ブエルタ・ア・ブルゴス第2ステージは集団スプリントで〆。テクニカルな最終コーナーを使いリードを築いたフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が、アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)らライバルを寄せ付けずに圧勝した。



日陰でスタートを待つフェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)日陰でスタートを待つフェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVosUAEチームエミレーツは感染者との濃厚接触が判明した3選手が未出走となったUAEチームエミレーツは感染者との濃厚接触が判明した3選手が未出走となった (c)CorVos

ひまわり畑とピースサインのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)ひまわり畑とピースサインのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) (c)CorVos
5日間に渡り開催中のブエルタ・ア・ブルゴス(UCI2.Pro)第2ステージは、カストロヘリスからジグザグを描いてビジャディエゴに向かう168kmのスプリントステージ。ただしフィニッシュ前7.3kmで頂上を迎える丘(距離1.5km、平均勾配5.2%)を好ポジションでクリアできるか否かがスプリンターにとっての鍵となる。

この日はUAEチームエミレーツが、出場メンバーのアンドレス・アルディラ、フアン・モラノ、クリスティアン・ムニョス(共にコロンビア)が、火曜日に新型コロナウイルス陽性反応を示した人物と接触したためこの3名をスタートさせない決定を下した。濃厚接触歴による除外はイスラエル・スタートアップネイションのイタマル・アインホルン(イスラエル)とアレックス・ドーセット(イギリス)に続く大会5人目だ。

晴天に恵まれたカストロヘリスを出発すると、アレッサンドロ・フェデーリ(イタリア、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス)を含む5名がエスケープ。横風に翻弄された昨日と異なり、リーダージャージのフェリックス・グロスチャートナー(オーストリア)擁するボーラ・ハンスグローエが最大5分差でコントロールする、落ち着いた展開で距離を消化していった。

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、バーレーン・マクラーレン)マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、バーレーン・マクラーレン) (c)CorVos
エンリク・マス(スペイン、モビスター)とシェーン・アーチボルド(ニュージーランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)エンリク・マス(スペイン、モビスター)とシェーン・アーチボルド(ニュージーランド、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVosチームカーからボトルを受け取るダニエル・ナバロ(スペイン、イスラエル・スタートアップネイション)チームカーからボトルを受け取るダニエル・ナバロ(スペイン、イスラエル・スタートアップネイション) (c)CorVos


残り23km地点で一度フィニッシュラインを通過し、勝負の鍵を握る丘を目指してペースが上がる中、残り15km地点で逃げグループは吸収される。勝負所の丘ではボーラ・ハンスグローエやドゥクーニンク・クイックステップ、ミッチェルトン・スコットがペースメイクを行い、パンクしたマーティン・ラース(エストニア、ボーラ・ハンスグローエ)を除くほぼ全てのスプリンターが集団から遅れることなくクリア。下りの勢いを利用して、横並びになったスプリンターチームが70km/hに迫るスピードで位置取り合戦を繰り広げた。

残り1kmアーチをきっかけに先頭を奪ったのは、アルノー・デマール(フランス)での勝利を目指すグルパマFDJだった。しかし残り300mを切って現れる高速右コーナーで、アウトライン目一杯を切れ味鋭くクリアしたフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)がグルパマ列車を抜き去り先頭に立つ。背後で発生した落車で8番手以降の選手が混乱する中、ガビリアは何度も振り返る余裕を見せながらフィニッシュ。昨年膝の負傷に苦しんだコロンビアンスプリンターが、開幕戦のサンフアンに続く今季4勝目を収めた。

圧勝したフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)圧勝したフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) (c)CorVos
サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)は3番手フィニッシュサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)は3番手フィニッシュ (c)CorVos
「チームメイト3人がレースからいなくなってしまったので、集団コントロールを行うことはできなかった。それでも最終版はチームとして団結し、運もあって最高のスプリントに持ち込むことができた。レース中僕のことを気にかけて、勝利まで届けてくれたチームメイト全員に感謝したい」と、自身も2月のUAEツアーで新型コロナウイルスに感染し苦しんだガビリアは語っている。

スプリンターが軒並み総合上位にポジションアップする中、この日ステージ25位に入ったグロスチャートナーは総合首位を堅守。翌日は超級山岳ピコン・ブランコ(標高1507m、距離7.8km、平均勾配9.3%)頂上を目指す大会最初の登坂勝負が繰り広げられる。
ブエルタ・ア・ブルゴス2020 第2ステージ結果
1位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) 3:55:38
2位 アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
3位 サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)
4位 マッテオ・トレンティン(イタリア、CCCチーム)
5位 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA)
6位 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)
7位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング)
8位 エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)
9位 パスカル・エーンクホーン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)
10位 ミケル・アリスティ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
個人総合成績
1位 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) 7:35:59
2位 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA) 0:08
3位 マッテオ・トレンティン(イタリア、CCCチーム)
4位 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)
5位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング)
6位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
7位 ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・マクラーレン)
8位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィズマ)
9位 エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)
10位 リチャル・カラパス(エクアドル、チームイネオス)
その他の特別賞
山岳賞 ゴッツォン・マルティン(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
ポイント賞 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)
ヤングライダー賞 エディ・ダンバー(アイルランド、チームイネオス)
チーム総合成績 ボーラ・ハンスグローエ
text:So.Isobe
photo:CorVos

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