ハンマーシリーズ第2戦リンブルフの2日目、ハンマースプリントでカレブ・ユアン(オーストラリア)を中心にポイントを量産したミッチェルトン・スコットが優勝。総合成績トップのクイックステップフロアーズが最終日のハンマーチェイスを先頭でスタートする権利を得た。



平坦な周回コースを平均50km/h弱のハイペースで駆け抜ける平坦な周回コースを平均50km/h弱のハイペースで駆け抜ける photo:CorVos
ハンマースプリント周回コースハンマースプリント周回コース photo:Hammer Seriesハンマースプリント周回コースハンマースプリント周回コース photo:Hammer Series

その名の通りスプリンター向きのハンマースプリントは、オランダ南部リンブルフ州のシッタルト・ヘーレン郊外に作られた平坦な12.4km周回コースを8周する。初日のハンマークライムと同様に毎周回フィニッシュライン通過時の上位10名選手にポイント(100pts、81pts、66pts、53pts、43pts、35pts、28pts、23pts、19pts、15pts)が与えられ、2周目、5周目、8周目は2倍ポイント。どのチームも平坦系選手を選抜してこのポイントレースに挑んだ。

すべての周回で集団スプリントを狙うチームや、アタックを仕掛けてポイントを稼いでいくチーム、エーススプリンターを温存して2倍ポイント周回に勝負をかけるチームなど、様々なチームの戦略が交錯しながらレースは展開していく。序盤から積極的にポイントを稼いだのはクイックステップフロアーズやサンウェブ、ロットNLユンボ、ミッチェルトン・スコット、ボーラ・ハンスグローエで、ちょうどレースが半分(4周回)を終えた時点で453ポイントを稼いだクイックステップフロアーズが暫定首位。ミッチェルトン・スコットが395ポイント、ボーラ・ハンスグローエが361ポイント、ロットNLユンボが333ポイントで追いかけた。

10名ほどの先頭グループが形成されるシーンも見られたが、レース後半はミッチェルトン・スコットが集団を支配した。カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が5周目と6周目を先頭通過してポイントを伸ばし、アルバロホセ・ホッジ(コロンビア)をエースに据えるクイックステップフロアーズを突き放した。

スプリントでポイントを量産したカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)スプリントでポイントを量産したカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) photo:CorVos
最終フィニッシュラインまで逃げ切ったラッセノーマン・ハンセン(デンマーク、アクアブルースポート)最終フィニッシュラインまで逃げ切ったラッセノーマン・ハンセン(デンマーク、アクアブルースポート) photo:CorVos
残り3周を切るとマッティ・ブレシェル(デンマーク、EFエデュケーションファースト・ドラパック)とラッセノーマン・ハンセン(デンマーク、アクアブルースポート)の逃げが生まれ、ハンセンがフィニッシュまで逃げ切ったものの、ユアンが8周目の最終スプリントで集団先頭を取ってさらにポイントを加算。最終的に568.3ポイントを獲得したユアンと、375.6ポイントを獲得したルカ・メズゲッツ(スロベニア)の健闘により、クイックステップフロアーズに405ポイント差をつけたミッチェルトン・スコットが快勝した。

「常に状況を読み、3番手や4番手通過に専念することもあれば、リードアウトを形成して集団先頭を狙う時もあった。今日の勝利の鍵は状況に合わせて走ったこと」と、ユアンとともにポイントを稼いだリードアウト役のメズゲッツは語る。

この日の平均スピードは49.6km/h。グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)の公開データによると、最高スピードは66.4km/hで、ヴァンアーヴェルマートは1時間54分33秒にわたって平均300W(NP360W)、最大1,280Wを出力している。

ハンマースプリントに挑んだ別府史之(トレック・セガフレード)らハンマースプリントに挑んだ別府史之(トレック・セガフレード)ら photo:CorVos
ハンマースプリントを制したミッチェルトン・スコットハンマースプリントを制したミッチェルトン・スコット photo:CorVos
ハンマークライムとハンマースプリントの結果を受け、総合成績で首位に立ったのはクイックステップフロアーズ。総合優勝を狙う権利を得たのは上位8チーム(第1グループ)で、クイックステップフロアーズは総合2位バーレーン・メリダから30秒、総合3位ロットNLユンボから58秒、総合4位ミッチェルトン・スコットから1分23秒のリードをもって最終日のハンマーチェイスをスタートすることに。

ハンマーチェイスはハンマースプリントと同じ12.4km周回コースを3周する。時間差でスタートする第1グループの中で最も早くフィニッシュラインを切ったチームが総合優勝に輝く仕組み。下位8チーム(第2グループ)は総合優勝を狙えないが、計測タイムによるハンマーチェイス優勝のチャンスは残されている。
ハンマーリンブルフ2018スプリント結果
1位 ミッチェルトン・スコット 1120.5pts
2位 クイックステップフロアーズ 715.1pts
3位 ロットNLユンボ 581.4pts
4位 ボーラ・ハンスグローエ 516.9pts
5位 イスラエルサイクリングアカデミー 340.8pts
6位 バーレーン・メリダ 337.1pts
7位 アクアブルースポート 315.0pts
8位 EFエデュケーションファースト・ドラパック 278.6pts
9位 サンウェブ 261.6pts
10位 BMCレーシング 247.2pts
11位 チームスカイ 203.5pts
12位 ロット・スーダル 83.2pt
13位 トレック・セガフレード 33.5pt
14位 UAEチームエミレーツ 28.2pt
15位 NIPPOヴィーニファンティーニ 22.9pt
16位 カハルーラル 0pt
ハンマーチェイス スタート時間(第1グループ)
総合順位 スタート時間 チーム名
1位 18:10:00 クイックステップフロアーズ       
2位 18:10:30 バーレーン・メリダ
3位 18:10:58 ロットNLユンボ
4位 18:11:23 ミッチェルトン・スコット
5位 18:11:46 ボーラ・ハンスグローエ
6位 18:12:07 ロット・スーダル
7位 18:12:27 チームスカイ
8位 18:12:47 BMCレーシング
ハンマーチェイス スタート時間(第2グループ)
総合順位 スタート時間 チーム名
9位 17:00:00 サンウェブ
10位 17:00:30 イスラエルサイクリングアカデミー
11位 17:00:58 EFエデュケーションファースト・ドラパック
12位 17:01:23 アクアブルースポート
13位 17:01:46 カハルーラル
14位 17:02:07 トレック・セガフレード
15位 17:02:27 NIPPOヴィーニファンティーニ
16位 17:02:47 UAEチームエミレーツ