フォスが圧巻のスプリントで大会4勝目　総合優勝はルドヴィグの手に

スプリントで決着したツアー・オブ・スカンジナビア最終日。他を圧倒するスピードでマリアンヌ・フォス（オランダ、ユンボ・ヴィスマ）が大会4勝目を挙げ、北欧デンマーク出身のセシリーウトラップ・ルドヴィグ（FDJスエズ・フチュロスコープ）が総合優勝に輝いた。

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リーダージャージを着てスタートを待つセシリーウトラップ・ルドヴィグ（デンマーク、FDJスエズ・フチュロスコープ） photo:CorVos
デンマークからスウェーデン、ノルウェーの3国を巡るツアー・オブ・スカンジナビア（UCI女子ワールドツアー）も最終日を迎え、この日はリレストレムからハルデンに向かう154.3kmコースで争われた。平坦基調のレイアウトには2つの3級山岳が登場し、最後はコーナーが連続するハルデンの街にフィニッシュするスプリントステージだ。

前日に圧巻の登坂力を披露して勝利とリーダージャージを掴んだセシリーウトラップ・ルドヴィグ（デンマーク、FDJスエズ・フチュロスコープ）を先頭にスタート。5名が飛び出して逃げグループを形成すると、フィニッシュ地点であるハルデンを目指してノルウェーの丘陵地帯を突き進んだ。

この日3つ設定された中間スプリントの内、2つを逃げグループのティア・ラグーザ（イタリア、リブレーシング・エクストラ）が先頭通過。これによりラグーザはチームメイトであるアリソン・ジャクソン（カナダ）のポイント賞ジャージを守ることに成功している。一方のメイン集団は、一時5分まで拡がったタイム差をリーダーチームのFDJスエズ・フチュロスコープが牽引して徐々に縮めていった。

カティア・ラグーザ（イタリア、リブレーシング・エクストラ）を含む5名が逃げグループを形成した photo:CorVos
レースを通してプロトンを牽引したFDJスエズ・フチュロスコープ photo:CorVos
ここまで区間3勝を挙げているマリアンヌ・フォス（オランダ）を擁するユンボ・ヴィスマにプロトンのコントロールが移ると、周回が設定されたハルデンに入る前に逃げを飲み込んだ。そして今大会最後の中間スプリント（残り11km地点）をジャクソンが先頭で通過してポイント賞を確定。散発的なアタックが繰り返されるなか、アヌースカ・コスター（オランダ、ユンボ・ヴィスマ）がアタックを成功させた。

そこに合流しようと短い登坂区間で総合2位のリアヌ・リッパート（ドイツ、チームDSM）が加速。17秒差の逆転を狙ったリッパートだったがルドヴィグのマークは振り切れない。そして残り150mでコスターを飲み込んだ集団によるスプリントバトルに持ち込まれると、コスターを追走するライバルたちの背後で脚を溜めていたフォスが先着した。

圧巻のスピードを披露して今大会4勝目を手に入れたフォス。「（大会4勝は）予想を超えた結果。またチームとしては山岳賞ジャージも欲しかった。初日からステージ優勝という目標を達成することができ、その後3勝を積み重ねた。これ以上の結果は求められないぐらい大成功の大会となった」と、シーズン8勝目を挙げたフォスは語った。またフォスの言葉にもあった通り、チームメイトであるアンバー・クラーク（オランダ）が山岳賞を獲得している。

スプリントで先頭に出るマリアンヌ・フォス（オランダ、ユンボ・ヴィスマ） photo:CorVos
大会4勝目を手に入れたマリアンヌ・フォス（オランダ、ユンボ・ヴィスマ） photo:CorVos
そして第8代総合優勝者の栄冠は、大会初となる北欧人選手ルドヴィグの手に。「とても嬉しいし誇りに思う。チームの皆も素晴らしい走りで、最高の気分だった。彼女たちのあまりの頑張りにレース中にもかかわらず泣きそうなぐらいね」と語るルドヴィグ。「今日はアタックが繰り返されるタフなレースで、必死に走ってリーダージャージを守ることができた。この後はシャンパンでお祝い。チームとしてワールドツアーでステージ優勝と総合優勝を掴むことができ、信じられないぐらい嬉しいよ」とも。

ツール・ド・フランス・ファムなど白熱の女子ワールドツアーも残すところあと4戦。次戦はフランス北西部のブルターニュで行われるワンデーレース、トロフェ・ソラティジ（8月27日）だ。

表彰台で今季8勝目を喜ぶマリアンヌ・フォス（オランダ、ユンボ・ヴィスマ） photo:CorVos
デンマーク開幕のツアー・オブ・スカンジナビアで総合優勝したセシリーウトラップ・ルドヴィグ（デンマーク、FDJスエズ・フチュロスコープ） photo:CorVos