フレンチアルプスのレジェを舞台に5日間に渡るMTB世界選手権が開幕し、皮切りとなったクロスカントリーチームリレーでスイスが1つ目のアルカンシエルを獲得。プレビューと併せて紹介します。



クロスカントリーチームリレー(XCR)で世界選手権が幕開けたクロスカントリーチームリレー(XCR)で世界選手権が幕開けた photo:UCI
今年のMTB世界選手権の舞台となるのはフランス、レジェ。バイクパークが常設されているフレンチアルプスのスキーリゾートが世界選手権を迎えるのはジュリアン・アブサロン(フランス)が母国アルカンシエルを獲得した2004年以来18年ぶり。8月24日(水)から8月28日(日)までの5日間、クロスカントリー、ダウンヒル、フォークロス、E-MTB、クロスカントリーショートトラックと多種多様なカテゴリーそれぞれでアルカンシエル着用者が決まる。

現地に渡った日本代表チームの松本駿氏によれば、「ロックセクションや丸太セクションが据え付けられた急斜面のゲレンデを登り降りするコースで、キャンバーを横切るセクションや常設コースの大きなジャンプ台も用意され、スピードはもちろんテクニックも非常に大切」というレイアウト。現代MTBコースのスタンダードという見解も散見されている。

常設コースのジャンプセクションもコースに組み込まれている常設コースのジャンプセクションもコースに組み込まれている photo:UCI林間セクションに組み込まれたドロップオフを行く林間セクションに組み込まれたドロップオフを行く photo:UCI

XCO男子エリートの優勝候補筆頭、トーマス・ピドコック(イギリス)XCO男子エリートの優勝候補筆頭、トーマス・ピドコック(イギリス) photo:Munich 2022
ニノ・シューター(スイス)の2年連続、10度目の世界タイトルはなるか?ニノ・シューター(スイス)の2年連続、10度目の世界タイトルはなるか? photo:UCI今季のW杯は複数選手が勝利を挙げている混戦状態今季のW杯は複数選手が勝利を挙げている混戦状態 photo:UCI


男子エリートの優勝候補筆頭はツール・ド・フランスのラルプデュエズステージで逃げ切り、MTBに切り替えてからも先週開催のヨーロッパ選手権で圧倒的な力を披露したトーマス・ピドコック(イギリス)だ。東京オリンピック覇者は今年序盤のUCIワールドカップで2連勝して以降ロードレースに集中しコンディショニングがやや疑問視されていたが、ヨーロッパタイトル獲得で不安要素を完全に排除している。

国力で抜きん出ているのはMTB大国、スイスとフランスだ。昨年自身9度目の世界王者に輝いたニノ・シューターや、そのチャンピオンと際どい勝負を繰り広げるマティアス・フルッキガー、女子でもヨランダ・ネフやシーナ・フライといった豊富なタレントを揃えるスイスに対し、今回の開催国であり、2024年のパリ五輪を見据えるフランスも元世界王者ジョーダン・サルーやポリーヌ・フェランプレヴォ、そしてロアナ・ルコントを主軸に据え気合を燃やしている。各カテゴリーで両国がガチンコのメダル争いを繰り広げることは間違いない。

ヨーロッパ選手権の女子エリートではフランスのルコントとフェランプレヴォがワンツー勝利ヨーロッパ選手権の女子エリートではフランスのルコントとフェランプレヴォがワンツー勝利 photo:CorVos
今季ヨーロッパで過ごし、W杯を転戦した北林力(Athlete Farm SPECIALIZED)今季ヨーロッパで過ごし、W杯を転戦した北林力(Athlete Farm SPECIALIZED) (c)本人提供
また、今大会には日本からもクロスカントリーに選手5名(男子エリート:北林力、女子U23:小林あか里、川口うらら、男子ジュニア:高橋翔、嶋崎亮我、古江昂太)、ダウンヒルでは男子エリートに九島勇気が参戦。スタッフとして松本駿、松尾純、そして松本佑太氏が代表選手たちの走りを支える。

なお、E-MTBレースにはスロバキア代表としてペテル・サガンがエントリー。MTBを出自にし、リオ五輪はクロスカントリーに出場したサガンのアルカンシエル獲得となるか?

E-MTBレースにエントリーするペテル・サガン(スロバキア)E-MTBレースにエントリーするペテル・サガン(スロバキア) photo:UCI
MTB世界選手権2022 開催スケジュール
開催日開催種目(決勝)参戦日本人選手
8月24日(水)クロスカントリーチームリレー(XCR)
8月25日(木)男女ジュニアクロスカントリー(XCO)高橋翔、嶋崎亮我、古江昂太
8月26日(金)男女E-MTBクロスカントリー、男女クロスカントリーショートトラック(XCC)
8月27日(土)男女ジュニアダンヒル(DHI)、男女エリートダウンヒル(DHI)九島勇気
8月28日(日)男女U23クロスカントリー(XCO)、男女エリートクロスカントリー(XCO)小林あか里、川口うらら、北林力
日本選手団
XCO男子エリート北林力(Athlete Farm SPECIALIZED)
XCO女子U23小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)、川口うらら(日本体育大学)
XCO男子ジュニア高橋翔(Teens MAP)、嶋崎亮我(FineNovaLAB)、古江昂太(TEAM BG8)
DHI男子エリート九島勇気(Santa Cruz)
スタッフ松本駿、松尾純、松本佑太(強化支援スタッフ)
オープニングレースのチームリレー:MTB大国スイスが優勝

本戦初日となる8月25日には各国カテゴリーが異なる6名のリレー形式で争うクロスカントリーチームリレーが開催。激しく順位が入れ替わる、チームリレーらしい勝負を制したのは現世界チャンピオンのニノ・シューター擁するスイスだった。

各カテゴリー6名の選手がリレー形式で争うチームリレー各カテゴリー6名の選手がリレー形式で争うチームリレー photo:UCI
レース序盤は第一走に男子エリート選手を据えたイタリア(ルカ・ブライド)とアメリカ(クリストファー・ブレヴィンス)が抜きん出たものの、やがてロアナ・ルコントを軸にしたフランスが首位奪回。同種目3連覇を目指すフランスが快調にレースを進めたものの、第5走の選手がメカトラブルに見舞われ、およそ2分を失う大幅なタイムロス。その間に先頭を奪ったスイスが最終走者シューターにバトンを繋いだ。

パンクを抱えながら先頭でフィニッシュしたニノ・シューター(スイス)パンクを抱えながら先頭でフィニッシュしたニノ・シューター(スイス) photo:UCI
チームリレー結果:2位イタリア、1位スイス、3位アメリカチームリレー結果:2位イタリア、1位スイス、3位アメリカ photo:UCI
シューターは途中パンクに見舞われながらも、猛チャージで追いすがるイタリアを払い退けてフィニッシュラインへ。ライバル国フランスの連覇を止めると共に、今大会最初のアルカンシエルを射止めている。

大会2日目となる本日8月25日(木)は男女ジュニアクロスカントリー(XCO)が開催される。日本からは高橋翔(Teens MAP)、嶋崎亮我(FineNovaLAB)、古江昂太(TEAM BG8)の3名が参戦予定だ。
MTB世界選手権2022 クロスカントリーチームリレー結果
1位スイス1:17:14
2位イタリア+0:06
3位アメリカ+0:14
4位デンマーク+1:19
5位フランス+1:35
6位オランダ+2:13
7位カナダ+2:28
8位イギリス+2:45
9位チェコ+3:17
10位ドイツ+3:45
text:So Isobe
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