エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)の2連勝に終わったイスラエル最終日のコメント集。追い風に乗った超高速ステージを各選手のコメントで振り返ります。



エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)

圧倒的なポイント差でマリアチクラミーノを着るエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)圧倒的なポイント差でマリアチクラミーノを着るエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsuji
獲得標高2000m、そして常に横風分断の危険が居座るナーバスさで簡単なステージではなかった。昨日のステージ優勝でプレッシャーから解き放たされたものの、最初の2時間はとても調子が悪かった。後半にかけて徐々に調子が戻り、230kmという長いステージで長距離クラシックレースの経験が生きたと思う。パンクでファビオ・サバティーニを欠いた状態だったが、最後はプラン通りに任務を遂行した。向かい風が吹いていたので一度後ろに下がろうと決め、最終コーナーを抜けてからベネットの後ろについたんだ。

まるで夢のような、大成功に終わったイスラエルの3日間だった。ジロの開幕を異国で楽しんだだけではなく、素晴らしいオーガナイズや、毎日ロードレースを愛するたくさんのイスラエル人ファンがいるんだと知ってとても気分が良かった。明日は休息日だけれど、僕らのモチベーションが消えることはない。ここまでの2勝は僕がグランツールで勝てるだけのポテンシャルを持っていることを示しているし、これからの自信になる。ここからの3週間はさらに集中して勝利を狙っていくつもりだ。

ベネットの後ろから加速したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)ベネットの後ろから加速したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsuji
ステージ2位のサーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)

混戦の中で失速してしまい、思い通りのスプリントにはならなかった。それでも2位を確保できたのは良かった。是が非でも勝利が欲しいのでローマにたどり着くまでトライしていきたい。

ステージ3位、サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)

まず、今日も素晴らしい働きをしてくれたチームメイトに感謝を。最終盤ではスプリントを始めるタイミングが早すぎたのでヴィヴィアーニの2勝目を許してしまった。3位と言う結果は悪いわけじゃないけれど、もちろん勝利が欲しかった。

マリアローザをキープしたローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)

マリアローザを着てイタリアに渡るローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)マリアローザを着てイタリアに渡るローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji
緊張度の高いステージだったけれど、マリアローザをキープできて嬉しいよ。とても長くて厳しいステージだったけれど、追い風に助けられた部分も大きかった。残り40〜50km区間は特に風が強くて、逃げグループを追走した残り20kmくらいは70km/hくらい。あれ以上速く走れなかった。あの風が横から吹いていたら大変なことになっていたと思う。

本当は第1ステージで勝ちたかったけれど、それを逃した分どこかのステージで勝利が欲しい。トレントの個人TTもクライマー向きながら、チャンスがあれば狙っていきたい。今回の出場選手の中ではスピードを持っている方だと思うし、ヴィヴィアーニが脱落するようなステージでは勝機があると思う。明日は可能な限り休息を取って、軽く足を回したい。イタリアに戻ってからも可能な限り長くマリアローザを守るという目標は変わらない。

総合2位のトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)

今まで経験したスプリントステージの中で最も疲れた1日だった。普段ここまでタフに感じるのは山岳ステージくらいだけど、超ハイスピードで危険な終盤戦が響いた。チームメイトのおかげでポジション取りが上手くいったので良かったよ。今はイタリアに戻ることが楽しみだ。

2日連続で逃げたギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエルサイクリングアカデミー)

2日連続で逃げたギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエルサイクリングアカデミー)2日連続で逃げたギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエルサイクリングアカデミー) photo:Kei Tsuji
残り15kmでタイム差が縮まらなかったので、少しだけ逃げ切りに向けてのチャンスを感じた。でも逃げメンバーが減ってしまったことで限界に達し、ローテーションもそれまでのように上手く回らなくなってしまった。フルガス(全力)でレースを走っている時にはよくあることさ。

1日を振り返るクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)

すごくリラックスして始まった1日は物凄いストレスと共に終わった。強い追い風が超高速の展開を作り出し、とても危険だった。最終盤は誰もが集団前方に上がろうとしていた。全員が最後のランドアバウトやUターンが分断を生み出す可能性があると分かっていたからだ。その中でもチームメイトの助けがあって適切な位置取りができた。今はシチリアに渡る移動日兼休息日、そしてその後の山岳ステージが楽しみ。

自国開催の3日間を振り返るガイ・サギーブ(イスラエル、イスラエルサイクリングアカデミー)

この3日間は信じられないような体験の連続だった。イスラエルの大観衆が僕の名前を呼んでくれ、サインを求めてきたんだ。あんなことは今まで無かったし、今まで経験したことのない3日間を過ごすことができた。

これまでも練習で砂漠を越えたことはあったけれど、今日はたくさんのファンが僕らの名前を呼んで後押ししてくれた。しかも20kmごとにサポーターの大集団が僕らを待ち続けてくれていたんだ。エイラートにフィニッシュした後なんて、ファンに囲まれて身動きすらできなかった。ため息が漏れたよ。僕らの後に続く世代に対して道を拓いただけに過ぎないけれど、今回のできごと全てに貴重な価値があると思っている。

text:So.Isobe

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