アムステルゴールドレースで2度の優勝に輝いたエンリコ・ガスパロット(スイス、NTTプロサイクリング)がSNS上で引退を発表。16年に渡るプロ生活に別れを告げた。



16年のプロ生活に終止符を打つエンリコ・ガスパロット16年のプロ生活に終止符を打つエンリコ・ガスパロット (c)CorVos
「世界を旅し、異文化を体験し、素晴らしい人々と出会い、誠実かつ深い友情を築くことができた長い旅だった。この旅は僕に決断力や努力、忍耐や自己犠牲、そして敗北から立ち上がる意味を教えてくれ、選手として、また人として成長させてくれた。この旅を通して得ることができた強固な価値観は、今後変わらず持ち続けていくものであり、僕の新しい未来の道しるべとなるだろう」と、ガスパロットは自身のTwitterとInstagramで引退を表明した。

38歳のガスパロットは2005年にリクイガスでプロデビュー。その後ランプレやアスタナ、ワンティゴベール、バーレーン・メリダと渡り歩き、2019年からはディメンション・データ(現NTTプロサイクリング)に所属。174cmという小柄ながらもクラシックレースを中心に戦い、チームの指南役としても活躍を見せた。

2012年、16年のアムステルゴールドレースで勝利を挙げたエンリコ・ガスパロット2012年、16年のアムステルゴールドレースで勝利を挙げたエンリコ・ガスパロット (c)CorVos
16年のプロキャリアでは、2005年にイタリア選手権で優勝すると、ティレーノ〜アドリアティコでステージ優勝(10年)、2012年と2016年にアムステルゴールドレース優勝(3位が2度)など、キャリア通算10勝を挙げた。リクイガス時代には、初出場した2007年のジロ・デ・イタリアで2日間マリアローザを着用した。

またガスパロットは、2019年末に国籍をイタリアから長年居を構えるスイスに変更している。

2007年にはマリアローザにも袖を通したエンリコ・ガスパロット2007年にはマリアローザにも袖を通したエンリコ・ガスパロット (c)CorVos
「この16年間の大きな目標としてはスポーツ選手としての成功があったが、もう一方で自分の長所や短所を受け入れ、一緒に仕事をするすべての人に対し特別な何かを残こすという目標があった。そしてここ数年、後輩のチームメイトやマッサー、メカニックや監督から貰ったメッセージから、それを成し遂げることができたと分かった。その事実は僕に満足感と、未来への自信を与えてくれた」。

ガスパロットにとって現役最後のレースは、総合120位でフィニシュしたブエルタ・ア・エスパーニャ第18ステージ(10月8日)となった。


text:Sotaro Arakawa

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