今回のツール・ド・フランスプロバイク特集は、ナイロ・キンタナ(コロンビア)が総合7位に食い込んだモビスター。ブルーグラデーションのキャニオンバイクたちを紹介します。



ナイロ・キンタナ(コロンビア)のULTIMATE CF SLXナイロ・キンタナ(コロンビア)のULTIMATE CF SLX photo:Makoto.AYANO
イマノル・エルビティ(スペイン)のAEROAD CF SLXイマノル・エルビティ(スペイン)のAEROAD CF SLX photo:Makoto.AYANO
キンタナ、ミケル・ランダ(スペイン)、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)という3人のエースを擁し、総合では遅れを喫したものの距離65kmの第17ステージでキンタナが一矢報いたモビスター。チームは2014年からキャニオンの機材供給を受け続けており、今年も軽量オールラウンダーのULTIMATE CF SLXと、エアロロードのAEROAD CF SLX、そしてSPEEDMAXという3モデルを乗り分けている。

なお、キャニオンにはエンデュランスロードの「ENDURACE」も用意されているが、春の石畳クラシックと同じく第9パヴェステージではUltimateが使用されていた。モビスターが使用した全てのバイクはリムブレーキバージョンだ。

コンポーネントはカンパニョーロ。全て電動変速のSUPER RECORD(スーパーレコード)EPSで統一されているため、現時点で機械式のみの12速コンポは使われていない。クランクセットにはチームカラーのアルマイト加工が施されたPOWER2MAX製パワーメーターが組み合わせられている。

ナイロ・キンタナ(コロンビア)のSPEEDMAX。ハンドル位置が限りなく低いナイロ・キンタナ(コロンビア)のSPEEDMAX。ハンドル位置が限りなく低い photo:Makoto.AYANO
TTでのフロントホイールはBORA WTO 77。今大会でモビスターが使った唯一の非チューブラーホイールだTTでのフロントホイールはBORA WTO 77。今大会でモビスターが使った唯一の非チューブラーホイールだ photo:Makoto.AYANOディスクホイールはチューブラーのBORA ULTRA TTディスクホイールはチューブラーのBORA ULTRA TT photo:Makoto.AYANO


ホイールもロゴをブルーに変更したBORA ULTRAシリーズで、キンタナは普段からフロントに35、リアに50mmと前後で異なるリムハイトの組み合わせを多用することが多く、今回のツールでもその例に漏れなかった。TTではまだ未発売状態の77mmハイトモデル「BORA WTO 77」をフロントに、ディスクホイールのBORA ULTRA TTをリアにセットして走った。なおBORA WTO 77は「チューブレスこそ最もタイヤの転がり抵抗を低減できる」というカンパニョーロの研究に基づき設計されているため、今回モビスターが使った唯一の非チューブラーホイールということになる。

こちらはパヴェステージ用に準備されたキンタナのULTIMATE。通常ステージと変化は多くないこちらはパヴェステージ用に準備されたキンタナのULTIMATE。通常ステージと変化は多くない photo:Makoto.AYANOパヴェステージでは28mm幅のスペシャルタイヤを投入。フロントを35mmハイトにするのはキンタナの定番チョイスパヴェステージでは28mm幅のスペシャルタイヤを投入。フロントを35mmハイトにするのはキンタナの定番チョイス photo:Makoto.AYANO

パヴェ対策で厚く巻かれたバーテープパヴェ対策で厚く巻かれたバーテープ photo:Makoto.AYANOパワーメーターはPOWER2MAXを使用するパワーメーターはPOWER2MAXを使用する photo:Makoto.AYANO


タイヤはコンチネンタルがプロ供給用に製作しているCOMPETITOIN PRO LTDで、TTの場合はGRANDPRIX TT(25mm)。パヴェステージには「RBX」の表記がある28mmタイヤを低圧で使用していた。

なおTTバイクのハンドルセッティングは各選手によって異なるが、身長167cmのキンタナはハンドルがフロントタイヤと接触しそうなほど低く構えられていた。サドルに滑り止めシートを貼り付けるのも定番カスタムといえよう。

text:So.Isobe