2月3日、チャレンジマヨルカ最終日のトロフェオ・プラヤデパルマ〜パルマ(UCI1.1)でマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)がスプリント勝利。昨年3月以来となる、実に11ヶ月ぶりの優勝を飾った。


カチューシャ・アルペシンがメイン集団を牽引するカチューシャ・アルペシンがメイン集団を牽引する photo:CorVos
トロフェオ・プラヤデパルマ〜パルマトロフェオ・プラヤデパルマ〜パルマ photo:Challenge Mallorcaチャレンジマヨルカ最終日のトロフェオ・プラヤデパルマ〜パルマは、その名の通り、マヨルカ島最大都市でありバレアレス諸島州の州都である人口40万人のパルマ・デ・マヨルカを発着する平坦レース。159.6kmコースの大半は平坦で、残り35km地点で登場する3級山岳クレウ峠(全長6.4km/平均勾配3.7%)がスプリンターたちにとっての関門となる。

山がちなコースが設定されたチャレンジマヨルカ前半3日間とは異なり、どのチームもスプリンターを中心にしたメンバー構成。気温が15度程度まで上がったこの日、別府史之(トレック・セガフレード)を含む163名がスタートを切った。

レースは序盤に形成されたUCIプロコン&UCIコンチネンタルチームで構成された4名の逃げを、トレック・セガフレードやUAEチームエミレーツをはじめとするUCIワールドチームが追う展開。残り52km地点で早くも逃げグループが吸収されると、ハードな展開に持ち込みたいモビスターやボーラ・ハンスグローエが3級山岳クレウ峠に向かってペースを上げたが、スプリンターたちは遅れることなくこの難所を越えた。

パルマ・デ・マヨルカの周回コースを走るパルマ・デ・マヨルカの周回コースを走る photo:CorVos
すでにアミッサボンゴでシーズン初勝利を飾っているアンドレ・グライペル(ドイツ、アルケア・サムシック)すでにアミッサボンゴでシーズン初勝利を飾っているアンドレ・グライペル(ドイツ、アルケア・サムシック) photo:CorVos

パルマ市内の海岸線を往復する平坦区間に入ると、ラルス・ボーム(オランダ、ルームポット・シャルル)らがアタックを試みたがリードは奪えない。スプリンターチームがしっかり逃げを捉えてリードアウトを開始。平坦区間に入った残り24km地点からフィニッシュまでの平均スピードは46.7km/hに達している。

チームが入り乱れる混戦の中から、フィニッシュまでおよそ150mを残してキッテルが発進。緩いコーナーのイン側を突き進んだキッテルが誰にも並ばせることなくフィニッシュラインを切った。5位に入ったアンドレ・グライペル(ドイツ、アルケア・サムシック)のSTRAVAログによると、スプリントのトップスピードは65.9km/h。グライペルは18秒間1,174W、最大1,685Wで踏んだが、キッテルには届かなかった。

チャレンジマヨルカ最終日のスプリントを制したマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)チャレンジマヨルカ最終日のスプリントを制したマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) photo:CorVos
2016年シーズン12勝、2017年シーズン14勝という勝利数を収めながら、クイックステップからカチューシャに移籍した2018年シーズンは3月のティレーノ〜アドリアティコで手にしたステージ2勝だけにとどまったキッテル。ツール・ド・フランスでは第1ステージ3位、第4ステージ5位という成績を残し、第11ステージでタイムオーバーに終わっている。8月のドイツツアーを最後に早々にシーズンを切り上げていた。

「とても、とても嬉しい。これは単なるステージ優勝ではなく、(低迷した)昨年からのカムバックだ。ここ数日間ずっと脚の調子が良いと感じていた。このシーズン序盤に自信を取り戻す勝利になったし、何よりチームメイトたちに勝利をもたらすことができてよかった。今日の厳しい登りの最中も、チームメイトたちはずっとそばで守ってくれた」と、11ヶ月ぶりとなる勝利を手にしたキッテルは喜ぶ。

チームのパフォーマンスマネージャーを務めるエリック・ツァベル氏は「チームのトレーニングキャンプで何度も登ったこの山岳(3級山岳クレウ峠)を、4日前にマルセルはまた一人で登った。登りをこなせるという自信が彼には必要だったんだ。今日はチームのクライマーたちにマルセルの周りを固めて、彼を山頂までしっかり連れて行くよう指示した。昨年12月以降、この3ヶ月間ずっとマルセルのトレーニングを見ているけど、状態には満足しているし、過去を振り返ることなく今日から彼の巻き返しが始まる」とコメント。強いキッテル復活の兆しだ。

11ヶ月ぶりとなる勝利を飾ったマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)11ヶ月ぶりとなる勝利を飾ったマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) photo:CorVos
チャレンジマヨルカ2019 トロフェオ・プラヤデパルマ〜パルマ結果
1位 マルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) 4:00:40
2位 ティモシー・デュポン(ベルギー、ワンティ・グループゴベール)
3位 ユーゴ・オフステーテル(フランス、コフィディス)
4位 クリストフ・ノップ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)
5位 アンドレ・グライペル(ドイツ、アルケア・サムシック)
6位 リュディガー・ゼーリッヒ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
7位 マクサンス・モンカッサン(フランス、アモーレエヴィータ)
8位 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)
9位 ボリス・ファレー(ベルギー、ワンティ・グループゴベール)
10位 ホセ・ロハス(スペイン、モビスター)
100位 別府史之(日本、トレック・セガフレード) 0:00:25

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