男子レースの閉幕から約2週間後にスタートしたボルタ・フェメニナ・デ・ラ・コムニタ・バレンシアナ。リドル・トレックが積極的にレースを作った初日は集団スプリントで決着し、エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)がチームに今季初勝利をもたらした。



今シーズンの初戦を迎えたマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)が総合優勝した男子レースから2週間後の2月15日(木)、女子のボルタ・フェメニナ・デ・ラ・コムニタ・バレンシアナ(UCI2.Pro)が開幕を迎えた。レースその名の通りスペイン第3の都市バレンシアが舞台で、全4ステージに渡り争われる。

グラベル世界王者カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)が今季初戦としてスタートラインに並んだ初日は、平坦路から後半に4級と2級山岳バルクス峠(距離6km/平均4.8%)を越える113km。フィニッシュ地点であるガンディアまでは約15kmの下りが続くため、集団スプリントが予想された。

男子と同じく、女子もバレンシアオレンジが選手を迎える photo:CorVos

序盤から逃げて単独となったアンネケ・ダイクストラ(オランダ、フォルカーヴェッセルス)に、水谷壮宏氏が監督を務めるコフィディス・ウィメン所属のフランス王者ヴィクトワール・ベルトーが合流する。それを元世界王者のスプリンター、エリーザ・バルサモ(イタリア)擁するリドル・トレックが先導するメイン集団が追いかけた。

ダイクストラが遅れ、単独となったベルトーは最終山岳バルクス峠を越え一人フィニッシュを目指す。後方のプロトンではニエウィアドマによるアタックが決まらず、リドルとマリアンヌ・フォス(オランダ)でスプリント勝負したいヴィスマ・リースアバイクがスピードを上げ、残り1km地点でベルトーをキャッチ。勝負は集団スプリントに持ち込まれた。

アンネケ・ダイクストラ(オランダ、フォルカーヴェッセルス)に追いついたヴィクトワール・ベルトー(フランス、コフィディス・ウィメン) photo:CorVos

最終ストレートに先頭で突入したのはヴィスマ・リースアバイク。そのトレインが役割を終えた残り300mからエーススプリンター同士の純粋なスピード勝負となり、フォスとノエミ・リュエッグ(スイス、EFエデュケーション・キャノンデール)、バルサモの3名が横並びに。その結果、バルサモが先頭でフィニッシュラインを通過した。

集団スプリントをエリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)が制す photo:CorVos

レースを積極的にコントロールしたリドルが、一丸となり掴み取った勝利。「彼女たちの(役割に対する)コミットメントと私への信頼がなければこの勝利はなかった。これはチームとして掴み取った勝利。彼女たちには感謝の気持ちでいっぱいだ」と、今季初勝利を初レースで飾ったバルサモは語った。

2位はフォス、そして3位は今年ヴィスマからEFに移籍した22歳のリュエッグが入った。
ボルタ・フェメニナ・デ・ラ・コムニタ・バレンシアナ2024第1ステージ結果
1位 エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) 2:54:45
2位 マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)
3位 ノエミ・リュエッグ(スイス、EFエデュケーション・キャノンデール)
4位 カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)
5位 マルタ・ラフ(ポーランド、セラティツィット・WNTプロサイクリング)
個人総合成績
1位 エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) 2:54:35
2位 マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) +0:04
3位 ノエミ・リュエッグ(スイス、EFエデュケーション・キャノンデール) +0:06
4位 アンネケ・ダイクストラ(オランダ、フォルカーヴェッセルス) +0:07
5位 ヴィクトワール・ベルトー(フランス、コフィディス・ウィメン) +0:08
その他の特別賞
山岳賞 ヴィクトワール・ベルトー(フランス、コフィディス・ウィメン)
ヤングライダー賞 フランチェスカ・バラーレ(イタリア、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)
チーム総合成績 SDワークス・プロタイム
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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