2日目を迎えた全日本選手権はジュニア以下の年代別ロードレースが開催された。男子ジュニアは津田悠義(三好高校)が終盤を独走で優勝。女子ジュニア+U17は、岩元杏奈(日本体育大学)が優勝。男子U17+15は岩田聖矢と山下虎ノ亮で榛生昇陽高校がワン・ツーフィニッシュを達成した。優勝選手のコメントと合わせてレポートする。
富士スピードウェイで開催される全日本選手権。前夜に台風が通り過ぎ、朝は富士山が姿を見せるほど天気が回復した。しかし午後にかけて雲が広がり、湿度と気温が高い中で3つのレースが行われた。
女子ジュニア+U17 岩元杏奈が渡部春雅を下して優勝
女子ジュニア+U17スタート photo:Makoto.AYANO
渡部春雅(駒沢大学高等学校)のアタックに岩元杏奈(日本体育大学)が反応する photo:Makoto.AYANO
3周目から先行する渡部春雅(駒沢大学高校)と岩元杏奈(日本体育大学) photo:Satoru Kato
朝8時にスタートした女子ジュニア+U17は、10.8kmのコースを5周する54kmに28名が出走した。
2周目、集団が2つに割れて11名の先頭集団が先行。その中から3周目に岩元杏奈(日本体育大学)と渡部春雅(駒沢大学高等学校)の2人が抜け出す。8名が追走集団を形成するが、4周目には1分20秒以上まで差が開き、岩元と渡部の逃げ切りが確実な展開となる。
最後はホームストレートでのスプリント勝負となり、岩元が優勝。2位の春日がU17での優勝となった。
岩元杏奈(日本体育大学)が女子ジュニア+U17優勝 photo:Satoru Kato
女子ジュニア+U17表彰 photo:Makoto.AYANO
女子U17は渡部春雅(駒沢大学高等学校)が優勝 photo:Satoru Kato
女子ジュニア優勝 岩元杏奈(日本体育大学)コメント
「逃げてる2人はカテゴリー違いで、2人とも優勝が決まっていたので、勝って嬉しいと言うよりは、ちょっと複雑な気持ちです。展開としてはコース終盤の長い登りで渡部選手がアタックして、そこに自分はついていった感じです。そこからどんどん後続と差が開いていったので、そのまま行ってしまおうと、2人で淡々と回していきました。
自分はスプリントがあるので、それに持ち込んでいきたいなとは考えていました。相手がかけたらそれについていって、そこから逃げになったらそれでもいいかなと。ただ、いつも早駆けして負けてしまっているのでビビってしまい、直線が長かったので最後は牽制しすぎてしまいました。自分にとって初めての逃げだったので、そういう意味でも緊張していました」
男子U17+U15 岩田と山下で榛生昇陽高校が1-2フィニッシュ
ホームストレートを行く男子U17+15のメイン集団 photo:Makoto.AYANO
昨年のU15チャンピオン梅澤幹太(エキップuレーシング)を先頭に行く先頭集団 photo:Satoru Kato
個人TT優勝の篠原輝利(ボンシャンス)は集団前方でレースを進める photo:Satoru Kato
78名が出走した男子U17+U15は、6周64.8kmのレース。序盤からアタックが繰り返され、一時は単独で逃げる動きもあるものの、決定的な動きとならないまま吸収されていく。終盤に入っても決定的な動きは生まれないまま、半数以下の24名が最終周回に入る。
先頭集団を形成する十数名の中から、残り3kmで岩田聖矢(榛生昇陽高校)が飛び出し、15秒のリードを築く。後続集団が追走するものの、岩田は6秒差で逃げ切り勝ち。2位に山下虎ノ亮が入り、榛生昇陽高校がワン・ツーフィニッシュを達成した。
岩田聖矢(榛生昇陽高校)が優勝 photo:Satoru Kato
男子U17+U15 表彰式 photo:Satoru KatoU17優勝 岩田聖矢(榛生昇陽高校)コメント
「途中、南大隅高校の瀬戸口選手が逃げていたのを皆で追走して回して、そこで脚を使ってしまったんですが、今日が自転車部の顧問の先生の誕生日だったんです。一人抜け出してからも身体もきつかったんですが、先生への感謝の気持ちで最後まで諦めずにペダルを踏み続けました。
