イネオス・グレナディアーズが東京五輪ロードを制したリチャル・カラパス(エクアドル)と、今年のパリ〜ルーベ覇者ディラン・ファンバーレ(オランダ)の2人が今季限りで退団することを発表した。カラパスはEF、ファンバーレはユンボ・ヴィスマにそれぞれ移籍する。



東京五輪ロード金メダルを含め、安定感のある強さが武器のリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)東京五輪ロード金メダルを含め、安定感のある強さが武器のリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
「EFエデュケーション・イージーポストはたくさんの野心を持つチームであり、僕は彼らが求めるピースにぴったりとハマる選手だ。僕のモチベーションは高く、同じ志を持つチームを探していた。共に掲げる目標はツール・ド・フランスの総合優勝。その高みを目指し、このチームならば共に歩んでいけると思ったんだ」。リチャル・カラパス(エクアドル)はEFエデュケーション・イージーポストのプレスリリースでそう語った。

一方、EFの代表を務めるジョナサン・ヴォーターズ氏はカラパスについて、「彼は僕がずっと好きな選手の1人だった。それはレースに勝つからだけでなく、インテリジェンスとタイミング、積極性、そして度胸を持ち合わせた選手だからだ。彼は(2019年の)ジロを賢さと、適切なタイミングでのアタックによって掴み取った。またリスクを取って攻める度胸が彼を一流の選手へと導いたんだ」と評価している。

契約期間は2025年までの3年間。EFは長らくリゴベルト・ウラン(コロンビア)をツールの総合エースとしてきたが、2017年大会の総合2位以降はトップ10止まり。今年は26位という結果に加え35歳という年齢のため、チームはウランに代わるエース選手を探していた。またEFには山岳に強いエスデバン・チャベス(コロンビア)とヒュー・カーシー(イギリス)がいるため、この補強によりツールで2強(ユンボ・ヴィスマとUAEチームエミレーツ)に割って入る可能性も低くない。



ユンボ・ヴィスマはファンバーレとケルデルマンの獲得を発表

今年パリ〜ルーベを制したディラン・ファンバーレ(オランダ、イネオス・グレナディアーズ)今年パリ〜ルーベを制したディラン・ファンバーレ(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
カラパスの退団を発表したイネオスは、同じ日にディラン・ファンバーレ(オランダ)の退団も明らかにした。今年パリ〜ルーベを制したファンバーレが3年契約(2025年まで)で加入するのは、母国オランダに籍を置くユンボ・ヴィスマだ。

「来年が待ち遠しい。オランダ人としてオランダ籍のチームに加入することは、まるで家に帰ってきたよう。ここ数年チームの著しい発展をその近くで見ていた。このチームにはワウト(ファンアールト)やティシュ(ベノート)、ネイサン(ファンホーイドンク)がおり、クラシックで強力な戦力が揃っている。だから春のクラシックが楽しみだし、ステージレースでも尽力したい。また来年はヨナス(ヴィンゲゴー)で総合優勝を挙げた(ツールの)チームに加わりたい」とファンバーレは語っている。

また、ユンボは同時に現在ボーラ・ハンスグローエに所属するウィルコ・ケルデルマン(オランダ)の復帰も明らかにした。ファンバーレと同じ3年契約で7年振りの復帰を果たすケルデルマンは、「またこのチームと一緒に戦えることを嬉しく思う。暫くチームを離れていたとは言え、僕らの関係はずっと続いていた。まだ僕自身成長の余地があると思っているし、若い選手に僕の経験を伝えたいと思っている」とコメントした。

ユンボ・ヴィスマへの復帰が決まったウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)ユンボ・ヴィスマへの復帰が決まったウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
text:Sotaro.Arakawa

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