マヨルカ最終日に19歳デリーがスプリント勝利　プロ3戦目でマシューズらを打破

マヨルカチャレンジ最終日は集団スプリントで決着。今年プロ昇格を果たした19歳のアルノー・デリー（ベルギー、ロット・スーダル）が勝利し、石原悠希は4分13秒遅れの123位、小山智也はフィニッシュまでたどり着くもDNFで連戦を終えている。

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最終日を迎えたチャレンジマヨルカ2022 photo:CorVos
欧州にロードシーズンの幕明けを告げる「チャレンジマヨルカ」も最終日。5日目の「トロフェオ・プラヤデパルマ〜パルマ」はリゾート地エル・アレナルからバレアレス諸島州の州都パルマ・デ・マヨルカを囲うように周る169.1kmで行われた。残り35km地点の3級山岳サンクルー峠（距離9.1km/平均3.2%）をクリアしてからは下りと平坦が続き、フィニッシュまでは180度コーナーも登場するクリテリウムさながらのスプリンターレースだ。

この日逃げ集団を形成したのは、昨年ブエルタ・ア・エスパーニャで積極果敢に逃げていたシャビエル・アスパレン（スペイン、エウスカルテル・エウスカディ）を中心とした4人。プロトンはマッテオ・モスケッティ（イタリア）とフアン・モラノ（コロンビア）をそれぞれエーススプリンターに据えるトレック・セガフレードとUAEチームエミレーツがコントロールし、順調に距離を消化していった。

逃げ集団を形成したアントニオ・モリナ（スペイン、カハルラル・セグロスRGA）ら photo:CorVos
プロトンを時折談笑しながらコントロールするUAEチームエミレーツ photo:CorVos
緩くも長いサンクルー峠の登りで逃げ集団が引き戻され、各チームがスプリントの準備を整えながらパルマの海岸線沿いに出る。1度目のフィニッシュライン通過直前にエウスカルテル・エウスカディとカハルラル・セグロスRGAが協力してアタックするも。徐々にスピードを増すメイン集団に吸収され、予想取り一塊のままフィニッシュへと突き進んだ。

すると位置取り争いが激化するフィニッシュ手前1km地点で落車が発生した。勝負はそれを回避した30名程度の小集団スプリントに持ち込まれ、アルノー・デリー（ベルギー、ロット・スーダル）がモラノやマイケル・マシューズ（オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ）といったビッグネームを抑えたままフィニッシュラインを駆け抜けた。

プロ初勝利に雄叫びを上げ喜ぶアルノー・デリー（ベルギー、ロット・スーダル） photo:CorVos
チャレンジマヨルカ2022 トロフェオ・プラヤデパルマ〜パルマ表彰台 photo:CorVos
「言葉がない。プロデビュー3戦目でプロ初勝利なんて本当に信じられないよ。チームは僕の勝利を信じてチャンスを与えてくれた。プレッシャーは感じなかったものの、その思いに報いるべくベストを尽くした。最後の山岳を完璧な位置で越えることができた素晴らしいチームワークに感謝したい」と、弱冠19歳でチームに今大会2勝目をもたらしたデリーはコメントしている。

「その後はチームメイトが集団前方で僕を守ってくれ、特にラスト1kmをミヒャエル・シュヴァルツマンが導いてくれた。スプリントでは的確に選手の後ろにつき、プロ初勝利を挙げることができた」。ロット・スーダルの下部チームで昨年4勝を挙げ、今年からトップチームに昇格したデリーは笑顔で語った。

また、石原悠希は4分13秒遅れの123位で今大会初の完走を果たし、小山智也はフィニッシュにはたどり着くもDNF。海外チームに移籍し、早くもハイレベルの欧州レースを走った2人へのインタビュー記事は追って掲載予定です。