国内プロロード選手がTUE(治療使用特例)申請なくぜんそく薬を使用してドーピング陽性となった問題を受けて、所属チームの愛三工業レーシングは該当選手の活動停止と来季以降の契約更新を行わないことを明らかにした。



事の発端は、2018年5月20日から27日まで開催されていたUCIレースのドーピング検査で、今年チームに加入した愛三工業レーシングの選手から禁止薬物の陽性反応が出たこと。選手が治療目的で使用した気管支ぜんそくの治療薬の中に禁止薬物が含まれており、TUE申請を怠ったまま使用を続けていた事が原因だった。

該当選手は後日TUE申請を行ったものの認められず、次いで日本スポーツ仲裁機構(JSAA)に対して申し立てたが、JSAAは9月7日付の仲裁判断で、喘息症状悪化に対する治療法が他にも存在した可能性などによって本件を却下(9月9日)。これによって事態が明るみとなり、愛三工業レーシングは9月11日に声明を出し、その中で今季の活動停止及び2019年以降の契約を更新しない事を発表。まだ現段階では日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の判断は出ていない。

以下は愛三工業レーシングチーム公式サイトにより発表された中根賢二プロジェクトマネジャーの声明。

「本日、選手(本人)から報告を受け事実確認しましたが、中学時代から気管支ぜんそくの治療薬として使用していたとはいえ、チームやTUE(治療使用特例)への事前申請(報告)をおこたっていた事は誠に遺憾であり、本人に対し活動停止及び2019年以降の契約は更新しない事を報告いたします。今後、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)アンチドーピング委員会のご協力をいただき、チーム内での教育体制を充実させ再発防止に努めて参ります」。

text:So.Isobe