走る前にはコンディションも上がりきっておらず、得意なコースでもなかったので、勝てるかどうかはわかりませんでした。チームメイトとはまだ1回しか同じレースを走ったことがなかったのですが、お互い潰し合うことにだけはならないようにしようと話し合って走りました。将来の夢はツール・ド・フランスで総合優勝できる選手。高校の先輩には憧れの吉田隼人先輩(NIPPOヴィーニファンティーニ)も居ます。」
U15優勝は内田凛(京都向陽サイクルスポーツクラブ) photo:Satoru KatoU15優勝 内田凛(京都向陽サイクルスポーツクラブ)コメント
「レース運びは自分で作れるようなものではなかったのですが、先輩達についていけたので良かったです。ただ最後の1周は千切れてしまったので、そこは今後の課題にしたいです。コースレイアウト的には広かったりしたところもあったので、自分には不向きだと思いました。コースの後半の上りもきつかったんですが、先輩方がどんどん加速していくので、そこはついていく事しか考えられなかったです。来年はU17に上がるので、そこでも戦えるように努力して、もっと走れるようになりたいです。」
男子ジュニア 津田悠義が終盤を独走して優勝
ダンロップコーナーを流れていく集団 photo:Satoru Kato
寺田吉騎(ビバーチェ掛川・磐田北)と五十嵐洸太(横浜高校)が2人で逃げる photo:Makoto.AYANO
5周目 津田悠義(三好高校)を先頭に逃げる2人を追走 photo:Satoru Kato
男子ジュニアは11周119kmのレースに160人が出走した。
3周目、寺田吉騎(ビバーチェ掛川・磐田北)と五十嵐洸太(横浜高校)の2名が先行し、4周目には1分近くまで差を広げる。5周目に入ると津田悠義(三好高校)を先頭に追走。津田を含む3名が先行する2名に追いつき、津田と川野碧己(慶応義塾高校)の2人が新たに先行する。
単独の逃げを得意とする津田と、スプリンターの川野の2人逃げは強調しながら後続とのタイム差を開く。寺田や天野将悠(千里高校)が追走を試みるも合流できず、差は1分以上まで開く。
中盤を過ぎたグッドイヤー坂で川野碧己(慶應義塾高校)がアタック photo:Makoto.AYANO
津田悠義(三好高校)と川野碧己(慶應義塾高校)がランデブーで逃げる photo:Makoto.AYANO
独走でフィニッシュを目指す津田悠義(三好高校) photo:Satoru Kato
おなじみとなったウィニングポーズで独走フィニッシュする津田悠義(三好高校) photo:Makoto.AYANO
残り2周となる10周目、津田がアタックして川野を振り切りる。独走態勢を築いた津田はそのまま逃げ切り、最後はお決まりのウィニングポーズでフィニッシュした。
男子ジュニア 表彰式 photo:Satoru Kato男子ジュニア優勝 津田悠義(三好高校)コメント
「横浜高校と静岡の選手の逃げが決まって、そこはちょっと焦ったんですけど、まだ行きたい選手が何人かいたので、その選手達の力もうまく利用して追いました。その後の展開が重要になると思ったので、270度ターンの後でもがいたら3人になって、残り6km地点の上りで1人遅れて、慶應の川野選手と2人で逃げる形になりました。
そこからは逃げに持ち込みたかったので、川野選手の脚も見ながらと言う感じだったのですが、逃げている中で自分の方が脚があるとわかったので、残り2周で相手がタレたのがわかったので、脚を使って勢いよくアタックしました。その後は最後まで出し切りました。脚がいっぱいでホームストレートは踏めなかったんですが、頭もいっぱい使って勝てました。海外でやるためには全日本のタイトルは必要なものだと思ってるのですが、やはりTTで負けてしまったので、今日は結果を出せて良かったです。」
富士スピードウェイで開催される全日本選手権。前夜に台風が通り過ぎ、朝は富士山が姿を見せるほど天気が回復した。しかし午後にかけて雲が広がり、湿度と気温が高い中で3つのレースが行われた。
女子ジュニア+U17 岩元杏奈が渡部春雅を下して優勝



