製のハンガーやスルーアクスルを使用して軽さを追求 photo:Sotaro Arakawa


コンポーネントはシマノDURA-ACE。スタンダードな54-40Tリングを使用する photo:Sotaro Arakawa

シルバーデカールが映える軽量フレームに組み合わせるコンポーネントはシマノDURA-ACE。かつてUAEはCarbon-Ti製のカーボンチェーンリングやブレーキディスクローターを使用していたものの、2025年からシマノと公式パートナーシップを結んで以降はシマノ純正品を使う割合が増えているようだ。他チームも見回せば56Tなどシマノの市販ラインナップに存在しない供給専用品を使う選手も少なくないが、デルトロはスタンダードな54-40Tを運用していた。

ホイールとハンドルバーはチームとパートナーシップを組むエンヴィ製だ。前後セットで1,295gという軽さを誇るSES4.5 PROと、SES Aero Proコックピットを装着。組み合わせるタイヤはコンチネンタルのタイムトライアル用であるGrand Prix 5000 TT TRだ。

エンヴィがUAEとの協業で開発したSES Aero Proコックピット photo:Sotaro Arakawa

サドルはフィジークのVento Antares 00。ポガチャルと異なり3Dパッドサドルは使わない photo:Sotaro Arakawa
コンチネンタルのタイムトライアル用タイヤであるGrand Prix 5000 TT TR(28c) photo:Sotaro Arakawa



サドルはフィジーク。ポガチャルはAdaptive 3Dプリントサドルを使用している一方、デルトロはVento Antares 00を使っていた。さらに、可能な限りUCIの重量下限である6.8kgに近づけるべくCarbon-Ti製の軽量パーツをふんだんに使用。ディレイラーハンガーやスルーアクスル、ハンドルのトップキャップ、プーリーボルトなどがそれに当たるほか、ボトムブラケットはスペインのBIKONE(ビコネ)製品を使用して駆動抵抗を減らしている。

また、クライマーながら下ハンドルにはDI2の追加スイッチをセットしていることも特徴。コンピュータはワフーのElemnt Boltだ。

text:So Isobe
photo:Sotaro Arakawa