ブラジル開催となったUCI・MTBワールドカップでニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム)がW杯最多優勝記録に並ぶ33勝目をマーク。女子エリートではレベッカ・マコンネル(オーストラリア、プリマフロール・モンドレイカー・ジェヌイン)が自身初となるW杯勝利を掴んだ。



ブラジルの熱狂的なファンに見守られたW杯第1戦(写真はショートトラック)ブラジルの熱狂的なファンに見守られたW杯第1戦(写真はショートトラック) photo:UCI
MTBクロスカントリーレースの最高峰であるUCI・MTBワールドカップがブラジルで開幕した。今年のXCO(クロスカントリー)ワールドカップは第1戦ブラジルに始まり、ドイツのアルプシュタット、チェコのノヴェ・メストといったヨーロッパの名門&定番コースやアメリカ&カナダラウンドを経て、9月のイタリア・ヴァルディソーレで閉幕する合計9戦が予定されている。
2022メルセデスベンツUCIマウンテンバイクワールドカップスケジュール(XCO)
第1戦4月8日-10日ペトロポリス(ブラジル)
第2戦5月6日-8日アルプシュタット(ドイツ)
第3戦5月13日-15日ノヴェ・メスト(チェコ)
第4戦6月10日-12日レオガング(オーストリア)
第5戦7月8日-10日レンツァーハイデ(スイス)
第6戦7月15日-17日ヴァルノルド・パル・アリンサル(アンドラ)
第7戦7月29日-31日スノーシュー(アメリカ)
第8戦8月5日-7日モンサンタン(カナダ)
第9戦9月2日-4日ヴァルディソーレ(イタリア)


男子エリート:劇的な幕切れでシューターが最多優勝記録に並ぶ

フランス、ルルドで開幕したダウンヒルのワールドカップから遅れること2週間、クロスカントリーワールドカップは今シーズン唯一の新規開催地となるブラジルはペトロポリスで開幕した。

3日間35,000人のファンがペトロポリスの会場に詰めかけた3日間35,000人のファンがペトロポリスの会場に詰めかけた photo:UCI
ショートトラック女子レースを制したポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、BMC MTBレーシング)ショートトラック女子レースを制したポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、BMC MTBレーシング) photo:UCIショートトラック女子レースを制したアラン・ハースリー(南アフリカ、キャノンデールファクトリーレーシング)ショートトラック女子レースを制したアラン・ハースリー(南アフリカ、キャノンデールファクトリーレーシング) photo:UCI


ペトロポリスは首都リオデジャネイロの北に位置する街で、毎年ブラジルのナショナル選手権の舞台となるなど、ブラジルのクロスカントリーシーンの聖地と言われる場所。同国を代表するトップ選手ヘンリケ・アヴァンチーニ(キャノンデールファクトリーレーシング)の地元かつホームコースには、3日間を通して35,000人のファンがその走りを一目見ようと詰めかけた。

今年の大きな流れとしては、B&Bホテルズ・KTMの一員として本格的にロード参戦を果たしたヴィクトール・コレツキー(フランス)が不在(スポットで参戦を予定していると言う)となったこと。昨年の世界選手権で劇的なアルカンシエル奪還を果たしたニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム)ら、男女トップレベルのフルメンバーがペトロポリスに顔を揃えた。

男子エリートレースがスタート。オンドレイ・シンク(チェコ、クロス・オルレンサイクリングチーム)が序盤戦をリードした男子エリートレースがスタート。オンドレイ・シンク(チェコ、クロス・オルレンサイクリングチーム)が序盤戦をリードした photo:UCI
男子エリートレースを序盤からリードしたのはチェコチャンピオンのオンドレイ・シンク(クロス・オルレンサイクリングチーム)だった。しかしレースが進むにつれてシューターがペースメイクを行い、中盤を過ぎた頃に先頭グループはシューターとマキシム・マロット(フランス、サンタクルズ・FSA MTBプロチーム)、そしてヴラッド・ダスカル(ルーマニア、トレックファクトリーレーシングXC)の3名に絞り込まれる。大声援を受けて走るアヴァンチーニは不調を押して4番手を走っていたものの、後半にかけてスピードを失っていった(最終成績は13位)。

劇的なスプリントでマロットを下したニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム)劇的なスプリントでマロットを下したニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム) photo:UCI
ホームコースの大声援に後押しされたヘンリケ・アヴァンチーニ(ブラジル、キャノンデールファクトリーレーシング)ホームコースの大声援に後押しされたヘンリケ・アヴァンチーニ(ブラジル、キャノンデールファクトリーレーシング) photo:UCI
3人の先頭グループは互いにアタックと吸収を繰り返し、決定的な動きは決まらず最終盤へ。最後の登坂でシューターが仕掛けてダスカルを振り落としたものの、対抗するマロットが先頭を奪い返してホームストレートへ。フランスチャンピオンがアドバンテージを得てフィニッシュラインを目指したものの、「登りで先行されたけれど、諦めることなく挽回のチャンスを狙い続けた」と言うシューターは、残り100mを切ってからスプリントを仕掛け、フィニッシュライン直前でパス。劇的な幕切れで世界チャンピオンが両手を振り上げ、感情を爆発させた。

世界王者に返り咲いたシューターが、2022年開幕戦でかつての盟友でありライバルのジュリアン・アブサロン(フランス)が保持するワールドカップ最多優勝記録タイに並ぶ33勝目。シューターのワールドカップ前回優勝は2019年7月のレジェ以来およそ3年弱ぶり(2020年と2021年は勝利なし)だ。

