昨年6月に膝を負傷し、復活と言える勝利を挙げたサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)は「このブエルタが再びトップに戻るきっかけとなる」と語った。ヘーシンクからマイヨロホを引き継いだテウニッセンなど、ブエルタ2日目を選手の言葉で振り返ります。



区間優勝&ポイント賞 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)

今大会最初の集団スプリントを制したサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)今大会最初の集団スプリントを制したサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
レース直後インタビュー

ダニー(ファンポッペル)がハイペースで集団先頭へと導いてくれた。彼は僕がいつでも飛び出せる態勢を整えてくれたのだが(早すぎると思い)1秒ほど待ったんだ。しかし逆に遅すぎたとも思い、そこから十分に加速できるかどうか分からなかった。でも結果的に上手くいったよ。

ここで勝つことは嬉しく、再び勝利できると思っていた。時間の問題だとね。強さを見せてくれたチームメイトや、特にファンタスティックなリードアウトを披露したダニーには感謝したい。彼らのハードワークを勝利で報いることができ、本当に嬉しいよ。

2年振りとなるブエルタ勝利を挙げたサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)2年振りとなるブエルタ勝利を挙げたサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Unipublic
表彰式後インタビュー

(昨年の膝の怪我から完全復活するには)まだ時間はかかるだろうが、このブエルタが僕を再びトップレベルまで戻してくれると思う。僕が求めていることはハードなレースをこなし、真の強さと走りの奥行きを取り戻すこと。このブエルタが僕のターニングポイントになるはずだ。

勝利には頭よりも脚が重要であり、それが戻ってくることを願っている。僕はレースの勝ち方をはじめ、再びそこへ戻る方法も、何をすればいいのかを知っているのだからね。

区間2位 マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)

競り負けたマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)競り負けたマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) photo:CorVos
慌ただしくテクニカルな最終盤だった。アレックス(キルシュ)が僕を守ってくれ、彼の後ろからスプリントを開始した。良いタイミングで飛び出すことができたと思う。次のスプリントは明日。この2位という順位を1位に変えることができるといいね。ツール・ド・フランスの後、こうして3週間に渡る戦いに戻ることができて嬉しいよ。

区間4位&マイヨロホ マイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)

マイヨロホの感触を確かめるマイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)マイヨロホの感触を確かめるマイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:Unipublic
今日のレースで最も大事なことはプリモシュ(ログリッチ)の側にいることだった。(終盤で)少しの間彼を見失ってしまったが、エドアルド(アッフィニ)とプリモシュが戻ってきた。その後、チームカーから「プリモシュは大丈夫だから自分のチャンスを掴みに行け」と言われたのでスプリント勝負に加わった。タフな最終盤だったが、なんとか争うことができた。

自分の国でリーダージャージを着るのは特別な感情がある。開幕を迎えた昨日も特別だったが、それを更に超えてきた。チームは僕にこのジャージを獲得させようと尽力してくれた。チームに感謝しなければならない。とても嬉しいし、感動的だよ。

区間5位 パスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ)

混沌とした最終盤からビッグファイトが繰り広げられた。先週の落車の影響から最終コーナーで慎重になってしまい、若干のスピードロスをしてしまったんだ。今日は脚を使う区間のない平坦ステージだったため、皆の脚がフレッシュだった。それがスプリントの緊張感を生んだものの、自分の状態を把握するには良い機会だった。明日も勝利を目指して頑張りたい。

マイヨロホを着て母国レースを終えたロベルト・ヘーシンク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)

ロベルト・ヘーシンク(オランダ)らユンボ・ヴィスマ勢が固まって走るロベルト・ヘーシンク(オランダ)らユンボ・ヴィスマ勢が固まって走る photo:CorVos
たくさんの人が沿道に詰め、信じられない光景が広がっていたよ。マイヨロホを着て走ることは、僕自身はもちろんチームとしても嬉しい瞬間だった。自分の国をリーダージャージを着て走るんだ。これ以上幸福なことはない。

ナイロ・キンタナについては沈黙を貫くアルケア・サムシックのセバスティアン・イノー監督

キンタナ不在で7名でブエルタに臨むアルケア・サムシックキンタナ不在で7名でブエルタに臨むアルケア・サムシック photo:Team Arkéa Samsic
(キンタナのことについて)いまだ問題の真相が完全に明らかになったわけではないので、多くを語ることはできない。我々は判断をする前に真相が明らかになることを待つだけだ。

(キンタナ不在の中)チームの目標は総合順位よりもステージ優勝だ。我々には(スプリンターの)ダニエル・マクレーや(クライマーの)エリー・ジェベールがいる。ここにいる7名ならやってくれると思うので、我々は楽観的だよ。

text:Sotaro.Arakawa