2月23日(日)、日本学生自転車競技連盟が主催するロードレースカップシリーズ(RCS)全12戦の最終戦「明治神宮外苑クリテリウム」が開催され、男子のグループ1は篠田幸希が優勝、女子は中村愛花が昨年に続き優勝し、日本体育大学が男女制覇を達成した。RCS総合優勝は、鈴木浩太(明星大学)が逆転優勝を決めた。
銀杏並木の折り返しを行くグループ1の集団 photo:Satoru Kato
例年は3月に開催される明治神宮外苑クリテリウム(以下神宮クリテリウム)。今年は7月に開催される東京オリンピックにあわせて明治神宮外苑周辺でのイベント予定が前倒しで開催されることになり、神宮クリテリウムも1ヶ月早い2月の開催となった。
完成した新国立競技場前はヘアピンの最終コーナーとなった photo:Satoru Kato
日本最古の舗装だったホームストレートは、タイル張り舗装に直された photo:Satoru Kato
グループ2に出場したチームユーラシア IRCタイヤのメンバー photo:Satoru Kato
14回目の開催となる今回は、コースの一部が変更された。完成した新国立競技場前の道路に若干の変更があったため、これまで鋭角コーナーだった最終コーナーは完全なヘアピンターンとなった。また、日本最古の舗装道路とされるスタート/フィニッシュ地点の絵画館前の道路は石畳風のタイル張りとなり、荒れていた路面が整備された。
昨年優勝の早稲田大学から優勝杯が返還される photo:Satoru Kato
オランダから来日したアムステルダム大学のメンバー photo:Satoru Kato
一方、日本学生自転車競技連盟(以下学連)は、今回の大会で理由を問わず欠場を認めるとするコミュニケを発表した。学連の大会に限らず、公式戦を欠場するには理由を明示しての届出が必要だが、新型コロナウィルスの感染拡大をふまえて配慮した形だ。
2月にしては望外の暖かな日、神宮外苑の絵画館前をスタートするグループ1 photo:Satoru Kato
開催が1ヶ月早まったにもかかわらず、暑さを感じるほどの1日。東京都内は場所によって16度まで気温が上がったところもあり、3月下旬から4月上旬の暖かさの中、レースが行われた。
男子グループ1 日体大の篠田幸希が優勝 明星大の鈴木浩太が逆転総合優勝
グループ1 スタートラインに並んだRCSランキング上位3名とアムステルダム大学のメンバー photo:Satoru Kato
グループ1 1周目からアムステルダム大学のメンバーがペースアップを図る photo:Satoru Kato
日なたと日陰が交互に続く明治神宮外苑のコース photo:Satoru Kato
ロードレースカップシリーズ(以下RCS)の最上位カテゴリーとなるグループ1には59名が出走した。RCS総合ランキングトップは、今年シマノレーシング入りした風間翔眞(東北学院大学)。しかし前戦の第11戦に風間が出場しなかったため、2位の鈴木浩太(明星大学)が16点差まで詰めていた。神宮クリテリウムは他のRCS大会に比べて獲得ポイントが倍となる(1位=60点、2位=48点、3位=40点)ため、2人の順位によっては総合首位が入れ替わる可能性のある最終戦となった。
20周のレースは、スタート直後からアムステルダム大学のメンバーがペースアップし、集団を長く引き延ばす。飛び出しを図る動きが繰り返されるが集団も逃さず、前半は人数を減らしながらも集団は大きく崩れることなく進行していく。
グループ1 レース序盤は集団中ほどでレースを進めるRCSリーダージャージの風間翔眞(東北学院大学) photo:Satoru Kato
レース終盤 蛇行して長く伸びるグループ1の集団 photo:Satoru Kato
グループ1 篠田幸希(日本体育大学)と鈴木浩太(明星大学、写真左)のスプリント勝負 photo:Satoru Kato
篠田幸希(日本体育大学)が優勝 photo:Satoru Kato
後半に入っても大差がつく逃げは発生しないまま進行。リーダージャージを着る風間も集団前方に上がって最終周回に入っていく。最後コーナーのヘアピンを日本体育大学の2人が先頭でクリア。リードアウト役の安彦統賀の後ろから篠田幸希がスプリントに入る。その後ろからRCSランキング2位の鈴木が、フェンスギリギリのスペースを使ってまくりにかかるが届かず、篠田が先頭のままフィニッシュして優勝を決めた。その後方で、リーダージャージの風間は6位。この結果、4点差で鈴木が逆転総合優勝を勝ち取った。
グループ1 表彰式 photo:Satoru Kato
グループ1 団体優勝は日本体育大学 photo:Satoru Kato
グループ1優勝篠田幸希コメント
チームメイトが良い動きをしてくれて作戦通りにいきました。序盤からハイペースだったのでキツイ場面があったり、何人かが先行しそうな場面があったけれど、安彦選手のアシストのおかげで楽に走ることが出来ました。最終周回に入って安彦選手と集団前方に位置取り、後ろを見つつ牽制しながらポジションを維持するようにして、最終コーナーを安彦選手に続いて2番目でクリアできたことが大きかったです。今年4年になりますが、次の目標はインカレで総合優勝です。自分は短距離種目で優勝を目指します」
RCS総合優勝を決めた鈴木浩太(明星大学) photo:Satoru KatoRCS総合優勝 鈴木浩太コメント
「最終局面になれば強い選手が前に残ってくると考えていて、リーダージャージの風間君や日体大の2人をマークし、篠田の番手につけて最終コーナーに入りました。結果は2位でしたが、うまくレースが出来たと思います。11月まで僕がリーダージャージを着ていたので、この最終戦で奪回することを狙っていました。風間君とは最終戦までやり合おうと話をしていましたが、2人のおかげでここまでやれたと思っています。この春で大学を卒業し、ナショナルチームでも走れるような競輪選手を目指します」