アブサロンの持つW杯最多優勝記録(33勝)に並んだニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム)アブサロンの持つW杯最多優勝記録(33勝)に並んだニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム) photo:UCI
タイ記録到達についてシューターはSNSで「ありがとうアブサロン。僕たちの戦いと、君が樹立した記録は僕をよりハイレベルなアスリートに導いてくれた。今君とワールドカップ通算33勝という記録をシェアできることを誇りに思う」と綴る。シューターは2023年までスコット・スラムMTBレーシングチームと契約延長を果たしており、記録更新の可能性は十分に現実味を帯びている。



女子エリート:豪女王マコンネルがついにW杯初優勝

女子レースを序盤からリードしたのは、昨年絶好調を維持しながらも体調不良で世界選手権不出場を選んだロアナ・ルコント(フランス、キャニオン・CLLCTV)だった。世界女王イヴィ・リチャーズ(イギリス、トレックファクトリーレーシングXC)と五輪女王ヨランダ・ネフ(スイス、トレックファクトリーレーシングXC)が共に体調不良でレース参加を見送る中、ルコントは1周目から大きなリードを稼ぎ出した。

レース終盤、ルコントとテルプストラ、マコンネルが先頭グループを形成レース終盤、ルコントとテルプストラ、マコンネルが先頭グループを形成 photo:UCI
ルコントは一時リードを20秒近くまで広げたものの、全6周回中の4周目後半にかけてレベッカ・マコンネル(オーストラリア、プリマフロール・モンドレイカー・ジェヌイン)とアン・テルプストラ(オランダ、ゴーストファクトリーレーシング)が猛チャージして合流。すぐさま先行したテルプストラは1周回を逃げていたが、最終周回の登り区間でブレーキ。ミスも重なったことでマコンネルの追撃を許してしまった。

長い登坂区間を経て、先に下り区間に入ったのはマコンネルだった。世界選手権を筆頭に(2019・20年は3位銅メダル)、たびたび強烈な追い上げを披露していた豪女王が、そのままアタックを継続しキャリア初のワールドカップ優勝を掴み取った。

キャリア初のW杯優勝を遂げたレベッカ・マコンネル(オーストラリア、プリマフロール・モンドレイカー・ジェヌイン)キャリア初のW杯優勝を遂げたレベッカ・マコンネル(オーストラリア、プリマフロール・モンドレイカー・ジェヌイン) photo:UCI
「おそらくキャリアの中で、初めて完全にパーフェクトなレースになったと思う。これまで全部のレースで戦術的なミスや改善点を感じてきた。私は自分自身の走りを厳しく評価しているけれど、今回は完璧に近かった。ワールドカップウィナーになれて信じられない気分だし、シリーズリーダージャージと共に家に戻れるなんて素晴らしいこと」と、マコンネルは喜びを語っている。

メルセデスベンツUCI MTBワールドカップ第1戦女子エリート表彰台メルセデスベンツUCI MTBワールドカップ第1戦女子エリート表彰台 photo:UCI
XCOワールドカップの第2戦はヨーロッパに帰還。1ヶ月をあけた5月6日から8日にドイツのアルプシュタットで開催される。
メルセデスベンツUCI MTBワールドカップ第1戦男子エリート結果
1位ニノ・シューター(スイス、スコット・スラムMTBレーシングチーム)1:26:52
2位マキシム・マロット(フランス、サンタクルズ・FSA MTBプロチーム)
3位ヴラッド・ダスカル(ルーマニア、トレックファクトリーレーシングXC)+0:03
4位セバスティアンフィニー・カルステンセン(デンマーク、KMCオルベア)+0:55
5位フィリッポ・コロンボ(スイス、BMC MTBレーシング)+0:56
6位ピエール・デフロワモン(ベルギー、KMCオルベア)+1:07
7位ルーカ・ブライドット(イタリア、サンタクルズ・FSA MTBプロチーム)+1:40
8位トーマス・リッチャー(スイス、クロス・オルレンサイクリングチーム)+1:41
9位アラン・ハースリー(南アフリカ、キャノンデールファクトリーレーシング)+1:50
10位オンドレイ・シンク(チェコ、クロス・オルレンサイクリングチーム)+1:57
メルセデスベンツUCI MTBワールドカップ第1戦女子エリート結果
1位レベッカ・マコンネル(オーストラリア、プリマフロール・モンドレイカー・ジェヌイン)1:29:41
2位アン・テルプストラ(オランダ、ゴーストファクトリーレーシング)+0:17
3位ロアナ・ルコント(フランス、キャニオン・コレクティブ)+0:38
4位ラウラ・スティッガー(オーストリア、スペシャライズドファクトリーレーシング)+1:44
5位モナ・ミッターウォールナー(オーストリア、キャノンデールファクトリーレーシング)+1:53
6位カロリーヌ・ボヘ(デンマーク、ゴーストファクトリーレーシング)+2:34
7位リンダ・インダーガンド(スイス、リブファクトリーレーシング)+3:39
8位アレッサンドラ・ケラー(スイス、トムス・マクソン)+4:16
9位ケイト・コートニー(アメリカ、スコット・スラムMTBレーシングチーム)+4:16
10位アン・タウバー(オランダ、CSTポストNLバーファンMTBレーシングチーム)+4:20
text:So Isobe
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