東欧クロアチアを駆け巡る6日間のツアー・オブ・クロアチアが開幕。200kmオーバーの初日は新城幸也のサポートを受けたニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ)が優勝。1年半ぶりの勝利でリーダージャージを手に入れた。
オシイェクの街をスタートしていく (c)www.tourofcroatia.com
ツアー・オブ・クロアチア2018第1ステージ (c)www.tourofcroatia.com4月17日から22日まで、東ヨーロッパはバルカン半島にあるクロアチアを舞台にしたステージレース、ツアー・オブ・クロアチア(UCI2.HC)が開幕した。今年で4年目と誕生したばかりではあるものの、近年有力選手を輩出している東欧開催、トップ選手の参戦、そして一昨年まで同時期開催だったツアー・オブ・ターキーの開催日程移動なども重なり、今年からUCIのオークラス(HC)に昇格。隣国スロベニア籍の選手やスタッフが多く在籍するバーレーン・メリダは2年連続参戦を見た。
今年度はバーレーン・メリダ、トレック・セガフレード、アスタナという3つのワールドチームや、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニなど11のプロコンチネンタルチーム、そして5つのコンチネンタルチームが参加。新城幸也(バーレーン・メリダ)、別府史之(トレック・セガフレード)、そしてNIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニからは吉田隼人、内間康平、西村大輝という計5名の日本人選手がスタートラインに並んだ。
開幕ステージは、1991年のクロアチア内紛による銃弾のあとが生々しく残るオシイェクからハンガリー国境沿いに北上し、途中3級山岳を越えてコプリブニツァに至る227km。レースはスロベニア勢を中心とした4名の逃げが、最大5分のリードで逃げる展開で推移した。
教会の横をプロトンが通り抜けていく (c)www.tourofcroatia.com
3級山岳で冷たい雨が降りだす (c)www.tourofcroatia.com
レインジャケットを着て走る新城幸也(バーレーン・メリダ) photo:Miwa.Iijima
前半に組み込まれた3級山岳で雨が降り始め、この日はフィニッシュまで太陽が現れることはなかった。「雨は後半は上がる予報だったのだが、最後まで降り続き気温も上がらなかったので、残り100kmでは相当寒く感じていて、残り20kmでやっとレインジャケットを脱ぐことができた」と新城は振り返っている。
終盤に入るとスプリンターチームが激しい位置取り争いを繰り広げ、ラスト10kmを切って全ての逃げメンバーは吸収。長く伸びた集団先頭でリードを奪ったのはニッコロ・ボニファツィオ(イタリア)をエースに据えたバーレーン・メリダだった。
残り2km地点から新城が先頭に立ち、バルディアーニCSFの牽引を経て最終発射台のマテイ・モホリッチ(スロベニア)が発進。隣に並んだトレック・セガフレードの背後に滑り込み、タイミングを待ってスプリントしたボニファツィオが並びかけるアンドレア・グアルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF)を退けて勝利。フィニッシュ直後には新城らチームメイトとがっちり抱き合った。
残り2kmから集団牽引を担い、離脱した新城幸也(バーレーン・メリダ) (c)www.tourofcroatia.com
集団スプリントを制したニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ) (c)www.tourofcroatia.com
フィニッシュ直後にボニファツィオと新城幸也が抱き合う photo:Miwa.Iijima
「1年半の空白期間があったけれど、やっと勝つことができた。最後に勝ったのは(2016年7月の)ツール・ド・ポローニュ。その時も長距離ステージだっから、こういうレースが僕には合っているんだと思う。225kmを走ってもなお十分なパワーを感じていたんだ」と久々の勝利を喜ぶボニファツィオはボーナスタイムを得て、逃げグループに入ったジョン・ボジッチ(スロベニア、アドリアモービル)から1秒差で総合リーダージャージを獲得。「明日も長距離かつチャレンジングなステージだけど、今日よりずっとリラックスして臨むことができる。しっかりと回復に努めたい」とコメントしている。
勝利に貢献した新城はプレスリリースの中で、「チームの作戦は残り2km〜1kmが自分の担当だった。その後ろにモホリッチ、最後は優勝したボニー(ボニファツィオ)の順番。残り1kmくらいまでは予定通りに先頭に出て引っ張りその後、2人でしっかりと決めれくれた。寒さで凍えた長い1日だっだが疲れが吹っ飛んだ。チームは1人少ない6人だから、リーダージャージを守るための明日のコントロールは少し大変だと思うけど、頑張ります」と嬉しさを語っている。
1年半ぶりの勝利を収めたニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ) (c)www.tourofcroatia.com
また、5位に入ったジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード)をサポートした別府は、「空でスタートするかと思った第1ステージは230kmずっと雨が降ってまるでベルギーを走ってるみたいだった。最後はエーススプリンターのジャコモのサポートでコーナーが多くなるラスト4kmから3km引ききり、牽引のアレックスとジャコモを送り出して仕事を終えた」と自身のTwitter上で初のクロアチア初日を振り返っている。
NIPPOヴィーニファンティーニはエドゥアルド・グロス(ルーマニア)が3位に入り、同じくスプリントを狙った吉田は終盤のペースアップで脱落。逃げを狙った西村とメイン集団内でフィニッシュしている。「寒さゆえに水分補給に失敗してしまった」と振り返る内間は4分半遅れたものの完走している。


今年度はバーレーン・メリダ、トレック・セガフレード、アスタナという3つのワールドチームや、NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニなど11のプロコンチネンタルチーム、そして5つのコンチネンタルチームが参加。新城幸也(バーレーン・メリダ)、別府史之(トレック・セガフレード)、そしてNIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニからは吉田隼人、内間康平、西村大輝という計5名の日本人選手がスタートラインに並んだ。
開幕ステージは、1991年のクロアチア内紛による銃弾のあとが生々しく残るオシイェクからハンガリー国境沿いに北上し、途中3級山岳を越えてコプリブニツァに至る227km。レースはスロベニア勢を中心とした4名の逃げが、最大5分のリードで逃げる展開で推移した。



前半に組み込まれた3級山岳で雨が降り始め、この日はフィニッシュまで太陽が現れることはなかった。「雨は後半は上がる予報だったのだが、最後まで降り続き気温も上がらなかったので、残り100kmでは相当寒く感じていて、残り20kmでやっとレインジャケットを脱ぐことができた」と新城は振り返っている。
終盤に入るとスプリンターチームが激しい位置取り争いを繰り広げ、ラスト10kmを切って全ての逃げメンバーは吸収。長く伸びた集団先頭でリードを奪ったのはニッコロ・ボニファツィオ(イタリア)をエースに据えたバーレーン・メリダだった。
残り2km地点から新城が先頭に立ち、バルディアーニCSFの牽引を経て最終発射台のマテイ・モホリッチ(スロベニア)が発進。隣に並んだトレック・セガフレードの背後に滑り込み、タイミングを待ってスプリントしたボニファツィオが並びかけるアンドレア・グアルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF)を退けて勝利。フィニッシュ直後には新城らチームメイトとがっちり抱き合った。



「1年半の空白期間があったけれど、やっと勝つことができた。最後に勝ったのは(2016年7月の)ツール・ド・ポローニュ。その時も長距離ステージだっから、こういうレースが僕には合っているんだと思う。225kmを走ってもなお十分なパワーを感じていたんだ」と久々の勝利を喜ぶボニファツィオはボーナスタイムを得て、逃げグループに入ったジョン・ボジッチ(スロベニア、アドリアモービル)から1秒差で総合リーダージャージを獲得。「明日も長距離かつチャレンジングなステージだけど、今日よりずっとリラックスして臨むことができる。しっかりと回復に努めたい」とコメントしている。
勝利に貢献した新城はプレスリリースの中で、「チームの作戦は残り2km〜1kmが自分の担当だった。その後ろにモホリッチ、最後は優勝したボニー(ボニファツィオ)の順番。残り1kmくらいまでは予定通りに先頭に出て引っ張りその後、2人でしっかりと決めれくれた。寒さで凍えた長い1日だっだが疲れが吹っ飛んだ。チームは1人少ない6人だから、リーダージャージを守るための明日のコントロールは少し大変だと思うけど、頑張ります」と嬉しさを語っている。

また、5位に入ったジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード)をサポートした別府は、「空でスタートするかと思った第1ステージは230kmずっと雨が降ってまるでベルギーを走ってるみたいだった。最後はエーススプリンターのジャコモのサポートでコーナーが多くなるラスト4kmから3km引ききり、牽引のアレックスとジャコモを送り出して仕事を終えた」と自身のTwitter上で初のクロアチア初日を振り返っている。
NIPPOヴィーニファンティーニはエドゥアルド・グロス(ルーマニア)が3位に入り、同じくスプリントを狙った吉田は終盤のペースアップで脱落。逃げを狙った西村とメイン集団内でフィニッシュしている。「寒さゆえに水分補給に失敗してしまった」と振り返る内間は4分半遅れたものの完走している。
ステージ結果
1位 | ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 5h45’25” |
2位 | アンドレア・グアルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF) | |
3位 | エドゥアルド・グロス(ルーマニア、NIPPOヴィーニファンティーニ) | |
4位 | リカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナ) | |
5位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
6位 | マルコ・クンプ(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | |
7位 | ジョン・マーフィー(アメリカ、ホロウェスコ・シタデル) | |
8位 | ジガ・ジェルマン(スロベニア、リュブリャナ・グスト) | |
9位 | フェデリコ・ズルロ(イタリア、MTティナ・フォーカス) | |
10位 | ジミー・ドゥケノワ(ベルギー、WBアクアプロジェクト・ヴェランクラシック) | |
63位 | 新城幸也(バーレーン・メリダ) | |
84位 | 西村大輝(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ) | |
88位 | 別府史之(トレック・セガフレード) | |
96位 | 吉田隼人(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ) | |
127位 | 内間康平(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ) | +4’26” |
個人総合成績
1位 | ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 5h45’15” |
2位 | ジョン・ボジッチ(スロベニア、アドリアモービル) | +01” |
3位 | アンドレア・グアルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF) | +04” |
4位 | エドゥアルド・グロス(ルーマニア、NIPPOヴィーニファンティーニ) | +06” |
5位 | リカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナ) | +10” |
6位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
7位 | マルコ・クンプ(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) | |
8位 | ジョン・マーフィー(アメリカ、ホロウェスコ・シタデル) | |
9位 | ジガ・ジェルマン(スロベニア、リュブリャナ・グスト) | |
10位 | フェデリコ・ズルロ(イタリア、MTティナ・フォーカス) |
ポイント賞
1位 | ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ) | 25pts |
2位 | アンドレア・グアルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF) | 20pts |
3位 | エドゥアルド・グロス(ルーマニア、NIPPOヴィーニファンティーニ) | 16pts |
山岳賞
1位 | エミル・ディマ(ルーマニア、MTティナ・フォーカス) | 6pts |
2位 | ジョン・ボジッチ(スロベニア、アドリアモービル) | 4pts |
3位 | マティク・グロセリ(スロベニア、リュブリャナ・グスト) | 2pts |
ヤングライダー賞
1位 | ジョン・ボジッチ(スロベニア、アドリアモービル) | 5h45'16" |
2位 | ジガ・ジェルマン(スロベニア、リュブリャナ・グスト) | +09" |
3位 | ジガ・ホルヴァット(スロベニア、アドリアモービル) |
チーム総合成績
1位 | リュブリャナ・グスト | 17h16’15” |
2位 | MSティナ・フォーカス | |
3位 | バルディアーニCSF |
text:So.Isobe
photo:www.tourofcroatia.com
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