フランス北部で開催した2022年トラック世界選手権。初日を終え、大会2日目に行われた男子スクラッチで窪木一茂が銀メダルを獲得。「本命」と語る次戦のマディソンに向けて弾みをつけた。



男子チームスプリントの予選に出場した太田海也、小原佑太、長迫吉拓男子チームスプリントの予選に出場した太田海也、小原佑太、長迫吉拓 photo:JCF
10月12日よりフランス・パリ郊外のサンカンタン=アン=イヴリーヌで開幕した2022年UCIトラック世界選手権。2年後に迫ったパリオリンピックを見据え、日本からは16名の選手たちが世界一の称号であるアルカンシエルを狙うべく出場している。

大会初日は男子チームパシュートが失格になる波乱

男子チームスプリントを制したオーストラリア男子チームスプリントを制したオーストラリア photo:UCI
初日は女子チームパシュートの予選から順次競技がスタートし、男子チームスプリントの予選には太田海也と小原佑太、長迫吉拓の3名が出場。東京五輪でBMXレーシングの日本代表になり、トラックに転向した長迫を含むチームは全体の5位となる43秒135でフィニッシュしたものの、第1走と第2走の交代時にルール違反があったとして失格になった。決勝ではオーストラリアがオランダとイギリスを破り、優勝している。

梶原悠未が出場した女子スクラッチの決勝は、最終周で飛び出したマルティナ・フィダンザ(イタリア)がこの種目で2連覇を達成。梶原は集団内の11位でフィニッシュして初日を終えた。また松田祥位、窪木一茂、今村駿介、兒島直樹で挑んだ男子チームパシュートは9位で予選敗退となり、翌日の決勝ではイタリアとの戦いをイギリスが制している。

窪木が男子スクラッチで銀メダル獲得の2日目

男子スクラッチでは日本人最高位となる銀メダルに輝いた窪木一茂男子スクラッチでは日本人最高位となる銀メダルに輝いた窪木一茂 photo:JCF
大会2日目は、前日の男子チームパシュートで悔しい思いをした窪木一茂が男子スクラッチに出場。23名による混沌としたレースの中、番手を上げた窪木が19歳のディラン・ビビック(カナダ)に次いで2位に入った。

「ラスト2周でかなり良い位置にいたので、思いっきり2周でかまそうと思ってましたが、昨年優勝のフランスの彼が前に居たので我慢しました。自力が重要ですね。やはり優勝したかったです、次はマディソンで狙います。応援ありがとうございました」と、レース後SNSに綴った窪木。男子スクラッチでは日本人選手として2010年大会以来、実に12年ぶりとなるメダル獲得。また同種目では歴代最高位となった。

窪木はこの後「こちらが本命」と語る、10月16日(大会最終日)の男子マディソンに出場予定だ。

男子スクラッチ表彰台:2位窪木一茂、1位ディラン・ビビック(カナダ)、3位ロイ・エーフティング(オランダ)男子スクラッチ表彰台:2位窪木一茂、1位ディラン・ビビック(カナダ)、3位ロイ・エーフティング(オランダ) photo:UCI
また、この日は男子ケイリンでは寺崎浩平が決勝に残り6位入賞。女子エリミネーションでは梶原が19位に終わり、今年のストラーデビアンケで優勝したロッタ・コペッキー(ベルギー)がヨーロッパ選手権に続きチャンピオンジャージを獲得している。

昨年の2位を上回り、アルカンシエルを獲得したロッタ・コペッキー(ベルギー)昨年の2位を上回り、アルカンシエルを獲得したロッタ・コペッキー(ベルギー) photo:UCI
ヨーロッパ選手権に続き優勝したロッタ・コペッキー(ベルギー)ヨーロッパ選手権に続き優勝したロッタ・コペッキー(ベルギー) photo:UCI
10月12日:男子チームスプリント結果
1位 オーストラリア
2位 オランダ
3位 イギリス
10月12日:女子スクラッチ結果
1位 マルティナ・フィダンザ(イタリア)
2位 マイケ・ファンデルドゥイン(オランダ)
3位 ジェシカ・ロバーツ(イギリス)
11位 梶原悠未
10月13日:男子スクラッチ結果
1位 ディラン・ビビック(カナダ)
2位 窪木一茂
3位 ロイ・イーフティング(オランダ)
10月13日:女子エリミネーション結果
1位 ロッタ・コペッキー(ベルギー)
2位 ラケーレ・バルビエーリ(イタリア
3位 ジェニファー・ヴァレンテ(アメリカ)
19位 梶原悠未
text:Sotaro.Arakawa

最新ニュース(全ジャンル)