多数のワールドチームや、チーム右京が参戦するツール・ド・ランカウイが開幕。首都クアラルンプールでの初日集団スプリントで、アスタナ・カザフスタンのトレーニー選手であるグレブ・シリツァ(ロシア)が勝利した。



8日間日程で開催されるツール・ド・ランカウイ8日間日程で開催されるツール・ド・ランカウイ photo:CorVosアジア最高峰のステージレースとして歴史を重ねるツール・ド・ランカウイ(UCI2.Pro)がマレーシアで開幕した。コロナ禍での2021年大会中止を挟み、シーズン序盤から最終盤の10月半ばに開催時期をずらした2022年大会には近年最高と言える豪華チームがずらり揃い踏みしている。

参戦するのはUAEチームエミレーツなどUCIワールドチームが6(UAE、コフィディス、ロット、モビスター、EFエデュケーション、アスタナ)、UCIプロチームが4、さらにチーム右京を筆頭にするプロコンチネンタルチームと各国ナショナルチームが10チーム。

バリエーション豊かなステージが用意されているため、ヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス)やジョージ・ベネット(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ)といったクライマーや、フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)、ジャンニ・モスコン(イタリア、アスタナ・カザフスタン)といったスプリンター&パンチャー勢も東南アジアでのシーズン最終レースに参戦中だ。

中でもEFエデュケーション・イージーポストはヒュー・カーシー(イギリス)とエステバン・チャベス(コロンビア)を主軸に据えつつ、普段デベロップメントチームに所属する留目夕陽を出場メンバーに加えた。右京はレイモンド・クレダー(オランダ)と小石祐馬、石橋学、吉岡直哉、そして宇賀隆貴という布陣を組んでいる。

荘厳な仏教寺院の前を駆け抜ける荘厳な仏教寺院の前を駆け抜ける photo:CorVos
留目夕陽がEFメンバーとして出場。エステバン・チャベス(コロンビア)を従えて走る留目夕陽がEFメンバーとして出場。エステバン・チャベス(コロンビア)を従えて走る photo:CorVos
マレーシアの首都クアラルンプールを目指す開幕初日はスプリンター向けだが、フィニッシュ手前27kmと14km地点でそれぞれ頂上を迎える2ヶ所の2級山岳が関門。この日は9名逃げが決まり、アスタナ・カザフスタンやEF、モビスターがメイン集団のコントロールを担って距離を消化した。

残り20kmを切って逃げグループを吸収し、大雨降りつける中アンデル・オカミカ(スペイン、ブルゴスBH)を先頭に最後の2級山岳をクリア。アスタナトレイン率いる約50名が集団スプリントを繰り広げた結果、レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ロット・スーダル)の背後でタイミングを待ち続け、力強いスプリントを披露したグレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザフスタン)が勝利した。

集団スプリントを制したグレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザフスタン)集団スプリントを制したグレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザフスタン) photo:CorVos
第1ステージのトップスリーが表彰台に上がる第1ステージのトップスリーが表彰台に上がる photo:CorVos
記念すべきプロ初勝利を挙げたシリツァは、今年8月1日にトレーニーとしてアスタナに加入した22歳のスプリンター。デビューレースとなったアークティック・レース・オブ・ノルウェーでは初日にいきなり2位、続くツール・ド・スロバキア2日目にも2位。2018年のジュニアトラック世界選手権個人パシュート3位に入るなど、恵まれた体格とトラック競技で培った加速力を武器に結果を残し、注目を集めてきた。

「チームワークを結果に繋げることができて本当に嬉しいよ。最終盤は大雨でレースコントロールが難しい状況だったけれど、それでも自分のコンディションはすごくよかった。リーダージャージはモチベーションを上げてくれるし、明日もチャンスを狙っていきたい」と、翌日レースリーダーとして出走するシリツァは話している。
ツール・ド・ランカウイ2022第1ステージ結果
1位 グレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザフスタン) 3:43:43
2位 アーランド・ブリクラ(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム)
3位 マックス・カンター(ドイツ、モビスター)
4位 リオネル・タミニオー(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
5位 マライン・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)
個人総合成績
1位 グレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザフスタン) 3:43:33
2位 アーランド・ブリクラ(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリング チーム) +0:04
3位 サインバヤル・ジャンバルジャムツ(モンゴル、トレンガヌ・ポリゴンサイクリングチーム)
4位 ピーラポン・チャオチェンクワン(タイ、タイランドコンチネンタルチーム)
5位 マックス・カンター(ドイツ、モビスター) +0:06
その他の特別賞
山岳賞 サインバヤル・ジャンバルジャムツ(モンゴル、トレンガヌ・ポリゴンサイクリングチーム)
ポイント賞 グレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザフスタン)
チーム総合成績 モビスター
text:So Isobe

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