アラフィリップ、ニバリ、トーマス、ルツェンコ、アッカーマン、クリストフ、ユアン、そしてグライペル。豪華メンバーが揃った4日間のドイツ・ツアーが開幕した。初日の集団スプリントでパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が先着し、母国レースでリーダージャージを掴み取った。
1913年に完成したハノーファー市庁舎前でのチームプレゼンテーション photo:CorVos
ツール後初レースとなるゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス) photo:www.deutschland-tour.com
ファンの声援に応えるアンドレ・グライペル(ドイツ、アルケア・サムシック) photo:www.deutschland-tour.com
北ドイツの主要都市のひとつ、ハノーファーを起点に開幕したドイツ・ツアー(正式名称はドイッチュラント・ツアー)は、1931年に初開催された歴史あるステージレース。2005年からはUCIプロツアーカレンダーに組み込まれていたものの、ドイツ国内で起こった相次ぐドーピングスキャンダルによってスポンサーが撤退し、リーナス・ゲルデマン(ドイツ)が総合優勝した2008年を最後に中止に追い込まれていた。
しかし新世代選手のイメージアップと活躍によって2018年に復活し、マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ)が総合優勝。今年はUCIの定めるオークラスにランクアップしたしたことで強豪チームが軒並み参戦。実質的にワールドツアーレース並みに有力勢が顔を揃えた。
グランツール並みの超級山岳こそ登場しないが、総合勢ではヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)やゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス)、ジュリアン・アラフィリップ(フランス)とエンリク・マス(スペイン)のドゥクーニンク・クイックステップコンビ、リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)、ダン・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)といったツール・ド・フランス明けのメンバーが勢揃い。
スプリンターでも母国ドイツのパスカル・アッカーマン(ボーラ・ハンスグローエ)やアンドレ・グライペル(アルケア・サムシック)をはじめアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)、カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)らが会し、他にもレムコ・イヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)、東京五輪プレ大会を制したディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)など、ブエルタに出場しなかったメンバーが軒並み参戦を果たした。
出走に向かうレムコ・イヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
ファンのセルフィーに応じるパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
131名の選手たちがハノーファー市街地からスタートしていく photo:www.deutschland-tour.com
ハノーファーからハルバーシュタットに向かう開幕ステージは167km。中盤にカテゴリー山岳こそあるが完全なるスプリンター向けコースで、ラスト1kmを切って緩やかな登り勾配が用意されている。
DNSのアルベルト・ベッティオール(イタリア、EFエデュケーションファースト)を除く、131名がハノーファーからスタート。ジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード)を含む4名が先行し、アッカーマンでの勝利を狙うボーラ・ハンスグローエがメイン集団をコントロール。タイム差は4分弱で推移した。
東西ドイツ統一30周年を記念した旧国境(残り42km地点)を通過時点でタイム差は1分半。数度の落車を起こしながら加速するメイン集団は残り12km地点で単独走に持ち込んでいたベルナールをキャッチし、スプリント体制を整えていく。
単独となってからも逃げ続けるジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード) photo:CorVos
圧倒的なスプリントで勝利したパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
ボーラ・ハンスグローエの必勝体制で最後の登り勾配ストレートに到達すると、「休養明けの身体がどう反応するか確認したかった」と言うアラフィリップがアタック。しかしスプリントに向けてフルスロットルで突き進む集団を引き離すには至らない。クリストフのリードアウト役のシモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ)がアラフィリップを捉えたが、そのスリップに入り、フィニッシュ前の平坦区間で抜群の加速を見せたのはアッカーマン。61km/hに及ぶスプウリントで、伸び悩むクリストフに1車身以上の差を付けた前ドイツ王者が開幕スプリントを制した。
「みんな良くやってくれた。ドイツツアーの素晴らしい雰囲気が僕のモチベーションを上げてくれたんだ。ハンブルグの後は少し調子を落として今回の勝利を期待できないくらいだったけれど、今日はずっと上手く走れた。ドイツ国内でチームと共に練習に打ち込んでいたことが実ったと思う。脚があったし、リーダージャージを獲得できて嬉しく思うよ」と、ブエルタ出場中のサム・ベネット(アイルランド)と共に勝利を量産中のアッカーマンは語っている。