例年は3月に開催される明治神宮外苑クリテリウム(以下神宮クリテリウム)。今年は7月に開催される東京オリンピックにあわせて明治神宮外苑周辺でのイベント予定が前倒しで開催されることになり、神宮クリテリウムも1ヶ月早い2月の開催となった。



14回目の開催となる今回は、コースの一部が変更された。完成した新国立競技場前の道路に若干の変更があったため、これまで鋭角コーナーだった最終コーナーは完全なヘアピンターンとなった。また、日本最古の舗装道路とされるスタート/フィニッシュ地点の絵画館前の道路は石畳風のタイル張りとなり、荒れていた路面が整備された。


一方、日本学生自転車競技連盟(以下学連)は、今回の大会で理由を問わず欠場を認めるとするコミュニケを発表した。学連の大会に限らず、公式戦を欠場するには理由を明示しての届出が必要だが、新型コロナウィルスの感染拡大をふまえて配慮した形だ。

開催が1ヶ月早まったにもかかわらず、暑さを感じるほどの1日。東京都内は場所によって16度まで気温が上がったところもあり、3月下旬から4月上旬の暖かさの中、レースが行われた。
男子グループ1 日体大の篠田幸希が優勝 明星大の鈴木浩太が逆転総合優勝



ロードレースカップシリーズ(以下RCS)の最上位カテゴリーとなるグループ1には59名が出走した。RCS総合ランキングトップは、今年シマノレーシング入りした風間翔眞(東北学院大学)。しかし前戦の第11戦に風間が出場しなかったため、2位の鈴木浩太(明星大学)が16点差まで詰めていた。神宮クリテリウムは他のRCS大会に比べて獲得ポイントが倍となる(1位=60点、2位=48点、3位=40点)ため、2人の順位によっては総合首位が入れ替わる可能性のある最終戦となった。
20周のレースは、スタート直後からアムステルダム大学のメンバーがペースアップし、集団を長く引き延ばす。飛び出しを図る動きが繰り返されるが集団も逃さず、前半は人数を減らしながらも集団は大きく崩れることなく進行していく。




後半に入っても大差がつく逃げは発生しないまま進行。リーダージャージを着る風間も集団前方に上がって最終周回に入っていく。最後コーナーのヘアピンを日本体育大学の2人が先頭でクリア。リードアウト役の安彦統賀の後ろから篠田幸希がスプリントに入る。その後ろからRCSランキング2位の鈴木が、フェンスギリギリのスペースを使ってまくりにかかるが届かず、篠田が先頭のままフィニッシュして優勝を決めた。その後方で、リーダージャージの風間は6位。この結果、4点差で鈴木が逆転総合優勝を勝ち取った。


グループ1優勝篠田幸希コメント
チームメイトが良い動きをしてくれて作戦通りにいきました。序盤からハイペースだったのでキツイ場面があったり、何人かが先行しそうな場面があったけれど、安彦選手のアシストのおかげで楽に走ることが出来ました。最終周回に入って安彦選手と集団前方に位置取り、後ろを見つつ牽制しながらポジションを維持するようにして、最終コーナーを安彦選手に続いて2番目でクリアできたことが大きかったです。今年4年になりますが、次の目標はインカレで総合優勝です。自分は短距離種目で優勝を目指します」