朝8時にスタートした女子ジュニア+U17は、10.8kmのコースを5周する54kmに28名が出走した。
2周目、集団が2つに割れて11名の先頭集団が先行。その中から3周目に岩元杏奈(日本体育大学)と渡部春雅(駒沢大学高等学校)の2人が抜け出す。8名が追走集団を形成するが、4周目には1分20秒以上まで差が開き、岩元と渡部の逃げ切りが確実な展開となる。
最後はホームストレートでのスプリント勝負となり、岩元が優勝。2位の春日がU17での優勝となった。



女子ジュニア優勝 岩元杏奈(日本体育大学)コメント
「逃げてる2人はカテゴリー違いで、2人とも優勝が決まっていたので、勝って嬉しいと言うよりは、ちょっと複雑な気持ちです。展開としてはコース終盤の長い登りで渡部選手がアタックして、そこに自分はついていった感じです。そこからどんどん後続と差が開いていったので、そのまま行ってしまおうと、2人で淡々と回していきました。
自分はスプリントがあるので、それに持ち込んでいきたいなとは考えていました。相手がかけたらそれについていって、そこから逃げになったらそれでもいいかなと。ただ、いつも早駆けして負けてしまっているのでビビってしまい、直線が長かったので最後は牽制しすぎてしまいました。自分にとって初めての逃げだったので、そういう意味でも緊張していました」
男子U17+U15 岩田と山下で榛生昇陽高校が1-2フィニッシュ



78名が出走した男子U17+U15は、6周64.8kmのレース。序盤からアタックが繰り返され、一時は単独で逃げる動きもあるものの、決定的な動きとならないまま吸収されていく。終盤に入っても決定的な動きは生まれないまま、半数以下の24名が最終周回に入る。
先頭集団を形成する十数名の中から、残り3kmで岩田聖矢(榛生昇陽高校)が飛び出し、15秒のリードを築く。後続集団が追走するものの、岩田は6秒差で逃げ切り勝ち。2位に山下虎ノ亮が入り、榛生昇陽高校がワン・ツーフィニッシュを達成した。


「途中、南大隅高校の瀬戸口選手が逃げていたのを皆で追走して回して、そこで脚を使ってしまったんですが、今日が自転車部の顧問の先生の誕生日だったんです。一人抜け出してからも身体もきつかったんですが、先生への感謝の気持ちで最後まで諦めずにペダルを踏み続けました。
走る前にはコンディションも上がりきっておらず、得意なコースでもなかったので、勝てるかどうかはわかりませんでした。チームメイトとはまだ1回しか同じレースを走ったことがなかったのですが、お互い潰し合うことにだけはならないようにしようと話し合って走りました。将来の夢はツール・ド・フランスで総合優勝できる選手。高校の先輩には憧れの吉田隼人先輩(NIPPOヴィーニファンティーニ)も居ます。」

「レース運びは自分で作れるようなものではなかったのですが、先輩達についていけたので良かったです。ただ最後の1周は千切れてしまったので、そこは今後の課題にしたいです。コースレイアウト的には広かったりしたところもあったので、自分には不向きだと思いました。コースの後半の上りもきつかったんですが、先輩方がどんどん加速していくので、そこはついていく事しか考えられなかったです。来年はU17に上がるので、そこでも戦えるように努力して、もっと走れるようになりたいです。」
男子ジュニア 津田悠義が終盤を独走して優勝



