3週間にわたるジロ・デ・イタリア最終日の選手コメント集。3勝目を挙げたサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)や、クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)ら総合陣の言葉を紹介します。



ステージ優勝を飾ったサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)

ステージ優勝を飾ったサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)ステージ優勝を飾ったサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) (c)CorVos
昨日までの疲労で今朝起きた時は脚が死んだように重かった。とてもステージ優勝を想像できるような状態ではなかったけど、レースを走っているうちに脚が回り始めたんだ。難しいコースレイアウトだった上に石畳でバイクが暴れたので手放しができないほどだった。勝つための精神を保ち、チームメイトをがっかりさせたくない気持ちで位置取り。二段階加速するヴィヴィアーニに勝つために、スプリントの開始をできるだけ待った。

ステージ2位、マリアチクラミーノを獲得したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)

マリアチクラミーノを獲得したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)マリアチクラミーノを獲得したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsuji
マリアチクラミーノとステージ3勝が開幕前からの目標だったけれど、蓋を開けてみればジャージに加えてステージ4勝を挙げることが出来た。素晴らしい働きを見せてくれたチームメイトたちには感謝してもしきれない。今日もリードアウトは完璧だったし、タフな山岳ステージでは皆が僕に寄りそってタイムアウトを防いでくれた。この3週間は忘れられない思い出になった。チームメイトもスタッフも素晴らしかったし、毎日沿道に集まってくれた全てのファンは最高だった。

マリアローザを射止めたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)

トロフェオセンツァフィーネを手にしたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)トロフェオセンツァフィーネを手にしたクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:LaPresse
最後の周回コースに入るとたくさんの選手がやってきてレースの安全策を議論したよ。誰もがヴィヴィアーニとベネットのスプリント勝負を見たがっていて、ここまでのジロはファンタスティックだったので最後の締めくくりでファンを落胆させたくなかった。ローマに集まってくれたファンや雰囲気は最高だったから。

1週間前、マリアローザを着てローマを凱旋している姿は想像できなかった。今までも総合タイム差3分をひっくり返したことはあったけど、とても非現実的に思えた。だから今こうしてマリアローザを着ていることが夢のようにも思える。この勝利を妻と、8月に生まれてくる娘に捧げたい。

総合2位トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)、総合1位クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)、総合3位ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)総合2位トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)、総合1位クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)、総合3位ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) photo:Kei Tsuji
総合2位のトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)

自分とチームを誇りに思うよ。この3週間は勝利を掴むために全力で挑んだ、人生で最も過酷なグランツールだった。そこでの総合2位という結果に満足している。チームの助けを得て大きなトラブルに陥ることもなかった。チームとして美しい3週間を経験し、そこで得た結果を誇りに思う。

総合3位、マリアビアンカのミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

マリアビアンカを獲得したミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)マリアビアンカを獲得したミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) photo:Kei Tsuji
アンビリーバブルだよ!ローマの総合表彰台に立つことができて本当に嬉しく思っている。自分にとっては本当に大きな結果だし、たぶんチームにとっても同じだと思う。今回のジロでも、僕が加入して3年間でも耐えず素晴らしいサポートをしてくれたアスタナに感謝したい。チームメイト、スタッフ、監督陣やヴィノクロフGMを誇りに思う。ここ3週間では落車などバッドラックもあったけれど、最終的に総合表彰台と僕の大きな目標だったマリアビアンカに手が届いたんだ。このジロ期間中は自国コロンビアだけじゃなくて、カザフスタンのファンからも大きな声援をもらえたことが力になった。なんてクールなんだ。ジロを見ていた皆も、きっとレース観戦を楽しんでくれたと思う。

総合5位のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)

当初の目標は総合5位以内で、可能であれば表彰台圏内に入りたいと思っていた。長期間3位をキープできていたけれど、たった一日のバッドデイに苦しめられてしまった。ステージ優勝も目標のひとつだったものの、中盤まで圧倒的な力を誇ったイェーツがいては難しかった。

総合9位のサム・オーメン(オランダ、サンウェブ)

自分自身とチーム、そしてトムを誇りに思っている。最後の山岳決戦でトムをアシストするために全力で走っていたら自然と自分の総合順位がトップ10にくい込んだんだ。アシストとしての役割を終えた後もテンポ良く登れていたし、グランツールでの今の立ち位置が分かってきた。トムの表彰台をサポートしながらトップ10に入れたなんてすごく驚いたし、信じられない気持ちだ。

text:So.Isobe