「最終局面になれば強い選手が前に残ってくると考えていて、リーダージャージの風間君や日体大の2人をマークし、篠田の番手につけて最終コーナーに入りました。結果は2位でしたが、うまくレースが出来たと思います。11月まで僕がリーダージャージを着ていたので、この最終戦で奪回することを狙っていました。風間君とは最終戦までやり合おうと話をしていましたが、2人のおかげでここまでやれたと思っています。この春で大学を卒業し、ナショナルチームでも走れるような競輪選手を目指します」
グループ1 結果(30km)
1位 | 篠田幸希(日本体育大学) | 45分51秒 |
2位 | 鈴木浩太(明星大学) | +0秒 |
3位 | 佐藤 健(日本大学) | |
4位 | 渡邉慶太(明治大学) | |
5位 | 安彦統賀(日本体育大学) | +1秒 |
6位 | 風間翔眞(東北学院大学) |
学校対抗成績
1位 | 日本体育大学 | 6p |
---|---|---|
2位 | 明治大学 | 17p |
3位 | 明星大学 | 20p |
ロードレースカップシリーズ総合成績
1位 | 鈴木浩太(明星大学) | 206p |
2位 | 鈴木浩太(明星大学) | 202p |
3位 | 植益和行(大阪産業大学) | 150p |
女子 小口加奈絵のアシストを受けた中村愛花が大会連覇



大学生以外も出場できる女子は8周。序盤から全日本選手権3位の樫木祥子がペースアップを図り、集団は人数を減らしながら進行していく。レース中盤、小口加奈絵(日本体育大学)が単独で飛び出し、2周に渡り逃げ続ける。この動きで脚を溜めることが出来たという中村愛花(日本体育大学)が、最終コーナーを好位置でクリアしてスプリントを決め、神宮クリテリウム2連覇を達成した。




女子優勝 中村愛花コメント
「作戦を立てていたわけではなかったのですが、後輩の(小口)加奈絵さんが前々で走ってくれたおかげで自分は後ろでしっかり脚を溜めることができ、最後のスプリントで勝つことが出来ました。序盤から中切れが起きるほどでもなかったので、集団の中で様子を見ながら慌てることなくレースを展開しました。最終コーナーは後ろにならないように前にいるようにし、最終周回では2、3番手でクリアして後ろを見ずにフィニッシュラインめざしてスプリントしました。今年4年になるので全部の大会で表彰台に乗れるように、シーズンインまでまだ少しあるので練習を頑張ります。特にオムニアムでの優勝と、苦手なロードで表彰台に乗ることが目標です」
女子 結果(12km)
1位 | 中村愛花(日本体育大学) | 20分55秒 |
2位 | 成海綾香(鹿屋体育大学) | +1秒 |
3位 | 太郎田水桜(法政大学) | |
4位 | 小泉夢菜(早稲田大学) | |
5位 | 石上夢乃(鹿屋体育大学) | +2秒 |
6位 | 小口加奈絵(日本体育大学) | +5秒 |
その他結果




グループ2にはチームユーラシアIRCタイヤのメンバーが出場。2Aでは中村圭佑(鹿屋体育大学)と競り合った花田聖誠が2位。2Bでは大町健斗が優勝した。マスターズクリテリウムは半澤雄高が優勝。Roppongi Expressが3位までを独占した。
グループ2 結果(12km)
グループ2A | グループ2B | |||
---|---|---|---|---|
1位 | 中村圭佑(鹿屋体育大学) | 18分34秒 | 大町健斗(チームユーラシア・IRCタイヤ) | 18分2秒 |
2位 | 花田聖誠(チームユーラシアIRCタイヤ) | +1秒 | 平安山良希(日本体育大学) | +0秒 |
3位 | 關根論容(日本体育大学) | 石原悠希(順天堂大学) |
グループ3 結果(6km)
グループ3A | グループ3B | グループ3C | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 塩島嵩一朗(明治大学) | 9分30秒 | 松本 輝(作新大学) | 9分33秒 | 新垣慶晃(鹿屋体育大学) | 9分32秒 |
2位 | 堀 良寛(一橋大学) | +0秒 | 宮本秋哉(駒澤大学) | +0秒 | 尾形昴隼(朝日大学) | +1秒 |
3位 | 川尻泰生(明星大学) | 上野矢竜(明治大学) | 森崎健臣(作新学院大学) | +2秒 |
マスターズ 結果(12km)
1位 | 半澤雄高(Roppongi Express) | 18分26秒 |
2位 | 菊川実紀(Roppongi Express) | +2秒 |
3位 | 松尾修作(Roppongi Express) |
text&photo:Satoru Kato
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