レザインがリリースしたGPSサイコンの最新モデル「MEGA XL GPS」と「MEGA C GPS」の2種類。大画面化の恩恵を受けたのは内容の読み取りやすさに加えて、進化したオフラインナビゲーションシステムだった。実際に使用してみたインプレッションをお届けしよう。



大画面かつ縦横どちらにも対応するレザイン MEGA XL GPS大画面かつ縦横どちらにも対応するレザイン MEGA XL GPS
GPSサイクルコンピューター界にリーズナブルな価格にもかかわらず、ハイスペックな機能を持つモデルを投入したレザイン。創業10周年のモデルイヤーにローンチしたLEZYNE GPSプロダクト群の第1弾より2年。大画面化を果たしたMEGAシリーズ2種類を発表した。

SUPER GPSを普段より使用している筆者にとって大型化は喜ばしいニュースであった。これまでの画面サイズで特に不便と思うことは無かったのだが、いざ大型サイコンを手にとってみたら、これまでのモデルは時計や走行距離などの表示は小さかったなと気が付かされてしまったのだ。そして、MEGA XLをライド中に使用してみたら、大きな文字の恩恵を確信。今までよりも明らかに短い時間で内容を読み取ることができるのだ。

当然のことしか言っていないのは十分に理解している。しかし、レース中の集団内という常に前を向いていないと危険な場面で、チラ見だけでデータを把握できるという体験をしてみると、ここまで文字数を費やして言及するのに値すると思ってしまったのである。

程々の厚みのため、アウトフロントブラケットを使用すれば空力的にも損失が少ない程々の厚みのため、アウトフロントブラケットを使用すれば空力的にも損失が少ない 充電はMicroUSBで行う仕組みだ充電はMicroUSBで行う仕組みだ

ボタン系統はこれまでのLEZYNE GPSと変わりないボタン系統はこれまでのLEZYNE GPSと変わりない 4つのボタンで操作を行う4つのボタンで操作を行う


一般道路でもサイコンの文字を読むために凝視してしまい、ふらついてしまうという可能性もある。デイライトを使用していて存在をアピールしていても、自分が事故を引き起こす原因になってしまっては意味がない。大きな文字は真っ直ぐ、前を向き、安全に走行するためにも有用だ。もちろんディスプレイが見やすくなったことで、トレーニングやレースなど追い込んでいる時にもデータを確認しやすくなっている。

ビジビリティ向上という面では、画面が縦長と横長どちらにも変更できることもアップデートされている。スマホアプリで設定するだけで、瞬時に画面を切り替えることができる。縦横は個人の好みによるものなので、実際に試してみてほしい。ただ、1点だけ。横画面使用中でも、各ボタンに割り当てられた機能は90°スライドしない(縦画面がデフォルト)ため、操作には慣れが必要となる。

視認性の良さはシャープ製の高解像度液晶を採用したことも大きく貢献しているだろう。確かにSUPER GPSと比較すると精細かつクッキリと文字が映し出されている。文字の画面が綺麗であると、ロングライド終盤で疲れてきた時なども、文字をストレス無く読むことができる。

MEGA XL GPSは縦画面にも対応しているため好みで使い分けられるMEGA XL GPSは縦画面にも対応しているため好みで使い分けられる
機能面と操作感についてはこれまで通りのLEZYNE GPSと同様だ。スマホと連携せずに、各種センサーと組み合わせてスタンドアローンで使用する方法、スマホと連携させてStravaのLive Segmentや自動同期、Traing Peaksのワークアウトなどを行う方法の2つが主だった使い方。ボタンのクリック感も程よく、使用にあたってのストレスは全くない。

さて、機能面に関してはMEGAシリーズの発表とともにローンチされたオフラインナビゲーションシステムが注目のポイント。これまでは簡易的な線と、曲がり角までの残り距離、走るべき通りの名前をアナウンスするナビゲーションシステムだった。今回のアップデートでは、オフラインマップをデバイスにダウンロードすることで、地図が画面に表示されるようになったのだ。

走るべきルートを矢印で表示してくれるため、これまでの線状のルートナビと比較し、圧倒的に曲がり角がわかりやすくなった。引き続き用意されている曲がり角を知らせるポップアップ表示と組み合わせて使用すれば、道を行き過ぎてしまったり、早めに曲がってしまうミスも少なくなる。このような地図表示も大画面による高い視認性があってこそ。MEGAシリーズの真骨頂が発揮されるのはナビゲーションシステムを使うときだ。

