ヴォルタ・アン・アルガルヴェ第4ステージは2度目の集団スプリントに持ち込まれ、圧倒的なスピードを披露したディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)が大会2勝目を挙げた。



総合首位のゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)と、悪魔おじさん(偽物)総合首位のゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)と、悪魔おじさん(偽物) photo:voltaaoalgarve.com/João Fonsecaこの日終盤にアタックするフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)この日終盤にアタックするフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ) photo:voltaaoalgarve.com/João Fonseca

一足早い春が訪れているアルガルヴェ地方一足早い春が訪れているアルガルヴェ地方 photo:voltaaoalgarve.com/João Fonseca
アルモドバルから、スペイン国境に近い海辺の町タヴィラを目指すヴォルタ・アン・アルガルヴェ(UCI2.HC)第4ステージの距離は199.2km。中盤には2つの4級山岳が組み込まれているものの難易度は低く、基本的にスプリンター向け。昨年大会でアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)が勝利しているフィニッシュ地点に向けて162名がスタートを切った。

この日は山岳賞首位のベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)やローリー・サザーランド(オーストラリア、UAEチームエミレーツ)など6名が逃げ、狙い通りキングは2箇所のKOMを先頭通過してポイントを加算する。最大4分半のタイム差は、スプリンターを抱えるチームが終盤にかけて削り取っていった。

逃げるベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)ら逃げるベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)ら photo:voltaaoalgarve.com/João Fonsecaコーラを回し飲みして楽しげなティアゴ・マシャド(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)らコーラを回し飲みして楽しげなティアゴ・マシャド(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)ら photo:voltaaoalgarve.com/João Fonseca

集団のペースを上げるロットNLユンボやFDJ集団のペースを上げるロットNLユンボやFDJ photo:voltaaoalgarve.com/João Fonseca
残り20km、逃げとのタイム差が1分を切った時点でメイン集団に動きが出る。登坂中にフィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)が抜け出し、ディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシング)とギヨーム・ボナフォン(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)が反応。暫くするとヤシャ・ズッタリン(ドイツ、モビスター)が追いついて4名の危険な追走グループが生まれる。

10秒ほどのリードを得た4名はローテーションを崩しながらも残り9kmで先頭グループに追いつき、人数をまとめて全速力で逃げ続ける。しかしトレック・セガフレードやロットNLユンボ、FDJが牽く集団も残り5kmからペースアップし、一時は逃げ切り有利かと思わせた先頭グループ残り3kmでキャッチ。ここから各チームが激しく列車をぶつけ合った。

ロット・スーダルやトレック・セガフレードが先頭を奪い合い、総合ワンツーを固めるチームスカイも危険回避のために集団前方へ。トレック・セガフレードの後ろにロットNLユンボがつける形でラスト1kmのバナーをくぐった。

圧倒的なスプリントで勝利したディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)圧倒的なスプリントで勝利したディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) photo:CorVos
最終ストレートで人数を残したロットNLユンボトレインが、残り150mでディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)を発射。パワフルにもがき続けた元オランダチャンピオンが、追いすがるマッテーオ・ペルッキ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)を一車身以上引き離して勝利した。

「今日は短くて速い登りが2つと、カオスなフィナーレが待っていたけれど、パニックにならなかったのはチームメイトのおかげ。皆が完璧に僕を導いてくれて、僕は最後に仕事をするだけでよかった。完璧に作戦が成功したよ」と満足げに語るフルーネウェーヘンにとっては、開幕ステージに続く今大会2勝目。ドバイツアーと合わせて既に3勝を飾っており、出場予定のツール・ド・フランスでも有力スプリンターの一人として挙げられることになるだろう。

翌最終日は、残り3kmで標高差200mを駆け上がる登坂ゴールでフィナーレを迎える。鉄壁の強さを誇るチームスカイの牙城を崩すチームが現れるかに注目が集まる。

ポイント賞首位にも浮上したディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)ポイント賞首位にも浮上したディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) photo:voltaaoalgarve.com/João Fonseca
ステージ成績
1位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 4h33’49”
2位 マッテーオ・ペルッキ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)
3位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)
4位 フロリアン・セネシャル(フランス、クイックステップフロアーズ)
5位 ユルゲン・ルーランツ(ベルギー、BMCレーシング)
6位 ティモシー・デュポン(ベルギー、ワンティ・グループゴベール)
7位 ユーゴ・ホーフシュテッター(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)
8位 ジャスパー・デブイスト(ベルギー、ロット・スーダル)
9位 ロイック・ヴリーヘン(ベルギー、BMCレーシング)
10位 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)
個人総合成績
1位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) 10h01’58”
2位 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) +22”
3位 ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター) +32”
4位 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) +52”
5位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) +53”
6位 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +1’01”
7位 ハイメ・ロソン(スペイン、モビスター) +1’18”
8位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) +1’19”
9位 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +1’20”
10位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ) +1’24”
ポイント賞
1位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ) 50pts
2位 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) 26pts
3位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード) 24pts
山岳賞
1位 ベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ) 21pts
2位 ホアオ・ロドリゲス(ポルトガル、W52/FCポルト) 11pts
3位 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) 10pts
ヤングライダー賞
1位 サム・オーメン(オランダ、チームサンウェブ) 10h03’51”
2位 レナード・ケムナ(ドイツ、チームサンウェブ) +2’26”
3位 ホセ・フェルナンデス(ポルトガル、W52/FCポルト) +3’23”
チーム総合成績
1位 チームスカイ 43h49’04”
2位 クイックステップフロアーズ +1’53”
3位 モビスター +1’55”
text:So.Isobe
photo:CorVos, voltaaoalgarve.com/João Fonseca

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