マヨルカ2日目は、後半の山岳を生き残った50名によるスプリント勝負に。並み居るスプリンターを抑え、ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が移籍後2勝目を挙げている。



マヨルカ島北部を舞台にしたチャレンジマヨルカ2日目マヨルカ島北部を舞台にしたチャレンジマヨルカ2日目 photo:CorVos
プロチームの冬季定番合宿地であるマヨルカ島を舞台に開催されるオープニングレース、チャレンジマヨルカは2日目。各チームは選手を入れ替えて2014年以来に復活したトロフェオ・アルクディア(UCI1.1)に臨んだ。

ビーチリゾートの街ポート・ダルクディアを発着するコースは、内陸部と沿岸部を経由しつつ8の字を描く173.2km。基本的には平坦基調ながら、フィニッシュ手前50km地点にある標高600m弱の2級山岳と、それに連続する4級山岳がキモ。山岳を耐えたスプリンターにチャンスがあるレイアウトだ。

落車が頻発した序盤のアタック合戦を経て逃げたのはミケル・ビスカラ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)ら4名。5分以上のリードを得て巡行したエスケープだったものの、新加入のパスカル・アッカーマン(ドイツ)をエースに据えるUAEチームエミレーツと、イバン・ガルシア(スペイン)を勝たせたいモビスターの牽引によってあっさりと引き戻された。

久々のワールドツアーチーム復帰を果たしたシモン・ペロー(スイス、トレック・セガフレード)久々のワールドツアーチーム復帰を果たしたシモン・ペロー(スイス、トレック・セガフレード) photo:CorVos前日勝利で波に乗るUAEチームエミレーツ前日勝利で波に乗るUAEチームエミレーツ photo:CorVos

集団のペースメイクを担うモビスター集団のペースメイクを担うモビスター photo:CorVos
登坂区間のハイペースによってアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)やマキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、コフィディス)らが脱落したものの、アッカーマンやガルシア、ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、イスラエル・プレミアテック)やマイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)らが約50名の先頭集団内に生き残ってフィニッシュを目指す。

こうして迎えた最終盤、残り700mの鋭角コーナーでアッカーマンはポジションを落とし、ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が力強くスプリント。競り合うライアン・ギボンズ(南アフリカ)やニッツォーロ、ガルシアから頭一つ抜け出したまま、ギルマイが真っ先にフィニッシュラインに飛び込んだ。

今季初勝利を挙げたビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)今季初勝利を挙げたビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) photo:CorVos
ギルマイは2020年にNIPPOデルコ・ワンプロヴァンスでデビューした若干21歳。昨年に情勢不安定なデルコを抜け出し、アンテルマルシェに3年半契約でシーズン途中移籍していた。「世界最高峰のスプリンターを今季レース2日目で打ち負かせるとは思ってなかった。勝負に加わるために登りでは本当に苦しめられたけれど、チームメイトのおかげで脚を残すことができた。土日のレースにも出場するので勢いを維持したい」と話している。

翌日のトロフェオ・セッラ・デ・トラムンタナは、プイグマホール山脈を駆け巡る山岳レース。序盤からカテゴリー山岳が連続し、後半には1級山岳プイグマホール(登坂距離14.6km/平均勾配6%)が控えるため、クライマーにとっては絶好の脚試しになるはずだ。
トロフェオ・アルクディア2022結果
1位 ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) 3:50:48
2位 ライアン・ギボンズ(南アフリカ、UAEチームエミレーツ)
3位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、イスラエル・プレミアテック)
4位 イバン・ガルシア(スペイン、モビスター)
5位 マティス・ルーヴェル(フランス、アルケア・サムシック)
6位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)
7位 ピエト・アレハールト(ベルギー、コフィディス)
8位 パスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ)
9位 ヘスス・エスケラ(スペイン、ブルゴスBH)
10位 ローレンス・ナーセン(ベルギー、AG2Rシトロエン)
text:So Ioobe
photo:CorVos

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