2019/02/03(日) - 07:52
シクロクロス世界選手権の第一種目、男子ジュニアでベルギー勢を置き去りにしたベン・トゥレット(イギリス)が2連覇を達成。鈴木来人(伊那北高校/ボンシャンス)が日本勢で唯一完走を果たした。日本選手のコメントと併せて紹介します。
デンマークの港町ボーゲンセを舞台にいよいよシクロクロス世界選手権が開幕。上空を白い雲が覆う現地時間午前11時、80名出走の第1種目、男子ジュニアレースの号砲が轟いた。
1周目に好位置をキープしたのはシクロクロスレジェンドの息子ティボー・ネイス(ベルギー)やカテゴリー2連覇を見据えるベン・トゥレット(イギリス)、ピム・ロンハール(オランダ)ら。シクロクロス大国ではないスペインも2名を送り込みハイペースで1周目を消化していく。
後方からはベルギー勢が次々と合流し、2周目から組織的なチームプレーで人数を絞り込んでいった。3周目に入る頃にはワイツ・メーウセンとライアン・コルテンス(共にベルギー)が抜け出し必勝体制を組みに掛かった。
しかし、ここで2連覇を狙うトゥレットがロンハールを引き連れてベルギー勢に合流し、急勾配の登坂区間を前に自らアタック。この動きでロンハールが千切れ、スリッピーなキャンバーでベルギー勢が揃って足を滑らせる。ここが勝負の分け目となった。
ライバルの失速を確認したトゥレットは攻撃を続け、二人との差を4秒、5秒と広げていく。「ベルギーは2人を揃えていたけれど、お互い見合って積極的に追えない可能性を考えていた。パワーが必要なキャンバー登りは自分有利だったからそこで思い切り踏んだ」。そう振り返るトゥレットは最終周回までに34秒ものリードを稼ぎ出した。
最終周回のキャンバー区間でミスを出しながらも、終始踏み倒し続けたトゥレットがジュニアカテゴリー2連覇を達成。今シーズン初めに膝に怪我を負い、成績が出せていない中での復活劇だった。
「レース序盤は冷静に走り、頭を使って展開を見ながら走っていた。厳しいシーズンを過ごしてきただけに喜びは大きいよ」とトゥレット。2位には最終周回に独走に持ち込んだメーウセン、3位がコルテンスで、ジュニア初年度のネイスは4位と表彰台には一つ届かなかった。
3名が出場した日本チームの中で鈴木来人(伊那北高校/ボンシャンス)が唯一65位で完走。序盤の落車に巻き込まれた小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM)、そして柳澤創(Team CHAINRING)はそれぞれ67位と68位で完走ならなかった。以下は3名のコメント。
鈴木来人(伊那北高校/ボンシャンス)
「前はどんどん離れてしまうし、もう最初から物凄くキツかった。タイム差を見ながら”完走できないかな”と不安でしたが、何とかフィニッシュできて良かったです。(初めての世界選は)こんなにもタフなレースだとは思っていませんでした。正直準備不足が否めませんでしたが、その中で色々と助けてもらいました。来年以降はもっと準備を重ねて走れるようにしたいです」。
柳澤創(Team CHAINRING)
初の世界戦で最低限完走を目指しましたが、達成することはできませんでした。しかしながら実際に世界中のトップ選手と走れた今回のレースでは、他では得られない非常に貴重な経験をすることができました。
小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
今回初めて、本場のレースを走りました。1周目、前半で2回もトラブル(追突、落車)があり、終始苦しいレースとなってしまいました。しかし、日本人の方々の応援で気持ちを切らさず走ることができました。結果はマイナス1ラップ67位で満足のいかない結果となってしまいましたが、次につなげられるレースとなりました。応援ありがとうございました!
