ツール・ド・台湾の最終ステージが3月20日に行なわれ、逃げグループから終盤に抜け出した福島晋一(日本、クムサン・ジンセン・アジア)がステージ2位に。最後まで総合リードを守り抜いたデーヴィッド・マッキャン(アイルランド、ジャイアント・アジア・レーシング)が総合優勝に輝いた。

アタックした宮澤崇史(日本、日本ナショナルチーム)にデーヴィッド・マッキャン(アイルランド、ジャイアント・アジア・レーシング)が反応アタックした宮澤崇史(日本、日本ナショナルチーム)にデーヴィッド・マッキャン(アイルランド、ジャイアント・アジア・レーシング)が反応 photo:www.tourdetaiwan.org.tw最終ステージは台北市内に作られた1.05kmの周回コースを60周する63kmのクリテリウムレース。駆けつけたパット・マックエイドUCI(国際自転車競技連合)会長のスタート合図でレースは始まった。

レースは序盤からアタックが繰り返された。総合4位の宮澤崇史(日本、日本ナショナルチーム)のアタックには、リーダージャージを着るマッキャンが反応。そして20周目で11名の先頭グループが形成され、この中には綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)や福島晋一(日本、クムサン・ジンセン・アジア)が入った。

リーダージャージ擁するジャイアント・アジア・レーシングがメイン集団をコントロールリーダージャージ擁するジャイアント・アジア・レーシングがメイン集団をコントロール photo:www.tourdetaiwan.org.twメイン集団はジャイアント・アジア・レーシングや日本ナショナルチームが牽引して先頭グループを追ったが、思うようにタイム差が縮まらないままレース終盤へ。タイム差が縮まると、ゴールまで2周を残して福島晋一がアタック。これにはリズワン・ザイナル(マレーシア、マレーシアチーム)だけが合流した。

最後は迫り来る大集団を振り切ったザイナルと福島の一騎打ちに持ち込まれ、マレーシアのザイナルが勝利。ステージ優勝こそ逃したものの、鎖骨骨折によってツール・ド・ランカウイを欠場した福島晋一が、チームキャプテンとして最終ステージで存在感を示した。

最終ステージを制したリズワン・ザイナル(マレーシア、マレーシアチーム)最終ステージを制したリズワン・ザイナル(マレーシア、マレーシアチーム) photo:www.tourdetaiwan.org.twメイン集団はディーン・ウィンザー(オーストラリア、ラファ・コンドル・シャープ)を先頭にタイム差無しでゴールし、総合順位に大きな変動は無し。初日のステージ優勝を飾り、1週間に渡ってリーダージャージを着続けたマッキャンが総合優勝に輝いた。

「強いチームメイトが揃っていたので、逃げグループが形成されても心配していなかった。常に集団前方でライバルたちの動きに目を光らせていたよ。僕が自分の力で勝ち取ったのは第1ステージだけ。チームメイトの働きのおかげで総合リードを守り切ることが出来た。リーダージャージは彼らのものだ」。

総合優勝のデーヴィッド・マッキャン(アイルランド、ジャイアント・アジア・レーシング)と宮澤崇史(日本、日本ナショナルチーム)がそれぞれジャージカラーのPSPをゲット総合優勝のデーヴィッド・マッキャン(アイルランド、ジャイアント・アジア・レーシング)と宮澤崇史(日本、日本ナショナルチーム)がそれぞれジャージカラーのPSPをゲット photo:www.tourdetaiwan.org.twマッキャンは総合優勝に力を尽くしたジャイアント・アジア・レーシングのチームメイトたちを賞賛。2001年のツール・ド・北海道で総合優勝を飾るなど、日本でのレース経験も豊富な37歳のベテランがツール・ド・台湾の頂点に立った。

宮澤はボーナスタイムを獲得出来ず、総合4位にフィニッシュ。しかしポイント賞とアジアンライダー賞ではトップを守り続けた。日本勢としては綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)が総合8位でレースを終えている。

レース展開や選手コメントはレース公式サイトより。


ツール・ド・台湾2010第7ステージ
1位 リズワン・ザイナル(マレーシア、マレーシアチーム)          1h21'26"
2位 福島晋一(日本、クムサン・ジンセン・アジア)
3位 ディーン・ウィンザー(オーストラリア、ラファ・コンドル・シャープ)
4位 ヤロスワフ・レビエウスキ(ポーランド、CCCポルサット・ポルコウィチェ)
5位 ジョナサン・サント(アメリカ、ケンダ・ギアグリンダー)
6位 綾部勇成(日本、愛三工業レーシングチーム)
7位 ユン・インホン(香港、香港チーム)
8位 ハリ・フィトリアント(インドネシア、ポリゴン・スウィート・ナイス)
9位 早川朋宏(日本、日本ナショナルチーム)
10位 山本雅道(日本、チームブリヂストン・アンカー)

個人総合成績
1位 デーヴィッド・マッキャン(アイルランド、ジャイアント・アジア・レーシング)20h51'56"
2位 フィリップ・ゲイモン(アメリカ、ケンダ・ギアグリンダー)           +08"
3位 ウィリアム・クラーク(オーストラリア、ジェネシス・ウェルス・アドヴァイザーズ)+11"
4位 宮澤崇史(日本、日本ナショナルチーム)                    +14"
5位 チョン・キンワイ(香港、香港チーム)                     +26"
6位 ディーン・ダウニング(イギリス、ラファ・コンドル・シャープ)         +29"
7位 フェン・チュンカイ(台湾、アクション・サイクリングチーム)          +30"
8位 綾部勇成(日本、愛三工業レーシングチーム)                  +43"
9位 ロジェ・ブーシャ(スイス、CKT Tmitチャンピオンシステム)          +51"
10位 チョイ・キーホ(香港、香港チーム)                     +53"

ポイント賞
宮澤崇史(日本、日本ナショナルチーム)

山岳賞
チョイ・キーホ(香港、香港チーム)

アジアンライダー賞
宮澤崇史(日本、日本ナショナルチーム)

チーム総合成績
香港チーム

text:Kei Tsuji
photo:www.tourdetaiwan.org.tw

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