「強さ、賢さ、タイミングが全て揃い掴んだ勝利」と今大会2勝目をマークしたファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)はコメント。惜しくも敗れたダイネーゼや、明日の山岳ステージに望むログリッチやベルナルなど、ブエルタ8日目を終えた選手たちの言葉を紹介します。



ステージ1位&ポイント賞 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)

今大会ステージ2勝目を飾ったファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)今大会ステージ2勝目を飾ったファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Unipublic
再び勝利を掴むことができて嬉しいし、何より完璧な動きを見せてくれたチームのおかげだ。途中リードアウトを見失ってしまったが、それでも良い位置にいたので最終コーナーを抜けた残り200mからスプリトを開始した。

勝利には強く、賢く、そしてタイミングという3つが揃っている必要がある。特にこういった(テクニカルな)フィニッシュではタイミングが勝負を分けるんだ。ここままでそれを2度逃してしまっていたが、今回はコーナーを利用してフルスプリントすることができた。ラスト40kmからは厳しく、総合上位にいるチームがポジション確保のため集団先頭を取ろうと必死だった。だが素晴らしいチームの働きおかげで、常に先頭付近にいることができた。

一昨年に続きステージ2勝目を挙げたファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)一昨年に続きステージ2勝目を挙げたファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:Unipublic
フィニッシュ手前でチームメイトを失ってしまったが、冷静かつそこから前に出るスピードには自信があった。フロリアン(セネシャル)は素晴らしく、最終コーナーからフィニッシュまで踏み切るだけだった。第1週目で2度のステージ優勝なんて嬉しいし興奮しているよ。そして再びマイヨプントスを獲得することができた。暑さと登りが厳しかった昨日のステージを乗り越えた良いご褒美となったね。

この2勝目という意味は大きい。デビューとなった2年前のブエルタでも2勝を挙げた。そして困難を乗り越え、再び2勝目を掴むことができたなんて信じられない。チームの皆に感謝したいし、何より今日来ているパトリック・ルフェーブルGMが喜んでくれた。これが僕たちチームの戦い方で、引き続き勝利を目指して頑張っていきたい。

ステージ2位 アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チームDSM)

ハンドルを投げ込むも勝利には僅かに届かなかったアルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チームDSM)ハンドルを投げ込むも勝利には僅かに届かなかったアルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チームDSM) photo:Unipublic
ファビオ(ヤコブセン)の後ろについたのだが、彼が速すぎたため最終コーナーを抜けたラスト150mで抜けなかった。表彰台に立てたことは嬉しいものの、僕はスプリンターなのでもちろん勝利が欲しかった。

昨日はタフなステージで終始グルペットの中にいた。レースを通して楽な展開で、ライバルたちの脚もフレッシュなように見えた。レースが進むにつれ自信も増してきたし、ブエルタ開幕前には思ってもいなかったような成績なので、嬉しいと言えるだろう。

ステージ4位 ジョルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ)


1日を通してドゥクーニンク・クイックステップやアルペシン・フェニックスが集団を上手くコントロールしていた。そして残り25~30kmから横風分断の危険もあり、集団内が慌ただしさを増した。その中でもチームは僕を集団先頭で守る素晴らしい働きを見せてくれた。スプリントでは最後にリードアウトであるマーティン・ラースを見失ってしまい4位という結果に終わってしまった。だが日に日に調子は上がってきているので、次のチャンスに向けて頑張りたい。

ステージ5位 イタマル・アインホルン(イスラエル、イスラエル・スタートアップネイション)

落車や怪我で4人まで減ったチームメイトは、僕をサポートするために頑張ってくれ、僕に笑顔を取り戻してくれた。

ステージ6位 アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)

チーム全体として良い仕事をしてくれたのにもかかわらず、勝利で報いることができなかった。常に上手くいくわけないが、この結果には落ち込んでいる。昨年は全てが思い通りにいったのだが、今年はスプリントが複雑になっている。でもまだ第1週目なので焦ってはいけない。なぜなら第18ステージで勝利を挙げた2018年ツール・ド・フランスでは最終週まで苦しんでいたのだからね。過去の実績をもとに、この後も戦い続けていきたい。

7位に入ったマイケル・マシューズのリードアウトを務めたルカ・メズゲッツ(スロベニア、バイクエクスチェンジ)

残り700mからUAEチームエミレーツが良い形を作っていたので、トレンティンの後ろについてリードアウトしようと考えた。ラインが横に振れた瞬間、良い位置にいるマシューズの姿が見え、ドゥクーニンクが良いトレインを組んでいた。良いタイミングでマシューズを送り出せたので、(マシューズの7位という結果には)満足しているよ。

マイヨロホ プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)

総合首位で明日の山岳ステージを迎えるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)総合首位で明日の山岳ステージを迎えるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
こういったステージは1日を通して集中しなければいけないため、身体よりも精神的な疲労の方が大きい。幸運にもトラブルもなく走り終えることができ、休息日まであと1日だ。また昨年と違い、たくさんの観客の中を走ることができて気持ちがいいよ。明日は標高のある山岳ステージが待っており、最終山岳を争う初めてのステージとなる。(昨日のステージで)ライバルたちは力を見せた。自分の脚の調子が良いことを願いながら戦うのみだ。

総合6位&ヤングライダー賞 エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)

表彰式後にファンにボトルを手渡すエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)表彰式後にファンにボトルを手渡すエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) photo:Unipublic湿度の高い1日だった。汗の量も多く、身体を冷ますことを常に意識していた。ストレスが多く、落車のリスクを減らすためにも集団先頭にいることが何より大事だった。集団の緊張感が高いときは、尚更トラブルから距離を取ることが求められる。これでまた1日が終わり、明日はベレフィケだ。明日の結果はこの脚の次第だね。

総合7位 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス)

昨日の逃げで総合順位を上げることができた。だがチームプランに変更はなく、ここに向けて十分なトレーニングを積めていないことから、この後どういった走りができるかも分からない。僕たちミケル(ランダ)を信頼しているし、あくまでも彼がエースだ。日曜のレースが終われば、どんなレースになるのかが明らかになるだろう。

カーシーを失ったサイモン・カー(イギリス、EFエデュケーション・NIPPO)

このブエルタにはヒューの総合を争うために来たんだ。彼を失ったいま、ステージ優勝に切り替えなければならない。マグネス(コルト)で勝利を挙げることができて本当に嬉しかったし、また勝利を掴めるよう狙っていきたい。僕自身は逃げ切りの可能性が高い山岳ステージを狙いたいが、登りフィニッシュがあるコースでは無理だろう。つまり残る約半分のステージがそれに適している。だがスペインのこれほど南でレースしたことがないので、ほとんどの登りが初めてなんだ。だからVeloviewerでコースを確認しながら狙いを絞っていきたい。

鎖骨骨折で棄権したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

1週間でブエルタを去ることはとても残念だ。たくさんのメッセージや応援、どうもありがとう。皆からの愛が僕を元気づけてくれる。何よりもチームメイトの成功を祈っている。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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