デンマークの港町ボーゲンセを舞台にいよいよシクロクロス世界選手権が開幕。上空を白い雲が覆う現地時間午前11時、80名出走の第1種目、男子ジュニアレースの号砲が轟いた。
1周目に好位置をキープしたのはシクロクロスレジェンドの息子ティボー・ネイス(ベルギー)やカテゴリー2連覇を見据えるベン・トゥレット(イギリス)、ピム・ロンハール(オランダ)ら。シクロクロス大国ではないスペインも2名を送り込みハイペースで1周目を消化していく。
後方からはベルギー勢が次々と合流し、2周目から組織的なチームプレーで人数を絞り込んでいった。3周目に入る頃にはワイツ・メーウセンとライアン・コルテンス(共にベルギー)が抜け出し必勝体制を組みに掛かった。
しかし、ここで2連覇を狙うトゥレットがロンハールを引き連れてベルギー勢に合流し、急勾配の登坂区間を前に自らアタック。この動きでロンハールが千切れ、スリッピーなキャンバーでベルギー勢が揃って足を滑らせる。ここが勝負の分け目となった。
ライバルの失速を確認したトゥレットは攻撃を続け、二人との差を4秒、5秒と広げていく。「ベルギーは2人を揃えていたけれど、お互い見合って積極的に追えない可能性を考えていた。パワーが必要なキャンバー登りは自分有利だったからそこで思い切り踏んだ」。そう振り返るトゥレットは最終周回までに34秒ものリードを稼ぎ出した。
最終周回のキャンバー区間でミスを出しながらも、終始踏み倒し続けたトゥレットがジュニアカテゴリー2連覇を達成。今シーズン初めに膝に怪我を負い、成績が出せていない中での復活劇だった。
「レース序盤は冷静に走り、頭を使って展開を見ながら走っていた。厳しいシーズンを過ごしてきただけに喜びは大きいよ」とトゥレット。2位には最終周回に独走に持ち込んだメーウセン、3位がコルテンスで、ジュニア初年度のネイスは4位と表彰台には一つ届かなかった。
3名が出場した日本チームの中で鈴木来人(伊那北高校/ボンシャンス)が唯一65位で完走。序盤の落車に巻き込まれた小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM)、そして柳澤創(Team CHAINRING)はそれぞれ67位と68位で完走ならなかった。以下は3名のコメント。
鈴木来人(伊那北高校/ボンシャンス)
「前はどんどん離れてしまうし、もう最初から物凄くキツかった。タイム差を見ながら”完走できないかな”と不安でしたが、何とかフィニッシュできて良かったです。(初めての世界選は)こんなにもタフなレースだとは思っていませんでした。正直準備不足が否めませんでしたが、その中で色々と助けてもらいました。来年以降はもっと準備を重ねて走れるようにしたいです」。
柳澤創(Team CHAINRING)
初の世界戦で最低限完走を目指しましたが、達成することはできませんでした。しかしながら実際に世界中のトップ選手と走れた今回のレースでは、他では得られない非常に貴重な経験をすることができました。
小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
今回初めて、本場のレースを走りました。1周目、前半で2回もトラブル(追突、落車)があり、終始苦しいレースとなってしまいました。しかし、日本人の方々の応援で気持ちを切らさず走ることができました。結果はマイナス1ラップ67位で満足のいかない結果となってしまいましたが、次につなげられるレースとなりました。応援ありがとうございました!
シクロクロス世界選手権2019 男子ジュニア結果
1位 | ベン・トゥレット(イギリス) | 42’29’ |
2位 | ワイツ・メーウセン(ベルギー) | +20” |
3位 | ライアン・コルテンス(ベルギー) | +27” |
4位 | ティボー・ネイス(ベルギー) | +42” |
5位 | ピム・ロンハール(オランダ) | +46” |
6位 | トム・リンドナー(ドイツ) | +47” |
7位 | カルロス・ブランコ(スペイン) | +48” |
8位 | レナール・ベルマンス(ベルギー) | +52” |
9位 | ヤコブ・トゥパリック(チェコ) | +56” |
10位 | テオ・トマ(フランス) | +1’02” |
65位 | 鈴木来人(伊那北高校/ボンシャンス) | +5’57” |
67位 | 小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM) | LAP |
68位 | 柳澤創(Team CHAINRING) | LAP |
text:So.Isobe
photo:Nobuhiko.Tanabe in Bogense, Denmark
photo:Nobuhiko.Tanabe in Bogense, Denmark
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