ジロ・ドンネ5日目をトレック・セガフレードが制圧。最終コーナーをトップ通過したエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)が、シャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM)らを退けステージ2勝目を挙げた。



スタート前のチームプレゼンテーションを待つアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)スタート前のチームプレゼンテーションを待つアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) photo:CorVos
女子ステージレースの最高峰「ジロ・デ・イタリア・ドンネ(ワールドツアー)」第5ステージはカルピからレッジョ・ネレミリアまでの126.1kmで争われた。この日の地形は獲得標高差が300mしかない平坦路であり、前日と変わらない高い気温のなか、今大会3度目の集団スプリントが繰り広げられた。

前日は許されなかった逃げがこの日はカルピを出発して即座に決まる。飛び出したのはハンナ・バーンズ(イギリス、ウノエックス・プロサイクリングチーム)を含む5名の選手たち。トレック・セガフレードがコントロールするプロトンに対して最大5分差のリードを得た逃げグループは、反時計回りで回り込むようにフィニッシュ地点のレッジョ・ネレミリアを目指し突き進んだ。

序盤から逃げたハンナ・バーンズ(イギリス、ウノエックス・プロサイクリングチーム)ら5名序盤から逃げたハンナ・バーンズ(イギリス、ウノエックス・プロサイクリングチーム)ら5名 photo:CorVos
マリアローザを着て走るアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)マリアローザを着て走るアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) photo:CorVos
残り20kmを過ぎてタイム差が1分を下回ると、ジョルジア・バリアーニ(イタリア、トップガールズ・ファッサボルトロ)が単独で飛び出す。逃げた選手たちは市街地に入った残り8kmで飲み込まれ、最後まで粘りを見せたバリアーニもあえなく吸収。マリアローザを着るアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)の安全確保のためモビスターが集団先頭で主導権を握った。

フラムルージュ(残り1km)の真下で落車が発生するものの、大勢に影響はなく、チームDSMのリードアウトからシャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM)とエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)が横並びでフィニッシュ手前150mの左コーナーに突入する。インサイドをバルサモが取った一方、フェンス側に膨らんだコールたちは大回りを余儀なくされた。

遅れを喫したコールと後方からのスプリントを強いられたマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス)が懸命に踏み込むものの、最短ラインで突き進んだバルサモのスピードには敵わない。ポイント賞ジャージを着る世界女王が今大会2勝目を掴み取った。

ハンドルを投げるエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)とシャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM)ハンドルを投げるエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)とシャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM) photo:CorVos
エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
表彰台で勝利を喜ぶエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)表彰台で勝利を喜ぶエリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos
「今日のステージはコースの予習をバッチリしていた。目標は最後のコーナーを先頭で入ること。しかしそこに適切ではないギヤで入ってしまい、少しスピードを失ってしまったので再加速しなければならなかった。だけど上手く修正することができ、それが勝利に繋がった」とバルサモは振り返る。

「フォスやコンソンニ、バスティアネッリ、コールと、トップスプリンターたち相手に良いスプリントができた。特にコールは普段、ロレーナ・ウィーベスのリードアウトとして活躍して自らスプリントしないにもかかわらず、手強い相手だった」と、ライバルたちへの敬意を語った。
ジロ・デ・イタリア・ドンネ2022第5ステージ
1位 エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード) 3:05:02
2位 シャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM)
3位 マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィス)
4位 キアラ・コンソンニ(イタリア、バルカー・トラベル&サービス)
5位 マルタ・バスティアネッリ(イタリア、UAEチームADQ)
6位 アルレニス・シエラ(キューバ、モビスター)
7位 ラケーレ・バルビエーリ(イタリア、リブレーシング・エクストラ)
8位 クララ・コッポニ(フランス、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ)
9位 エマニュエラ・ザネッティ(イタリア、イソルマント・プレマック・ヴィットリア)
10位 リアリン・トイテンベルク(ドイツ、セラティツィット・WNTプロサイクリング)
個人総合成績
1位 アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) 11:51:35
2位 マビ・ガルシア(スペイン、UAEチームADQ) 0:25
3位 マルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) 0:57
4位 エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) 5:00
5位 セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) 5:13
6位 アマンダ・スプラット(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) 5:14
7位 エリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム) 5:21
8位 ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス) 5:28
9位 エヴィータ・ムジック(フランス、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) 5:29
10位 シルヴィア・ペルシコ(イタリア、ヴァルカー・トラベル&サービス)
その他の特別賞
ポイント賞 エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)
ヤングライダー賞 エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)
山岳賞 フランツィスカ・ブラウーセ(ドイツ、セラティツィット・WNTプロサイクリング)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos