アルカンシェルからマリアローザに衣替え。イスラエルで開幕したジロ・デ・イタリアの第1ステージ個人TTでトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)がライバルたちを圧倒した。

薄い雲が空を覆ったが、天気は概ね晴れ薄い雲が空を覆ったが、天気は概ね晴れ photo:Kei Tsuji
5月4日(金)第1ステージ エルサレム〜エルサレム 9.7km(個人TT)☆☆☆5月4日(金)第1ステージ エルサレム〜エルサレム 9.7km(個人TT)☆☆☆ photo:RCS Sport5月4日(金)第1ステージ エルサレム〜エルサレム 9.7km(個人TT)☆☆☆5月4日(金)第1ステージ エルサレム〜エルサレム 9.7km(個人TT)☆☆☆ photo:RCS Sport

第101回大会初日はエルサレムの街中を走る9.7kmの個人タイムトライアル。ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地で、「嘆きの壁」「聖墳墓教会」「岩のドーム」などがある旧市街に隣接するイツハクカリフ通りをスタートし、エルサレム西部の新市街地をぐるっと回ってシュロモハメレク通りにフィニッシュする。

主に幹線道路で構成されたコースはコーナーの連続で、さらに高低差40mほどのアップダウンを繰り返す(獲得標高差は約170m)。そのため単純なパワー勝負ではなく、柔軟に勾配に対応する能力、ロードバイクよりもコントロール性の低いTTバイクを上手く捌く能力を選手に問うた。

午前10時半から始まったコース試走で落車したのはクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)やカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、バーレーン・メリダ)ら。右半身に擦過傷と打撲を負ったフルームはスタートを切ったが、第三頸椎を骨折したシウトソウは開幕前にレースを去っている。
ステージ2位/2秒差 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)ステージ2位/2秒差 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji
ステージ3位/2秒差 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・フィックスオール)ステージ3位/2秒差 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・フィックスオール) photo:Kei Tsuji
ステージ8位/21秒差 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)ステージ8位/21秒差 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsujiステージ4位/12秒差 ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)ステージ4位/12秒差 ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン) photo:Kei Tsuji

176名の中で前半の42番手スタートを選択したローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)がまずは揺るぎない暫定トップタイムを叩き出す。平均スピード48.2km/h、最高スピード76.5km/h、平均出力420W(NP440W)で駆け抜けたデニスが2時間以上ホットシートに座り続けることに。

ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)やマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)、ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・フィックスオール)が中間計測ポイント(5.1km地点)でデニスのタイムを塗り替えるも、向かい風が吹く後半にペースをあげることができずにトップタイム更新ならず。ヨーロッパチャンピオンジャージを着るカンペナールツは1分前にスタートしたマイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)をスプリントで抜き去ったが、デニスのタイムには0.04秒届かなかった。

第1区間(0〜5.1km地点)第2区間(5.1〜9.7km地点)
1位トム・デュムラン6:171位ローハン・デニス5:42
2位マキシミリアン・シャフマン0:002位ヴィクトール・カンペナールツ0:01
3位ヴィクトール・カンペナールツ0:023位トム・デュムラン0:03
4位ジョセ・ゴンサルベス0:044位ペリョ・ビルバオ0:07
5位ローハン・デニス5位ジョセ・ゴンサルベス0:09
6位フェリックス・グロスチャートナー0:076位トニー・マルティン0:10
7位ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ7位アレックス・ドーセット
8位サイモン・イェーツ8位サイモン・イェーツ0:14
9位アレックス・ドーセット0:089位ヴァレリオ・コンティ0:15
10位ゲオルク・プライドラー0:0910位マッズウルス・シュミット
17位ペリョ・ビルバオ0:1312位ティボー・ピノ0:16
35位クリストファー・フルーム0:1916位クリストファー・フルーム0:21
36位ティボー・ピノ19位ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ0:22
37位トニー・マルティン21位マキシミリアン・シャフマン0:23
38位エステバン・チャベス42位エステバン・チャベス0:29

12分02秒の最速タイムを叩き出したトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)12分02秒の最速タイムを叩き出したトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) photo:Kei Tsuji
ステージ5位/16秒差 アレックス・ドーセット(イギリス、カチューシャ・アルペシン)ステージ5位/16秒差 アレックス・ドーセット(イギリス、カチューシャ・アルペシン) photo:Kei Tsujiステージ6位/18秒差 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ)ステージ6位/18秒差 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) photo:Kei Tsuji

最終走者トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)は中間計測ポイント(5.1km地点で)でデニスのタイムを4秒更新。後半に入っても世界チャンピオンのペースは落ちず、フィニッシュに向かう登りを18秒間/平均880Wでもがき切ったデュムランがデニスのトップタイムを2秒更新し、文句なしの走りでステージ優勝に輝いた。

「とてもテクニカルで、コーナリングが得意な自分向きのコースだった。全開でもがいてはリカバリーして、再びもがいてリカバリーの繰り返し。ステージ優勝を飾るとともに、総合で大きなリードを奪うことができてよかったよ」と、ライバルたちから貴重なタイム差を奪ったデュムランは語る。

前年度の優勝者が翌年の開幕ステージで勝利するのは2005年の総合優勝者パオロ・サヴォルデッリ(イタリア)以来の快挙。表彰台でアルカンシェルの上にマリアローザを重ねたデュムランは「調子の良さは感じていたけど、レースは始まってみないと分からない。ジロのためにこの数ヶ月間を捧げてきたので、調整が間違っていなかったことを確認できて良かったよ。でもこのマリアローザを3週間ずっと守ろうとは思っていない。毎日様子を見ながら走りたい」と語っている。
ステージ7位/20秒差 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)ステージ7位/20秒差 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) photo:Kei Tsujiステージ9位/27秒差 トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)ステージ9位/27秒差 トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) photo:Kei Tsuji
ステージ10位/27秒差 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)ステージ10位/27秒差 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) photo:Kei Tsujiステージ11位/28秒差 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、モビスター)ステージ11位/28秒差 カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、モビスター) photo:Kei Tsuji

総合ライバルたちの中でタイムロスを最小限に抑えたのはサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)やドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)、ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)ら。総合でデュムランの最大のライバルになると目されたフルームは、落車の影響かは定かではないが、37秒遅れのステージ21位に沈んでいる。

他にもマリアローザ候補に挙げられるエステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)やジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)、ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ)、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)らは初日からデュムランに50秒前後の遅れを被る結果に。マリアビアンカはステージ8位のシャフマンの手に渡っている。
ステージ15位/32秒差 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・フィックスオール)ステージ15位/32秒差 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・フィックスオール) photo:Kei Tsujiステージ16位/33秒差 ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)ステージ16位/33秒差 ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) photo:Kei Tsuji
ステージ21位/37秒差 クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)ステージ21位/37秒差 クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji
ステージ47位/50秒差 ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ)ステージ47位/50秒差 ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ) photo:Kei Tsujiステージ61位/56秒差 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)ステージ61位/56秒差 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) photo:Kei Tsuji
マリアローザを獲得したトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)マリアローザを獲得したトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) photo:Kei Tsuji
マリアチクラミーノもトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)の手にマリアチクラミーノもトム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)の手に photo:Kei Tsujiマリアビアンカを獲得したマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)マリアビアンカを獲得したマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsuji
ジロ・デ・イタリア2018第1ステージ結果
1位トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)12:02
2位ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)00:02
3位ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・フィックスオール)
4位ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)00:12
5位アレックス・ドーセット(イギリス、カチューシャ・アルペシン)00:16
6位ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ)00:18
7位サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)00:20
8位マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)00:21
9位トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)00:27
10位ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)
11位カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、モビスター)00:28
16位ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)00:33
21位クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)00:37
40位エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)00:46
43位ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ)00:49
47位ファビオ・アル(イタリア、UAEチームエミレーツ)00:50
61位ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)00:56
76位マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)01:02
94位ルイス・メインチェス(南アフリカ、ディメンションデータ)01:08
マリアローザ 個人総合成績
1位トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)12:02
2位ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)00:02
3位ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・フィックスオール)
4位ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)00:12
5位アレックス・ドーセット(イギリス、カチューシャ・アルペシン)00:16
6位ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ)00:18
7位サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)00:20
8位マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)00:21
9位トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)00:27
10位ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)15pts
2位ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)12pts
3位ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・フィックスオール)9pts
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)12:23
2位ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ)00:08
3位マッズウルス・シュミット(デンマーク、カチューシャ・アルペシン)00:09
チーム総合成績
1位カチューシャ・アルペシン37:01
2位サンウェブ00:33
3位ロット・フィックスオール00:39
text&photo:Kei Tsuji in Jerusalem, Israel
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