春のクラシックシーズンを終えたジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)が、左腓骨頭を骨折しながら11レースに出場していたことを告白。また「回復を待ってアルデンヌクラシックを目指すべきだった」と後悔を語った。



左腓骨頭の骨折を明かしたジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

「明かさなかった理由は、言い訳や嘘だと思われたくなかったから。落車の後はトラブル続きで、モチベーションは高かったが身体の声に耳を傾けるべきだった」とジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)は、フランス紙ル・パリジャンのインタビューでそう答えた。

アラフィリップが落車し、骨折したのは3月2日に行われたストラーデビアンケ。チームメイトなど3名と共に落車・リタイアしたものの、その2日後に開幕したティレーノ~アドリアティコに出場。第4ステージでは集団スプリントで9位に入り、翌日には逃げに入る積極的な走りを見せた。

しかし、「ストラーデビアンケでの落車によって身体へのダメージはもちろん、やる気が削がれてしまった。なぜなら(ストラーデビアンケでは)調子が良く、好きなレースだったからね。あの落車は大きな痛手となり、更に左膝に痛みを抱えることとなった」と言うアラフィリップ。ティレーノ完走後はミラノ〜サンレモにも出場して9位入賞を果たしたものの、痛みが続くため検査を受け、腓骨頭(膝外側の膨らんでいる部分)の骨折が明らかとなった。

骨折しながらも11レースに出場したジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

「痛みの引かない理由が明らかとなり頭を悩ましたものの、耐えられないほどではなかった。だからフランドルクラシックを前に、医者が僕にレースするかどうかの判断を委ねたんだ」。

そのためアラフィリップはE3サクソ・クラシックとドワルス・ドール・フラーンデレン、ロンド・ファン・フラーンデレンに出場。その全てで完走を果たし、ロンドでは精鋭集団からアタックする見せ場を作ったものの、勝利に絡むことはできなかった。

「あの時自分に”悔しいだろうが回復の時間を取り、痛みを乗り越えるべきだ”と言うべきだった。イタリアのレース(ミラノ〜サンレモ)の後に休息を取り、アルデンヌクラシックでの復帰を目指すべきだった」とアラフィリップは後悔を語っている。

アラフィリップは本日4月14日開催のアムステルゴールドレースから始まるアルデンヌクラシックには出場せず、5月4日開幕のジロ・デ・イタリアに出場予定だ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos