超級山岳グラン・コロンビエールの頂上フィニッシュで勝負が決した第15ステージ。スプリントを制し2勝目を上げたポガチャルや、マイヨジョーヌを大きく引き寄せたログリッチ、反対に大きくタイムを失い総合争いから脱落したベルナルなどのコメントを紹介します。



ステージ優勝&総合2位&マイヨブラン タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

今大会2勝目を掴んだタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)今大会2勝目を掴んだタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Makoto.AYANO
逃げが形成されるまでレースはとても速いスピード始まり、マルコ・マルカートがその動きをカバーしてくれた。ユンボ・ヴィスマは非常に速いペースを一日中維持していて、また暑さもあったのでアタックしない方がベターだと思っていた。最後はスプリントまで待ち、またしても美しい勝利を手に入れた。

ユンボ・ヴィスマのペース設定の影響で総合勢の何人かは遅れてしまった。明日は休息日だ。その後はまたベストを尽くすよ。ログリッチは無敵のように見えるが、何が起きてもおかしくない。今日のベルナルのように誰にだってバッドデイはやってくる。僕にだって、そしてプリモシュ(ログリッチ)にだって。

ステージ2位&マイヨジョーヌ プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)

タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) がマイヨジョーヌのログリッチに先着でフィニッシュに飛び込むタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) がマイヨジョーヌのログリッチに先着でフィニッシュに飛び込む photo:Makoto.AYANO
勝利には少し足りなかった。ポガチャルが少しだけ速かった。チームメイトの働きに報いるためにも勝ちたかったが、残念ながらそうはいかなかった。チームメイトに称賛を送りたい。彼らはとてもとても強かった。感動すら覚えるほどだ。ペースは非常に速くタフだったが、我々にとって良い一日になった。今のところすべてが計画通りに進んでいるが、レースはまだ終わっていない。

マイヨジョーヌをまた一歩確かなものにしたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)マイヨジョーヌをまた一歩確かなものにしたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:Makoto.AYANO

ステージ3位&総合6位 リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)

残り200mで先頭に立つリッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)残り200mで先頭に立つリッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) photo:Kei Tsuji
今日のような登りがあるステージが終わってホッとしているよ。自分にとって良い結果だったし、チームメイトは僕を助けてくれた。2回目の休息日を良い気分で迎えることができて嬉しい。でもレースはまだ続いてくし、スーパーハードなステージが3日連続で待ち受けている。スプリントステージですら何が起こるかわからない。パリの直前にはタイムトライアルも待っている。2人のスロベニア人は違うレベルで争っているが、ここ数ステージは(表彰台に立つのに)相応しい登りを見せていると思う。厳しいと思うがやる気に満ち溢れるよ。

ステージ4位&総合4位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

4番手でフィニッシュに向かうミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)4番手でフィニッシュに向かうミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) photo:Makoto.AYANO
大きな山岳ステージの初日にとても満足している。最高の選手たちのいる集団で走り、最後まで彼らのアタックについていくことができたので良かったと思う。一日を通してチームは素晴らしい働きをしてくれた。僕たちはこのステージでよい計画があり、何のミスもせず、みんな最初から最後まですべてが上手くいった。最後の登りではアロルド・テハダが隣で素晴らしいサポートをしてくれた。登りはタフだったが調子は良く、できる限りを尽くすことができた。だから4位は悪くない。まだ3週目が残っているので、チーム一丸となって一日一日を大切にしていきたい。明日は休息日なので、この2週間のハードなレースを終えた疲れを、少し休んで回復したい。

ステージ9位&総合3位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFプロサイクリング)

9位フィニッシュのリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFプロサイクリング)が総合3位に9位フィニッシュのリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFプロサイクリング)が総合3位に photo:Makoto.AYANO
チームメイトのセルジオ(イギータ)をアクシデントで失ってしまい難しい一日になった。それでも前を向いて走らなければいけないし、フィニッシュラインではあまりタイムを失うこともなかった。大事な1週間が待ち受けているし、チームメイトを失うのは皆を少し悲しい気持ちにさせる。でも彼の怪我が深刻なものではないことにホッとしている。最終日まで集中して前に進まなければならない。

強力な牽引を見せたトム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)