男子ジュニアは11周119kmのレースに160人が出走した。
3周目、寺田吉騎(ビバーチェ掛川・磐田北)と五十嵐洸太(横浜高校)の2名が先行し、4周目には1分近くまで差を広げる。5周目に入ると津田悠義(三好高校)を先頭に追走。津田を含む3名が先行する2名に追いつき、津田と川野碧己(慶応義塾高校)の2人が新たに先行する。
単独の逃げを得意とする津田と、スプリンターの川野の2人逃げは強調しながら後続とのタイム差を開く。寺田や天野将悠(千里高校)が追走を試みるも合流できず、差は1分以上まで開く。




残り2周となる10周目、津田がアタックして川野を振り切りる。独走態勢を築いた津田はそのまま逃げ切り、最後はお決まりのウィニングポーズでフィニッシュした。

「横浜高校と静岡の選手の逃げが決まって、そこはちょっと焦ったんですけど、まだ行きたい選手が何人かいたので、その選手達の力もうまく利用して追いました。その後の展開が重要になると思ったので、270度ターンの後でもがいたら3人になって、残り6km地点の上りで1人遅れて、慶應の川野選手と2人で逃げる形になりました。
そこからは逃げに持ち込みたかったので、川野選手の脚も見ながらと言う感じだったのですが、逃げている中で自分の方が脚があるとわかったので、残り2周で相手がタレたのがわかったので、脚を使って勢いよくアタックしました。その後は最後まで出し切りました。脚がいっぱいでホームストレートは踏めなかったんですが、頭もいっぱい使って勝てました。海外でやるためには全日本のタイトルは必要なものだと思ってるのですが、やはりTTで負けてしまったので、今日は結果を出せて良かったです。」
男子ジュニア 結果(10.8kmx11周=119km)
1位 | 津田悠義(三好高校) | 3時間4分5秒 |
2位 | 天野壮悠(千里高校) | +1分54秒 |
3位 | 大河内将泰(南大隅高校) | |
4位 | 留目夕陽(八王子桑志高校) | |
5位 | 寺田吉騎(ビバーチェ掛川・岩田北) | |
6位 | 西本健三郎(八王子桑志高校) | |
7位 | 石橋彗悟(南大隅高校) | |
8位 | 川野碧己(慶應義塾高校) | |
9位 | 海野晋作(東京ヴェントス) | +3分6秒 |
10位 | 堀川敬太郎(祐誠高校) | +3分28秒 |
女子ジュニア+U17 結果(10.8kmx5周=54km)
1位 | 岩元杏奈(日本体育大学) | 1時間37分38秒 |
2位 | 渡部春雅(駒沢大学高等学校) | +2秒 |
3位 | 内野艶和(祐誠高校) | +2分18秒 |
4位 | 太郎田水桜(法政大学) | |
5位 | 石田唯(北桑田高校) | +2分19秒 |
6位 | 平子結菜 | |
7位 | 阿南里奈(別府翔青高校) | +2分20秒 |
8位 | 中村鈴花(千原台高校) | |
9位 | 大蔵こころ(松山城南高校) | +2分21秒 |
10位 | 若原梨々花(岐阜第一高校) | +4分57秒 |
11位 | 石上琴乃 | +5分23秒 |
男子U17+U15 結果(10.8kmx6周=64.8km)
1位 | 岩田聖矢(榛生昇陽高校) | 1時間40分49秒 |
2位 | 山下虎ノ亮(榛生昇陽高校) | +6秒 |
3位 | 篠島瑠樹(福井県自転車競技連盟) | |
4位 | 山崎開登(松山城南高校) | |
5位 | 小泉響貴(浦和北高校) | |
6位 | 藤本怜(CycleDNA) | |
7位 | 篠原輝利(ボンシャンス) | |
8位 | 石田眞大(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ) | |
9位 | 金田直樹(leap) | |
10位 | 堀江一葉(Flecha) |
text&photo:Yuichiro Hosoda, Makoto AYANO, Satoru Kato
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