2011年、イタリア第3のプロツアーチームが誕生する。フットオン・セルヴェットのライセンスを引き継ぐ新イタリアチームのスポンサーを務めるのは、イタリアのフットウェアメーカー・ジェオックス社。同チームはダミアーノ・クネゴ(イタリア)獲得を視野に動き始めている。

ジェオックス社のオーナーであるマリオ・モレッティ・ポレガート氏ジェオックス社のオーナーであるマリオ・モレッティ・ポレガート氏 photo:geoxガゼッタ・デッロ・スポルト紙が伝えたところによると、フットオン・セルヴェットのジェネラルマネージャーを務めるマウロ・ジャネッティ氏とジェオックス社が5000万ユーロ(約56億2000万円)で5年間契約を結んだ。

2005年、スペインのプロツアーライセンスを獲得したジャネッティ氏はサウニエルドゥバルを立ち上げた。2008年、ツール・ド・フランス期間中のリカルド・リッコ(イタリア)のドーピングスキャンダルの影響でスポンサーが撤退し、代わりにフレームメーカーのフジ社がメインスポンサーに。そして今年、フットオン・セルヴェットとして活動している。

新チーム入りが有力視されているダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)新チーム入りが有力視されているダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ) photo:Kei Tsuji新チームのメインスポンサーは、フットウェアメーカーとして世界的に知られるジェオックス社。フットオン社とセルヴェット社も引き続きチームをサポートする。登録はスペインからイタリアに切り替える予定で、ランプレとリクイガスに続くイタリア第3のプロツアーチームが誕生する。

ジェオックス社のオーナーであるマリオ・モレッティ・ポレガート氏はイタリア有数の資産家として知られている。トレヴィーゾに本社を置くジェオックス社の創設は1990年。昨年の売上高は8億6500万ユーロ(約970億円)。海外売上高比率は60%に達する。

今年の3月から同社はランプレチームのサブスポンサーに加わったが、契約は更新せず。ジェオックス社とクネゴは揃ってチームを去ることになった。チームリーダーを失うランプレはすでにアンドレイ・カシェチキン(カザフスタン)を契約済み。ジロ・デ・イタリア総合4位のミケーレ・スカルポーニ(イタリア)の加入も有力視されている。

クネゴは2004年のジロ・デ・イタリアで総合優勝を飾り、2006年のツール・ド・フランスで新人賞獲得。グランツールで総合優勝を争うオールラウンダーとしての活躍が期待されたが、近年は専らクラシックレーサーとして活躍。ワンデークラシックや短いステージレースで好成績を収めている。

具体的にはジロ・デル・トレンティーノ、ジロ・ディ・ロンバルディア、アムステル・ゴールドレースで優勝。昨年ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ2勝を飾った。なお、本日(7月30日)クネゴとマルゲリータ夫人に第2子が誕生。クリスティアンと名付けられた。

ガゼッタ紙によると、新チームはクネゴの他に、2009年のジロ覇者デニス・メンショフ(ロシア)や、過去3度タイムトライアル世界チャンピオンに輝いているマイケル・ロジャース(オーストラリア)を獲得予定だという。

ダニエーレ・ナルデッロとステファノ・ザニーニの2人はチーム監督として残留。サエコやバルロワールドを指揮したクラウディオ・コルティが監督としてチームに加わる。コルティとジャネッティの息子(マルコとノエ)も新チームで活動する予定だ。

text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji

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