クロアチアを舞台にした「クロ・レース」が開幕した。6時間弱の最長ステージの末に、フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)が勝利を掴んだ。



曇り空のオシイェクを出発曇り空のオシイェクを出発 photo:www.crorace.comジロ・デ・シチリアと同じ9月28日に開幕した「CRO Race(クロ・レース)」は、2018年までツアー・オブ・クロアチアの名で開催されてきた新興ステージレース。UCIカテゴリーはHC(現PRO)から1クラスにダウングレードしたものの、今年は4つのUCIワールドチームと7のプロチームを含む合計20チームが参戦を果たした。

6日間の内訳はスプリンターステージとパンチャー向けの丘陵ステージが3つずつ。第5ステージには超級山岳が登場するものの、レース中盤に登坂をこなすためクライマー向きステージとは言えない。サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ)やミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)、マルクス・フールゴー(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム)といった面々がシーズン終盤戦に向けて参戦中だ。


ドラヴァ川沿いの平坦路でスプリンターチームが集団をコントロールドラヴァ川沿いの平坦路でスプリンターチームが集団をコントロール photo:www.crorace.com
ヴァラズディン市街地のフィニッシュラインを通過するヴァラズディン市街地のフィニッシュラインを通過する photo:www.crorace.com
オシイェクからヴァラズディンまで、ドラヴァ川沿いの平坦路を延々237km走る第1ステージはコースプロフィール通りのスプリンターステージ。地元クロアチアのフラン・ミハリェヴィッチ(クロアチア、サイクリングチーム・フリウリASD)を含む逃げは5分以上のリードを許されない状況下で200km以上をエスケープした。

この日唯一設定された199km地点の山岳ポイントを過ぎてから逃げグループは吸収され、そのカウンターでシャビエル・アスパレンとルイス・マテのエウスカルテル・エウスカディコンビが飛び出すも残り8kmで吸収。ウノエックス・プロサイクリングチームやユンボ・ヴィズマが主導権争いを繰り広げながら集団スプリントへとなだれ込んだ。

夕日が差し込むヴァラズディン市街地の狭い最終ストレートでスプリンターたちが加速。今年2月にユンボ・ヴィズマに加わった新鋭スプリンターオラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)は伸びず、その横をフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)がパス。6時間弱に及ぶ長い1日の末、単騎勝負に挑んだバウハウスが勝利した。

オラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)を下したフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)オラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)を下したフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:www.crorace.com
クロアチア初日に勝利を挙げたフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)クロアチア初日に勝利を挙げたフィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:www.crorace.com
「僕たちはクライマーを中心としたメンバーで参戦したが、彼らが今日は素晴らしい仕事をしてくれた。最後は一人でスプリント勝負をしたけれど、最終コーナーまではチームが良い位置に運んでくれたんだ」とチームでの勝利をアピールするバウハウス。「コーナーを立ち上がり、フィニッシュゲートが見えてからは真っ先に踏み込んだ。初日を勝利したので、これからのステージも楽しみだ」とさらなる勝利量産に向けて意気込んでいる。
クロ・レース2021第1ステージ結果
1位 フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) 5:52:06
2位 オラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
3位 クリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム)
4位 アントニオ・アングロ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
5位 ミック・ファンダイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
個人総合成績
1位 フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) 5:52:06
2位 オラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) 0:04
3位 クリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム) 0:05
4位 マルクス・フールゴー(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム) 0:07
5位 フラン・ミハリェヴィッチ(クロアチア、サイクリングチーム・フリウリASD)