ナビゲーション画面では進むべき道が矢印で示されるナビゲーション画面では進むべき道が矢印で示される 通りの名前とともに道順を案内してくれる通りの名前とともに道順を案内してくれる


このオフラインマップを使用するにあたって、ライドに出かける前にマップデータをスマホとサイコンどちらにもダウンロードしておく必要がある。サイコンへの転送はスマホから、もしくはパソコンから直接という2パターンの方法があるが、転送速度を考えるとパソコンから直接送るほうが時間が短く便利だ。

オフラインマップを作成できる範囲は、南北に約88km、東西に約200kmに伸びる線で結ばれる長方形の範囲内。具体的に例えるならば神奈川県を覆うことができ、データ量は12MB。一般的なライドを行う分には十二分な広さだ。事前に幾つかのデータを用意しておくことで、より広い地域をオフラインでカバーすることができるだろう。

ナビルートの作成はレザインのアプリで行う。MTBトレッキング向けやロード向け、ハイカー向けといったようにナビゲーションしてほしいシチュエーションに合わせてルートを作成してくれるのだ。任意のルートを作ることはできないものの、見知らぬ土地で案内してもらうのには十分精度は高いと感じる。

カラー液晶のレザイン MEGA C GPSカラー液晶のレザイン MEGA C GPS
もしスマホとペアリングした状態を維持しているならば、案内されたルートから外れても道程を再計算してくれる機能があるため安心だ。実際に走行してみたら、交通量が多く避けたい道だったなんてことも起こりうるため、そういうシチュエーションでは思い切って案内されているルートから外れてしまっても、再計算機能によって目的地までたどり着くことはできる。

大画面モデルの登場によってラインアップの魅力が増したLEZYNE GPS。MEGAシリーズは、48時間というロングランタイムとナビを活かして走るツーリング派と、Traning PeaksやStrava Live Segmentを活かすシリアスアスリートどちらにもマッチしてくれるだろう。

LEZYNE GPSのデビューモデルSUPER GPSと新モデルを比較LEZYNE GPSのデビューモデルSUPER GPSと新モデルを比較

福岡市の正屋本店スタッフ 村門勇太さんのオススメコメント

今回レザインのMEGA GPSシリーズを取り扱っている福岡市のプロショップ「正屋本店」のスタッフである村門勇太さんからコメントを頂いた。村門さんは普段からレザインのMEGA C GPSを使用しているという。

正屋本店の村門勇太さん「バッテリーの持ちが良く、1日掛かりのイベントでも安心して使える」正屋本店の村門勇太さん「バッテリーの持ちが良く、1日掛かりのイベントでも安心して使える」 「レザインのGPSコンピューターは他社のモデルと比べてもお買い得で手が出しやすいのが良いですね。その上、このMEGA GPSシリーズからスマホとの連携機能が強化され、アプリでマップを作ってからMEGA GPSにダウンロードさせれば、山奥などの圏外でもナビゲーションしてくれるため、初めて行く道でも迷うことなく助かってます。

その上、バッテリーの持ちが他社のGPSコンピューターよりもよく、1日掛かりのイベントでも電池残量を気にせず使えるのは非常に大きいですね。タッチパネルではなく物理ボタン式となっており、誤操作が防げる点もサイクルコンピューターとしてポイントが高いと思います。なにより他の人と違うGPSコンピューターを使用したいという方や新しいものが好きな方には非常にオススメ出来るアイテムですね。」とコメントしてくれた。

正屋ホームページ
CWレコメンドショップページ


レザイン MEGA XL GPS
サイズ:57.5×78.3×26.6mm
スクリーン:35.3×58.8mm
重量:83g
通信:Bluetooth、ANT+
ランタイム:48時間
保存可能データ:800時間
価格:24,000円(税抜)

レザイン MEGA C GPS
サイズ:50.5×77.2×26.9mm
スクリーン:33.8×45.1mm
重量:73g
通信:Bluetooth、ANT+
ランタイム:32時間
保存可能データ:800時間
価格:24,000円(税抜)



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