北ドイツの主要都市のひとつ、ハノーファーを起点に開幕したドイツ・ツアー(正式名称はドイッチュラント・ツアー)は、1931年に初開催された歴史あるステージレース。2005年からはUCIプロツアーカレンダーに組み込まれていたものの、ドイツ国内で起こった相次ぐドーピングスキャンダルによってスポンサーが撤退し、リーナス・ゲルデマン(ドイツ)が総合優勝した2008年を最後に中止に追い込まれていた。
しかし新世代選手のイメージアップと活躍によって2018年に復活し、マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ)が総合優勝。今年はUCIの定めるオークラスにランクアップしたしたことで強豪チームが軒並み参戦。実質的にワールドツアーレース並みに有力勢が顔を揃えた。
グランツール並みの超級山岳こそ登場しないが、総合勢ではヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)やゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス)、ジュリアン・アラフィリップ(フランス)とエンリク・マス(スペイン)のドゥクーニンク・クイックステップコンビ、リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)、ダン・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ)といったツール・ド・フランス明けのメンバーが勢揃い。
スプリンターでも母国ドイツのパスカル・アッカーマン(ボーラ・ハンスグローエ)やアンドレ・グライペル(アルケア・サムシック)をはじめアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)、カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)らが会し、他にもレムコ・イヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)、東京五輪プレ大会を制したディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)など、ブエルタに出場しなかったメンバーが軒並み参戦を果たした。



ハノーファーからハルバーシュタットに向かう開幕ステージは167km。中盤にカテゴリー山岳こそあるが完全なるスプリンター向けコースで、ラスト1kmを切って緩やかな登り勾配が用意されている。
DNSのアルベルト・ベッティオール(イタリア、EFエデュケーションファースト)を除く、131名がハノーファーからスタート。ジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード)を含む4名が先行し、アッカーマンでの勝利を狙うボーラ・ハンスグローエがメイン集団をコントロール。タイム差は4分弱で推移した。
東西ドイツ統一30周年を記念した旧国境(残り42km地点)を通過時点でタイム差は1分半。数度の落車を起こしながら加速するメイン集団は残り12km地点で単独走に持ち込んでいたベルナールをキャッチし、スプリント体制を整えていく。


ボーラ・ハンスグローエの必勝体制で最後の登り勾配ストレートに到達すると、「休養明けの身体がどう反応するか確認したかった」と言うアラフィリップがアタック。しかしスプリントに向けてフルスロットルで突き進む集団を引き離すには至らない。クリストフのリードアウト役のシモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ)がアラフィリップを捉えたが、そのスリップに入り、フィニッシュ前の平坦区間で抜群の加速を見せたのはアッカーマン。61km/hに及ぶスプウリントで、伸び悩むクリストフに1車身以上の差を付けた前ドイツ王者が開幕スプリントを制した。
「みんな良くやってくれた。ドイツツアーの素晴らしい雰囲気が僕のモチベーションを上げてくれたんだ。ハンブルグの後は少し調子を落として今回の勝利を期待できないくらいだったけれど、今日はずっと上手く走れた。ドイツ国内でチームと共に練習に打ち込んでいたことが実ったと思う。脚があったし、リーダージャージを獲得できて嬉しく思うよ」と、ブエルタ出場中のサム・ベネット(アイルランド)と共に勝利を量産中のアッカーマンは語っている。
ステージ結果
1位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 3:49:30 |
2位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | |
3位 | シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | セース・ボル(オランダ、サンウェブ) | |
5位 | ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) | |
6位 | カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
7位 | レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ) | |
8位 | ニコ・デンツ(ドイツ、アージェードウーゼル・ラモンディアール) | |
9位 | ニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) | |
10位 | ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) |
個人総合成績
1位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 3:49:20 |
2位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | 0:04 |
3位 | シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:06 |
4位 | トムイェルト・スラフテル(オランダ、ディメンションデータ) | 0:08 |
5位 | カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:10 |
6位 | セース・ボル(オランダ、サンウェブ) | |
7位 | ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) | |
8位 | レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ) | |
9位 | ニコ・デンツ(ドイツ、アージェードウーゼル・ラモンディアール) | |
10位 | ニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) |
ポイント賞
1位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 15pts |
2位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | 12pts |
3位 | シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 9pts |
山岳賞
1位 | ジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード) | 3pts |
2位 | イゴール・ボエフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ) | 2pts |
3位 | ジョシュア・ウッパーツ(ドイツ、ロット・ケルンハウス) | 1pts |
ヤングライダー賞
1位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 3:49:20 |
2位 | シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:06 |
3位 | カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:10 |
チーム総合成績
1位 | UAEチームエミレーツ | 11:28:30 |
2位 | ドゥクーニンク・クイックステップコンビ | |
3位 | サンウェブ |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos