カナディアンバイクブランド、アルゴン18より新型となるエンデュランスロード「KRYPTON GF」「KRYPTON CS」が登場。快適性を最大限に高める設計とされながらも、剛性やエアロ性能も両立されたハイパフォーマンスなグランフォンドモデルとなる。



アルゴン18 KRYPTON CSアルゴン18 KRYPTON CS
1989年に創業し1999年より本格的にブランド展開が始まったカナダの新興バイクブランド、アルゴン18。国内では2012年モデルより販売が開始された比較的歴史の浅いブランドながら、プロコンチネンタルチームのボーラ・アルゴン18や、2017シーズンからサポートを行うワールドチームのアスタナの活躍もあり国内でも広く知られるようになった。

レーシングモデルに絞ったハイパフォーマンスなカーボンバイクを各種揃えるアルゴン18だが、2018モデルの新作としてリリースしてきたのは方向性を一味変えたオールロード系のエンデュランスバイクである。同社コンフォートモデルの”KRYPTON(クリプトン)”の名を冠した新型「KRYPTON GF」「KRYPTON CS」は、快適性の向上を最大の目標とし開発されており、フレーム形状やカーボン積層を一から設計し直した1台となっている。

アルゴン18独自の3Dヘッドチューブシステムとし、ヘッドキャップは交換できる構造となるアルゴン18独自の3Dヘッドチューブシステムとし、ヘッドキャップは交換できる構造となる 扁平させたトップチューブが振動吸収性を高める扁平させたトップチューブが振動吸収性を高める
ワイヤー類はダウンチューブよりフレーム内にアクセス。Di2ジャンクションも収納可能だワイヤー類はダウンチューブよりフレーム内にアクセス。Di2ジャンクションも収納可能だ フラットマウントのディスクブレーキとし、DTスイス製の12mmスルーアクスルを合わせるフラットマウントのディスクブレーキとし、DTスイス製の12mmスルーアクスルを合わせる

フレームデザイン決定のため試作品の各所に測定機器を付け、実際に路面からの振動がどうライダーに伝わるのかを調査。フレーム、フォーク、ホイールの構成がどのように乗り心地に影響しているのかを再現、比較を繰り返すことで、最も快適性の高い形状やカーボンレイアップを決めていったのだという。

数々のテストを経て生み出されたフレームは、KRYPTONと同じくシートステーの接合位置を下げたコンパクトなリア三角デザインを採用。縦方向に扁平させたシートステーとともに、緩やかにカーブを描く薄くデザインされたトップチューブが振動吸収を高める役割を果たしている。加えてフロントフォークも先端に向かって中ほどから大きくベンドさせることで路面からの突き上げをいなし、耐久性とコントロール性を強化している。

中程から大きくベンドする特徴的なデザインのフロントフォーク中程から大きくベンドする特徴的なデザインのフロントフォーク フォークやダウンチューブは後端が切り落とされたエアロ形状を採用フォークやダウンチューブは後端が切り落とされたエアロ形状を採用 後輪に沿ってカットオフされるシートチューブ後輪に沿ってカットオフされるシートチューブ

その上で、より安定かつリラックスしたポジションを実現できるよう、ヘッドチューブを長めに設計したエンデュランスジオメトリーを採用。既存のレーシングジオメトリーを踏まえつつデザインされており、ペダリングのしやすさなど重要な要素を引き継ぎつつ、ホイールベースを伸ばすなど全く新しい設計の上で構築されているジオメトリーだ。

もちろんレーシングブランドとして走行性能にも妥協はない。パワー入力に対し優れた推進力を生み出すよう横剛性を最適化しており、高いペダリング効率を発揮。加えてエンデュランスモデルながら同社が得意とするエアロダイナミクスのエッセンスも取り入れられており、CFD解析を経て決定されたフレーム形状は後端を切り落としたチューブデザインを採用するなど、空力特性にも配慮されたものとなっている。

既存モデルKRYPTONと同じくコンパクトなリア三角を採用既存モデルKRYPTONと同じくコンパクトなリア三角を採用 シェル幅の広いBB86により剛性を高める。チェーンキャッチャーも標準装備だシェル幅の広いBB86により剛性を高める。チェーンキャッチャーも標準装備だ
高さを変えられるヘッドキャップやリアディレイラーのダイレクトマウント用ハンガー等が付属する高さを変えられるヘッドキャップやリアディレイラーのダイレクトマウント用ハンガー等が付属する アルゴン18 KRYPTON GF(ユーロバイクにて撮影)アルゴン18 KRYPTON GF(ユーロバイクにて撮影)

前後ともフラットマウントのディスクブレーキ、12mmスルーアクスルという仕様で、タイヤクリアランスは最大32mmまで対応する。スリックタイヤでロングライドを楽しむも良し、ブロックタイヤでグラベルを攻めるも良しのマルチパーパスな1台に仕上がっている。ブレーキローターは140/160mm対応だ。

マットレッドカラーのKRYPTON CSとダークグレーカラーのKRYPTON GFの2車種にて展開されるが、それぞれカーボングレードが異なるモデルとなる。KRYPTON GFの方がハイグレードな素材を使用しており、より軽くより速いパフォーマンスモデルとしてラインアップされ、付属のシートポストも2モデルで異なるものがアセンブルされる。フレームセットにて販売され、KRYPTON CSが228,000円(税抜)、KRYPTON GFが298,000円(税抜)だ。



アルゴン18 KRYPTON CS
カラー:マットレッド
フレーム重量:1,080g
サイズ:XXS(420)、XS(450)、S(485)、M(520)、L(555)
価 格:228,000円(税抜)

アルゴン18 KRYPTON GF
カラー:ダークグレーマット
フレーム重量:990g
サイズ:XXS(420)、XS(450)、S(485)、M(520)、L(555)
価 格:298,000円(税抜)