サクソバンクはトラブル続きだ。ミラノ〜サンレモで落車し、途中リタイアしたスチュアート・オグレディ(オーストラリア、サクソバンク)は右鎖骨と肋骨を骨折し、さらに肺と肋骨間に浮腫が見つかった。2007年のパリ〜ルーベで優勝を飾っているオグレディだが、残念ながらクラシックシーズンを棒に振ることになる。

29km地点で落車したスチュアート・オグレディ(オーストラリア、サクソバンク)、このあとリタイア29km地点で落車したスチュアート・オグレディ(オーストラリア、サクソバンク)、このあとリタイア photo:Cor Vosミラノ〜サンレモの29km地点で落車し、一旦はバイクに戻ったもののその後リタイアしたオグレディ。サクソバンクのチーム公式サイトが伝えたところによると、オグレディは右鎖骨と肋骨を骨折し、さらに肺と肋骨の間に浮腫が見つかった。

チームのデモール医師はチーム公式サイトの中で、「スチュアートは病院で診察を受け、家に帰るところだった。最初は数カ所の打撲と診断されただけだったんだ。でも医師がX線画像を精査したところ、スチュアートは呼び戻された。」「一番深刻なのは、肺と肋骨の間に見つかった浮腫。スチュアートは昨日(3月21日)すでに手術を終えているが、まだ手術が必要な可能性もある。(鎖骨と肋骨の)骨折自体は軽いので、浮腫さえ取り除けば数週間でトレーニングに戻ることは可能。でも残念ながらクラシックレースはパスせざるを得ない」とコメントしている。

しかし同医師はオグレディの早期のレース復帰を予想。「スチュアートはタフガイだ。術後の経過が順調ならば、1ヶ月もしないうちにカムバックするだろう。彼のこれまでのキャリアは故障の連続だった。だからこそ、彼はカムバックに必要な精神的な強さを持ち合わせている」と語っている。

オグレディ本人は「落車の影響で、自分のスケジュールからクラシックレースが消え去ったことは残念でならない。ここ数ヶ月は一つの目標に向かってハードなトレーニングをこなしてきたんだ。そう、パリ〜ルーベに向けて。でもその望みはすべて粉砕されてしまった。」と無念のコメント。しかし「今後、もう一度(パリ〜ルーベに)出場するチャンスが巡ってくると望む」と、2度目のパリ〜ルーベ制覇を諦めていない。

オグレディのキャリアはこれまで落車怪我の連続だ。近年では、2007年ツール・ド・フランス第8ステージで激しく落車し、脊椎損傷、肺破損、鎖骨骨折、肩甲骨骨折、 肋骨5本骨折の大怪我を負った。2008年ジロ・デ・イタリアでも鎖骨を骨折している。

サクソバンクはエースのファビアン・カンチェラーラ(スイス)が落車に伴うコンディション不良でサンレモを欠場し、フランク・シュレク(ルクセンブルク)も同じく落車怪我でサンレモを欠場。昨シーズン序盤から絶好調だったチームだが、今シーズンは不運な落車&トラブルが続いている。

チームオーナーのビャルヌ・リースは「クラシックシーズンに向けて、経験豊かなスチュアートに代わる選手なんていない。最も得意とするレースを欠場するなんて、不運としか言いようがない。スチュアートはこれまで石畳のクラシックに調子を合わせてきたんだ。個人的な視点で言わせてもらうと、出場すれば彼は勝負に絡んでいただろう。スチュアートのキャリアは不運な落車の連続。彼の早いカムバックをチームとして望んでいる」と語っている。

コメントはチーム公式サイトより。