2010年4月3日、カテゴリー山岳が4つ設定されたセッティマーナ・ロンバルダ(UCI2.1)第3ステージで新城幸也(Bboxブイグテレコム)が逃げた。ユキヤは7名のグループ内で逃げ続けたが、ゴール4km手前で吸収。頂上ゴールを制したリカルド・リッコ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)が、2年ぶりの優勝を飾った。

セッティマーナ・ロンバルダ第3ステージ・コースプロフィールセッティマーナ・ロンバルダ第3ステージ・コースプロフィール image:www.settimanaciclisticalombarda.it山岳周回コースが設定された第3ステージは、序盤からカテゴリー山岳が連続して登場。2級山岳2つと1級山岳を1つ越え、最後は2級山岳ルメッツァーネを駆け上がってゴール。大会唯一の頂上ゴールだけに、総合争いの行方に注目が集まった。

レースは最初の2級山岳通過後の23km地点で逃げが決まる。集団から飛び出したのはロベルト・フェラーリ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)やファビオ・タボッレ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)、ルスラン・ピドゴルニー(ウクライナ、ISD・ネーリ)、そして新城幸也を含む9名。タイム差は3分まで広がった。

小集団でのスプリント勝負を制したリカルド・リッコ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)小集団でのスプリント勝負を制したリカルド・リッコ(イタリア、チェラミカ・フラミニア) photo:Cor Vosやがて先頭は7名に絞られ、ゴールまで25kmを残してタイム差は1分46秒。逃げグループは1分のリードを保ったままこの日最後の2級山岳ルメッツァーネの上りに突入したが、結局ゴールの4km手前で吸収された。

ここからは総合有力選手たちによる山岳バトル。ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ)やマッテーオ・カラーラ(イタリア、ヴァカンソレイユ)が果敢に攻撃を仕掛けたが決まらず、集団は20名弱にまで人数を減らしてゴールへ。

2年ぶりの勝利を収めたリカルド・リッコ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)2年ぶりの勝利を収めたリカルド・リッコ(イタリア、チェラミカ・フラミニア) photo:Cor Vos最後は小集団の精鋭によるスプリント勝負に持ち込まれ、リーダージャージを着るミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)らを破ったリッコが優勝を飾った。

2008年のツール・ド・フランス期間中にCERA(第3世代EPO)陽性が発覚し、20ヶ月の出場停止処分を受けたリッコが久々の勝利を飾った。2008年ツールのステージ優勝はドーピング違反により抹消。リッコの勝利は2008年ジロ・デ・イタリア以来2年ぶりだ。

ボーナスタイムを獲得したリッコが17秒差の総合2位に浮上。リッコは総合優勝に向けて今後も攻撃を続けて行く。「明日はゴールの3km手前に厳しい上りが設定されているし、明後日の最終日も厳しい山岳が連続する。今は脚が良く回っているし、最後まで闘い続けるよ。とにかく今日は本当に嬉しい勝利だ」。

リーダージャージを守る立場のスカルポーニは、ライバルたちの動きに最大限警戒。何とか最後までリーダージャージを守りたい考えだ。「リッコは強敵だ。彼は今かなりモチヴェーションが上がっていると思う。カラーラやニエミエツも侮れないけど、僕は彼らに(リーダージャージを)プレゼントするために出場しているわけじゃない」。

翌第4ステージは、ゴールの3km手前に1級山岳ガンドッソが設定されている。この上りは登坂距離2.6kmで標高差400m。頂上からゴールまではテクニカルで急勾配の下りが続く。上りで飛び出した選手がステージ優勝に輝く可能性が高い。

レース展開はレース公式サイト、選手コメントはガゼッタ紙より。

セッティマーナ・ロンバルダ2010第3ステージ結果
1位 リカルド・リッコ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)        2h48'52"
2位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)
3位 マッテーオ・カラーラ(イタリア、ヴァカンソレイユ)
4位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ミケ)
5位 トム・イェルテスラグター(オランダ、ラボバンク・コンチネンタル)
6位 ルーカ・ザナスカ(イタリア、CDC・カヴァリエーレ)
7位 リカルド・キアリーニ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)
8位 バルトス・フザルスキー(ポーランド、ISD・ネーリ)
9位 フォルトゥナート・バリアーニ(イタリア、ミケ)
10位 アレッサンドロ・ビソルティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
77位 佐野淳哉(日本、チームNIPPO)                   +2'13"
102位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)               +4'28"
155位 宮澤崇史(日本、チームNIPPO)                  +11'20"
156位 井上和郎(日本、チームNIPPO)

個人総合成績
1位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)   10h09'37"
2位 リカルド・リッコ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)           +17"
3位 マッテーオ・カラーラ(イタリア、ヴァカンソレイユ)            +18"
4位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ミケ)              +26"
5位 ルーカ・ザナスカ(イタリア、CDC・カヴァリエーレ)            +36"
6位 リカルド・キアリーニ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)     +47"
7位 フォルトゥナート・バリアーニ(イタリア、ミケ)              +49"
8位 エマヌエーレ・セッラ(イタリア、カルミオオーロ・NGC)          +57"
9位 ヨハン・チョップ(スイス、Bboxブイグテレコム)              +58"
10位 ロブ・ルーグ(オランダ、ヴァカンソレイユ)              +1'03"

ポイント賞
ロベルト・フェラーリ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)

新人賞
ロブ・ルーグ(オランダ、ヴァカンソレイユ)

チーム総合成績
ミケ

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, www.settimanaciclisticalombarda.it

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