イタリアに戻ったジロ初日の選手コメント集。優勝したティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・フィックスオール)や、「スプリントを狙っていたけど、位置取りが悪くて諦めざるを得なかった」と好調さを伺わせるローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)らの言葉を紹介します。



ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・フィックスオール)

スプマンテを開けるティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・フィックスオール)スプマンテを開けるティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・フィックスオール) photo:Kei Tsuji
残り250mで加速した(エンリコ)バッタリーンの背後につけて、残り200mで再加速。そこからフィニッシュまでこれ以上はもう無理なくらい強く踏み込んだ。フィニッシュラインを通過するまで勝利を確信できなかったよ。逃げの展開からステージ優勝した2年前とは違い、今回は集団での勝利。前回は勝利を祝う時間がたっぷりあったけど、今日は優勝候補たちを置き去りにして勝てたのでずっと良い気分だ。

アップダウンとコーナーが連続するシチリアらしい1日で、チーム全体が素晴らしい働きを見せてくれた。BMCと一緒にコントロールを担い、メンバー全員が集団前方に固まることができた。UAEがペースアップして集団をふるいにかけた時は少しパニックになったけど、終盤にかけてアダム・ハンセンが素晴らしい引きを見せ、トッシュ・ヴァンデルサンドが最後をエスコート。登坂では中切れが起きるほどペースが速かった。今日は自分がステージ優勝を狙う作戦だったけれど、すべて上手く事が運んだ。

第4ステージを制したティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・フィックスオール)第4ステージを制したティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・フィックスオール) photo:Kei Tsuji
今回のチーム目標はステージを獲ることだった。今回の勝利でもっとリラックスして次のチャンスを狙うことができる。僕だけじゃなくてチームの仲間達にもチャンスは巡ってくるだろう。ひとまず今はステージ優勝を挙げることができて嬉しいよ。アルデンヌクラシックと1週間のステージレースが得意で、グランツールのステージ狙いが自分の脚質。グランツールの総合成績は考えていない。

2位に入ったマイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)

2位に入ったマイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)2位に入ったマイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック) (c)CorVosとても調子が良かったので結果を出せると分かっていた。(リエージュから2週間空いて)レースから離れていると自分がどれだけ走れるのか分からないし、”あの勝負所で行けるかだろうか?”とも思いがち。でも今日は自分がどれだけ踏めるか感覚的に分かっていたんだ。

でも、とても難しくチャレンジングな登り勝負でウェレンスが僕を上回っていた。何とか彼に追いつこうとしたけれど届かなかった。自分は限界だったし、彼が先行し始めた時、どれだけのワットで踏んでいるのか理解できなかった。もちろん2位は悪くないけど、勝利が欲しかった。

3位のエンリコ・バッタリーン(イタリア、ロットNLユンボ)

競り合うエンリコ・バッタリーン(イタリア、ロットNLユンボ)やサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)競り合うエンリコ・バッタリーン(イタリア、ロットNLユンボ)やサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) (c)CorVos
自分向きのステージだったけれど少しミスを犯した。先頭グループとの距離を空けてしまい、残り500mで自ら追走しなければいけなかったんだ。ゴールスプリントに加わったものの、消耗していたので勝利には届かなかった。自分のパフォーマンスには満足しているけれど、勝てずに残念。でもこれがロードレース。自分のベストを尽くしたので次のチャンスを狙っていきたい。

ステージ4位、総合3位のサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)

難しい1日だった。もちろんエトナ火山の第6ステージにフォーカスしているけれど、今日も簡単じゃないと捉えていたよ。混沌とした状況でチームは僕を上手く導いてくれた。でも残り1.5kmで他の選手が中切れしてしまったので、思いきり後ろからスプリントせざるをえなかったんだ。それでも4位になれたし、少し総合リードを加算できたから満足。

マリアローザを守ったローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)

マリアローザをキープしたローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)マリアローザをキープしたローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji
イスラエルで手に入れたジャージをイタリアで守ったことは感慨深い。チームは僕がローザを守るための全てを尽くしてくれ、最終盤に入っても何人か残ってくれた。ストレスを感じたものの最終的に上手くいった。スプリントに加わろうとしたものの、残り250mで不可能だと理解したので、できるだけ差が広がらないように努めたんだ。この先もマリアローザを守り続けたい。明日も今日のようなステージで、第6ステージのエトナ火山で自分がどれだけ戦えるかが判明するだろう。

総合2位のトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)

チームメイトに囲まれて走るトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)チームメイトに囲まれて走るトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) (c)CorVos
最後は全力を尽くしたよ。ステージ優勝を狙っていたけれど、もちろん厳しいであろうことも分かっていた。位置取りをミスして残り500mでブレーキを掛けてしまい、20人以上に抜かれてしまったんだ。そこでステージ優勝の希望は潰えた。でもチームメイトが僕をフルサポートしてくれ、ずっと良い位置で走れていたので感謝したい。イタリアに戻ってくることができて嬉しいよ。

終盤に落車したマリアビアンカのマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)

落車しながらもマリアビアンカのリードを広げたマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)落車しながらもマリアビアンカのリードを広げたマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) (c)CorVos
あの時は5番手に付けていたけど、集団は全力で鋭角コーナーに突入。僕は観客に当たってしまい転んでしまった。すぐに全てをチェックしてバイクに飛び乗ったけど、結果的に数秒のロスしかなかった。自分でも驚いたね。特に何事も無かったし、ヤングライダー賞のリードを広げられて満足している。

終盤に逃げたヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ)

好調さをアピールできたので満足。あの場所でアタックを仕掛けようと決めていて作戦を実行した。上手く独走に持ち込めたものの、向かい風と集団のハイペースに勢いが削がれてしまった。僕らのファンを盛り上げるためにもアタックを続け、今後はアルのサポートにも力を割いていきたい。

リタイアしたアンドレア・グアルディーニ(バルディアーニCSF)

エルサレムからずっと体調不良に苦しめられていたけれど、諦めたくはなかった。でも今日はスタート直後から厳しい1日になるだろうと思うくらい悪かった。残り70kmで先頭から15分差がついて、白旗。僕を信じてくれたチームに報いることができずに申し訳ない。

text:So.Isobe

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