「グランツールのステージ通算10勝目は特別だ」とバスクの急坂を制したフィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)はコメント。ブエルタ・ア・エスパーニャ第12ステージを走った選手たちの言葉を紹介します。



ステージ優勝 フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)

グランツール通算10勝目を挙げたフィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)グランツール通算10勝目を挙げたフィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
厳しい戦いが続くブエルタでステージ優勝を飾ることができてよかった。今日は逃げグループ形成まで信じられないほど長い時間がかかって、自分も20回ぐらいアタックしたと思う。とても強度が高くて苦しい時間だった。向かい風が吹く中で混沌としたアタック合戦が続いて、下りで抜け出した自分にティム(デクレルク)と他のチームの選手たちが合流。そこで生まれたタイム差をどんどん広げたんだ。

逃げグループの中には強いクライマーがいたので自信がなかったけど、ティムのアシストを受けながらスマートに立ち回った。この勝利は彼の勝利でもある。特に最後の3級山岳に向けて彼は追走グループを献身的に引いてくれて、おかげで先行する2名を吸収することができた。最後の3級山岳はアルデンヌクラシックを彷彿とさせる自分向きの登りだった。時間にして10分以内の登りには自信があるんだ。

グランツールのステージ通算10勝目は特別。最後の登りの雰囲気はクレイジーで、まるでクラシックレースを走っているようだった。声援に後押しされたよ。バスク地方はベルギーのフランドル地方と同様に人々が自転車競技を愛している。

ステージ2位 アレックス・アランブル(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)

ジルベールを追うフェルナンド・バルセロ(スペイン、エウスカディ・ムリアス)とアレックス・アランブル(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)ジルベールを追うフェルナンド・バルセロ(スペイン、エウスカディ・ムリアス)とアレックス・アランブル(スペイン、カハルラル・セグロスRGA) photo:A.S.O.
2日連続の逃げだけど、問題なく走ることができた。最後の3級山岳でも良い感触を得ていたけど、ジルベールに付いていくことはできなかった。最後は数秒差で追いつけず。常に視界に捉えていたのに追いつけなかった。バルセロと2人で協力して追いかけたけど、先頭で逃げていたのは今日のようなステージで世界最強とも言える選手だった。ステージ優勝の準備は整っているのでこれからもチームとしてアタックを続けたい。

ステージ3位 フェルナンド・バルセロ(スペイン、エウスカディ・ムリアス)

逃げがなかなか決まらないとても複雑なステージだった。今日のコースは普段トレーニングで走っている地域だったので、よく知っている下り区間で逃げが決まると思っていた。多くのバスクファンが詰めかけた登りで大きな声援を受けたよ。最後の3級山岳では良いポジションで走っていたけど、単純にジルベールの方が強かった。

ステージ5位 ニキアス・アルント(ドイツ、サンウェブ)

5位でフィニッシュするニキアス・アルント(ドイツ、サンウェブ)5位でフィニッシュするニキアス・アルント(ドイツ、サンウェブ) photo:CorVos
逃げグループ形成に至るまでクレイジーな長い戦いだった。今日はチームとして少なくとも1人を逃げに乗せる作戦で、自分がその作戦を実行に移したけど、残念ながら最後の登りでライバルたちについていけなかった。でも下り区間で挽回できるだけ挽回して、多くの選手を吸収して最後はステージ5位。決して悪くない1日だった。

ステージ8位 マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、アスタナ)

今日は逃げに乗る予定ではなかったけど、大きな逃げ集団が形成されるのを見て飛びついた。そして逃げ集団のリードが4〜5分まで広がったところで、チームカーの監督と話をしてステージ優勝を狙う作戦に切り替えた。厳しい終盤の登りを全開でこなして、下り区間で前に追いついてステージ8位。明日は再び重要な山岳ステージなので、ミゲルアンヘル・ロペスのアシストに徹するよ。

マイヨロホ プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)

ファンやメディアに囲まれるプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)ファンやメディアに囲まれるプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) photo:CorVos
今日もチームは強力で、連続する山岳で常に良いポジションを守ってくれた。おかげでライバルたちにアタックする隙を与えなかった。明日のロス・マチュコスは登ったことがないけど、急勾配で、厳しい戦いになるのは間違いない。明日も0km地点から逃げる選手を選別してレースをコントロールする必要がある。総合ライバルたちは最後の登りでアタックしてくるはず。誰もが皆アシストのいない孤立した状態で、フィニッシュまでいかに早くたどり着くかというレースになる。

総合2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

フィニッシュするアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)フィニッシュするアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:CorVos
逃げが決まらず、とても速いレースが2時間にわたって続いた。それでも集中力は切らさなかったし、ロハスを逃げに送り込むことに成功した。逃げが決まってからは明日のことを考えながらフィニッシュまで。最後の3級山岳でロペスがアタックした時、位置どりが悪くてすぐに反応できなかったけど、問題は無かった。明日のステージは今日よりずっと厳しく、大きなタイム差が付くだろう。

text:Kei.Tsuji

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