ユンボ・ヴィスマがヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)とワウト・ファンアールト(ベルギー)のインタビュー動画を公開。マイヨジョーヌとマイヨヴェールがこれまでを振り返りつつ、重要山岳メンバー2名不在のまま臨む第3週目の展望を語った。



最終山岳決戦に臨むセップ・クス(アメリカ)とヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)最終山岳決戦に臨むセップ・クス(アメリカ)とヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク) photo:CorVos
「体調は大丈夫だ。よく眠れた。(落車して負傷した左肘に)擦過傷はあるが問題はない」。そう前向きな言葉で語り始めたのは、マイヨジョーヌを着用して第2週目を終えたヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)。「マイヨジョーヌでレースを走ることは選手キャリアの中でも特別な時間。またツール・ド・フランスでステージ優勝を挙げた体験は本当に素晴らしいものだった」。

ヴィンゲゴーは総合2位で迎えた第11ステージでプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)と共にタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)に猛攻を仕掛け、超級山岳グラノン峠でついにポガチャルを引き離し、自身初となるツール初ステージ優勝と共にマイヨジョーヌに袖を通した。

その後もポガチャルのアタックに耐え切ったヴィンゲゴーは、マイヨジョーヌを守って最終山岳決戦の場となるピレネー山脈へ。「当然ライバルたちはあらゆる場面で、またチーム一丸となり攻撃を仕掛けてくるだろう。でも既にグラノン峠やラルプデュエズで見られたように、山頂フィニッシュでは最終的に一騎打ちに持ち込まれるんだ」。

インタビューに答えるヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)インタビューに答えるヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
第15ステージでチームは山岳アシストに徹していたログリッチが怪我の回復を優先するため棄権し、またステフェン・クライスヴァイク(オランダ)も落車による鎖骨骨折でレースを去った。しかしヴィンゲゴーは、「2人の重要なヘルパーを失ったのは残念だが、幸い僕には強いチームが揃っている。僕たちはこんな状況でもベストを尽くすのみだ」とあくまで前向きだ。

「多くのアタックによる厳しいステージが予想される。また気温も相変わらず高くなるだろうし、力を振り絞らなければならないステージが続くだろう。面白い自転車レースになるはずだ。毎日を楽しんで走りたい」。

2人の山岳アシストを失ったユンボ・ヴィスマにとって、平坦区間はもちろん登りでも牽引できるファンアールトへの負担は増すことだろう。しかしファンアールトはあくまでも積極的な姿勢は崩さないと語る。「僕自身による勝利の可能性があれば、これまでと変わらず積極的に攻める。だが勝利を望めないステージでも、チームのサポートなど全うすべき役割があることは良いことだ。山岳ステージですぐグルペットに入り、時間制限をクリアするために走るなんてつまらないからね」。

第2週目終了時で既にマイヨヴェールをほぼ確定させているワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)第2週目終了時で既にマイヨヴェールをほぼ確定させているワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
「ヨナス(ヴィンゲゴー)は自信を持って走ることができている。彼はグラノン峠でライバルたちを一蹴した。その勝利が彼を真の総合エースへと成長させたんだ。彼の集中力は高く、同時に冷静さもある。彼は重圧の中で走るのに不可欠な2つの要素を持ち合わせているんだ」と、ファンアールトはエースであるヴィンゲゴーの成長を語る。

そして勝負が決する第3週目については、「(第3週目の山岳は)短くタフなステージとなるだろう。僕たちにとってトリッキーなステージとなり得るのは初日(第16ステージ)。なぜなら僕たちは人数で劣るからね。いかにレースをコントロール下に置くことができるかが鍵となる。山岳に入ってしまえばトップクライマーであるセップとヨナスがやってくれるはずだ。その頃には他のチームも多くの選手が残っていないだろう」と語る。

ファンアールトにとっての目標は、チームとしてのマイヨジョーヌ獲得はもちろん、2位に196点差と大量リードを確保しているマイヨヴェールの着用。そして更なるステージ優勝だ。「僕自身の結果を掴みに行くのは次の土日(第20、21ステージ)になる。それまでは力の全てをマイヨジョーヌを守ることに注ぐつもりだ」とファンアールトは締めくくった。


text:Sotaro.Arakawa

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