セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ最終ステージは、勾配が17%に達するモンテジッビオが登場。アタックは決まらず最後は小集団のスプリントに持ち込まれ、カデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)がシーズン初勝利。ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)が総合優勝に輝いた。

競り合いながらゴールするダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)とカデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)競り合いながらゴールするダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)とカデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット) photo:Cor Vosスカンディアーノからサッスローロまでの178kmで行なわれたコッピバルタリ最終ステージ。その行程は常に山岳を上って下る厳しいレイアウトで、後半にかけて急勾配のモッテンジッビオを含む周回コースを3周。最後のモンテジッビオ通過はゴールの僅か8km手前だ。

クネゴの総合トップ陥落を目指して攻撃に出たのは、28秒差の総合2位につけていたエヴァンス擁するサイレンス・ロットだ。37km地点で決まった8名の逃げには、エヴァンスのチームメイトである長身のヨハン・ファンスーメレン(ベルギー)がジョイン。

ようやく今季1勝目に手が届いたカデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)ようやく今季1勝目に手が届いたカデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット) photo:Cor Vosこの逃げにはシルヴェスタ・シュミット(ポーランド、リクイガス)やマイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア)、フォルトゥナート・バリアーニ(イタリア、CSFグループ・ナヴィガーレ)、クリス・フルーム(イギリス、バルロワールド)ら強者が揃った。

メイン集団はリーダージャージ擁するランプレがコントロール。逃げグループは最大で2分20秒のリードを得たが、後半のモンテジッビオ周回コースに入ると先頭はフルームとシュミットの2人に。しかしこの動きもラスト40kmで吸収された。

最終ステージのトップスリー、クネゴとヴィスコンティを破ったカデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)最終ステージのトップスリー、クネゴとヴィスコンティを破ったカデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット) photo:Cor Vos2度目のモンテジッビオでフィリッポ・サヴィーニ(イタリア、CSFグループ・ナヴィガーレ)が飛び出すも、チームコロンビアがコントロールする集団にラスト10kmで吸収される。勝負の行方は最後のモンテジッビオの上りに託された。

上りで真っ先に飛び出したのはナショナルチャンピオンジャージを着るクリスティアン・ファンバーガー(オーストリア、カチューシャ)。これにクネゴやエヴァンス、ホセ・セルパ(コロンビア、ディキジョヴァンニ)が合流。総合逆転を狙うエヴァンスがアタックを仕掛けたが成功せず、4名のまま頂上を通過した。

先頭4名には下りでジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD)らが追いつき、最後は6名によるスプリント勝負に。スプリントではクネゴ有利と思われたが、ここでエヴァンスが奮起した。総合逆転を諦め、目標をステージ優勝にスイッチしたエヴァンスがクネゴのステージ3勝目を阻止。「スプリントで勝利したのは初めて。ハイスピードの勝負は僕の得意分野ではないから」と語るエヴァンスが、僅差のスプリントを制した。

この勝利はエヴァンスにとってシーズン初勝利。実はサイレンス・ロットにとってもシーズン初勝利だ。エヴァンスは「初勝利をチームにもたらせたことは非常に満足している」と喜びのコメント。大会2連覇は達成ならなかったが、いいカタチでレースを終えることができた。

そしてクネゴの2度目の総合優勝が決定。「リスクを背負ってまでスプリントする気は無かったんだ。大きく右に振られて、前方にフォトグラファーの列が見えたからフィニッシュラインでブレーキングしなければならなかった。とにかく今日はテストをクリア。パイスバスコ、アムステル、フレーシュ、リエージュ、そしてジロに向けて調子は上がっている」。昨年ジャパンカップを制した王子は、アルデンヌとジロで再び勝利を狙う。

レース展開はレース公式サイト、選手コメントはガゼッタ紙より。

セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ2009第5ステージ結果
1位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)4h19'41"
2位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)
3位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD)
4位 クリスティアン・ファンバーガー(オーストリア、カチューシャ)
5位 マッシモ・ジュンティ(イタリア、ミケ)
6位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、アミーカチップス)
7位 ホセ・セルパ(コロンビア、ディキジョヴァンニ)+04"
8位 モーリス・ポッソーニ(イタリア、チームコロンビア)+09"
9位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、CSFグループ・ナヴィガーレ)
10位 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、チェラミカフラミニア)

個人総合成績
1位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)18h48'10"
2位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)+24"
3位 マッシモ・ジュンティ(イタリア、ミケ)+38"
4位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、アミーカチップス)+40"
5位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD)+1'01"
6位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、CSFグループ・ナヴィガーレ)+1'17"
7位 モーリス・ポッソーニ(イタリア、チームコロンビア)+1'20"
8位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ミケ)+1'29"
9位 マウリシオ・ソレール(コロンビア、バルロワールド)+1'41"
10位 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、チェラミカフラミニア)+1'43"

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