プリモシュ(ログリッチ)は調子がよく、ステージ優勝を目指したいと言っていた。チームとしてのまとまりがとても強かった。それは良かったと思う。ステージ優勝ができなかったのは残念だ。プリモシュは残り500mくらいからスプリントしたが、そうするべきではなかったのかもしれない。でも終わった後に言うのは簡単だ。いずれにせよ自分の調子が正しい方向に向いていることに満足している。今日は本当に調子が良かった。それが来たるステージに向けて自信になった。まだプリモシュとチームにとっていい感じではあるが、特にポガチャルに対しては油断してはならない。

敢闘賞 ピエール・ロラン(フランス、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト)

敢闘賞はピエール・ロラン(フランス、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト)敢闘賞はピエール・ロラン(フランス、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト) photo:Makoto.AYANO
多くの選手が逃げに乗りがっていたので大変な戦いになった。休息日を翌日に控え、マイヨアポワのためのポイント設定が多かったので驚くことではない。タイム差は広げられなかったが、ツールに対する敬意を示すためにフィニッシュラインまで力を尽くした。(メイン集団に)引き戻されるまでは全てを出しきらなければならないんだ。

2013年にマイヨアポワを失ったことが最も大きな後悔の一つだったんだ。ラ・ロズ峠(第17ステージの超級山岳メリベル)のダブルポイントが山岳賞を決めるだろう。今日で18ポイントを稼いだ。脚がある限り逃げに乗りたい。しかし既に力を使ってしまっている。とても疲れているので明日休息日だということは嬉しいよ。

大きく遅れ総合争いから脱落したエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)

7分20秒遅れでフィニッシュしたエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)とミハウ・クフィアトコフスキ7分20秒遅れでフィニッシュしたエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)とミハウ・クフィアトコフスキ photo:Makoto.AYANO
正直、最初の登りから調子が悪かった。最初から苦しく遅れそうになっていた。チームに調子が悪いことを伝えたが、最後までベストを尽くそうを戦い続けた。

どう感じていたかを言い表すのは難しいが、空っぽで力が入らなかった。他の選手たちが加速してもついていくことができなかった。すぐに回復したのだが、身体がいつものように反応しなかった。ゼッケン1番をつけているのでベストを尽くそうとしたが、自分よりも強い選手がいた。

他の総合勢と一緒に最終山岳を登り始めたとしても遅れてしまっただろう。自分のためだけではなくチームのため、そしてこのレースに対するリスペクトのためにもベストを尽くしたいと思った。

言い訳はできない。可能な限り回復に励んだつもりだが、なぜだがわからないが(追いかける)脚がなかった。僕よりも他の選手たちが強い。その事実を受け入れなければいけない。

献身的なアシストを見せたミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)

可能性が僕たちを前進させる。(勝てるという)保証がそうさせるわけではない。勝者であり続ける人生なんてあり得ない。それがスポーツの美しさだ。僕たちは必ず戻ってくる。ベルナルもまた必ず戻ってくる。

二度の落車で棄権したセルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング)

落車したセルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング)はリタイアを余儀なくされる落車したセルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング)はリタイアを余儀なくされる photo:Kei Tsuji
レース開始時にティージェイ(ヴァンガーデレン)とアルベルト(ベッティオル)と僕で逃げに乗る計画があったんだ。アタック中に前にいた選手に前輪を持っていかれてしまった。時速58kmとかなり速いスピード走行する中で落車してしまった。その後はプロトンに戻ろうとラウンドアバウトを周っていた時に(痛めた手で)ブレーキを握れず再び落車してしまった。

パリまで行きたかったから再度バイクに乗り走り続けた。しかし手に痛みを感じ始め、ブレーキを握れないことに気がついた。また落車をするかもしれないという不安が襲ってきた。その時レースから降りる決断をしたんだ。

リゴベルト(ウラン)は本当によく走っている。ツールの優勝、あるいは表彰台には上がれるかもしれない。一緒にその場にいたかった。パリまで行き最終ステージを走りたかった。それが叶わないことに寂しく悲しさを感じるが、残念ながらこれが自転車レースだ。こういった経験から学ぶことで、もっと強くなれるんだ。

text:Sotaro.Arakawa

最新ニュース(全ジャンル)