標高922mの1級山岳モンテ・オルトベーネにゴールするジロ・ディ・サルデーニャ第2ステージ。チームメイトにお膳立てされたロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)が、クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック)らを振り切って優勝。総合首位に立った。

サルデーニャ島東部の山岳地帯を走るサルデーニャ島東部の山岳地帯を走る photo:Cor Vos第2ステージのゴール地点は、登坂距離4.8kmの1級山岳モンテ・オルトベーネ頂上(標高922m)。今大会唯一の頂上ゴールであり、総合争いにおける最重要なステージだ。レースは序盤からアタックが繰り返された。

34km地点で集団から飛び出したのは、ヴァレリオ・アニョーリ(イタリア、リクイガス)やロレンツォ・ベルヌッチ(イタリア、ランプレ)、マルケル・イリサール(スペイン、レディオシャック)を含む10名の大きなグループ。

ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)のために頂上ゴールの上りでペースを上げるキセロフスキーとニーバリロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)のために頂上ゴールの上りでペースを上げるキセロフスキーとニーバリ photo:Cor Vosこの逃げグループは最大3分05秒のリードを得たが、メイン集団の追撃を振り切ることは出来ず、ゴール15km手前で吸収されてしまう。ここから1級山岳モンテ・オルトベーネの頂上ゴールに向けて、リクイガスのペースアップが始まった。

積極的にペースを上げたのは、ロベルト・キセロフスキー(クロアチア)とヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)。最後にエースのクロイツィゲルがペースを上げると、集団は10名強まで縮小した。

クロイツィゲルはライバルたちを引き離すことは出来なかったが、ゴール前のスプリント勝負でクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック)やトマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム)らを下して勝利。今シーズン初勝利を飾った。

頂上ゴールでホーナーらを下したロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)頂上ゴールでホーナーらを下したロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス) photo:Cor Vos2008年にツール・ド・スイス、2009年にツール・ド・ロマンディで総合優勝を飾ったクロイツィゲルは、弱冠23歳のオールラウンダー。ツール・ド・フランスには2度出場しており、昨年総合9位に入っている。イヴァン・バッソ(イタリア)、フランコ・ペッリツォッティ(イタリア)、ニーバリに並ぶ、リクイガス四天王の一人だ。

レース後、クロイツィゲルはチームメイトの走りを賞賛した。「シーズンデビュー戦で勝利を飾ったことに非常に満足している。最後の上りは比較的勾配が緩かったので、アタックを許さないようなハイスピードで上る必要があった。ニーバリとキセロフスキーの集団牽引は素晴らしかったよ。僕の飛び出しを最高のカタチでお膳立てしてくれた」。

リーダージャージを着るフランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ)は終盤まで先頭集団で粘ったが、最終的に26秒遅れのステージ19位でフィニッシュ。リーダージャージはクロイツィゲルの手に渡った。

もちろんクロイツィゲルは総合優勝を狙っていく。「この先のステージは、コースプロフィール的に僕向きだ。まだ総合のタイム差が小さいので、ボーナスタイムに注意しなければならない。コンディションは日々上がっているよ」。リクイガスは、グアルニエーリ(イタリア)とサバティーニ(イタリア)のスプリント勝利も同時に狙う。

レース展開はガゼッタ紙、選手コメントはリクイガス公式サイトより。


ジロ・ディ・サルデーニャ2010第2ステージ結果
1位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)             4h33'37"
2位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック)
3位 トマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム)
4位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)
5位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)
6位 ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、レディオシャック)
7位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ミケ)
8位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)     +03"
9位 クリスティアーノ・サレルノ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)   +07"
10位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、リクイガス)

個人総合成績
1位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)             8h50'17"
2位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック)           +04"
3位 トマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム)            +06"
4位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)      +10"
5位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ミケ)
6位 ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、レディオシャック)
7位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)
8位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)     +13"
9位 クリスティアーノ・サレルノ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)   +17"
10位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、リクイガス)            +25"

ポイント賞
ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)

スプリント賞
ジアイロ・エルメティ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)

山岳賞
ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)

チーム総合成績
レディオシャック

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos