ボルタ・ア・ヴァレンシアナ第4ステージは先行していたアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)をラスト150mで抜き去ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が勝利。今大会2勝目を挙げると共に、総合優勝を確定させている。



オリエラの港町をスタートするプロトンオリエラの港町をスタートするプロトン (c)VueltaCV
スペインで開催中のボルタ・ア・ヴァレンシアナ(UCI2.1)。第4ステージは3級山岳が3つ、2級山岳が2つ、1級山岳が2つという計7つの山岳を登る184.2km。ラストは1級山岳アルト・デ・ラス・カンテラヘ登る山頂フィニッシュとなっており、総合優勝に向けた動きが活発に。翌日の最終第5ステージは平坦となるため、このステージで総合優勝が確定する。

レースが始まると逃げグループ形成のためのアタック合戦が勃発。しかし、なかなかメンバーが決まらず、最初の3級山岳ラ・ガルガンタへ登り始めるとスポートフラーンデレン・バロワーズの3名がアタック。山岳ポイントを1位から3位まで独占し、山岳賞を狙う意思を明らかにした。

スタート直後から起こったアタック合戦スタート直後から起こったアタック合戦 (c)VueltaCV山岳地帯を進む6名の逃げグループ山岳地帯を進む6名の逃げグループ (c)VueltaCV


その後、3名が吸収されると6名の逃げグループが新たに形成。各山岳ポイントではプレベン・ヴァン・ヘッケ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)とクリスティアン・ロドリゲス(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA)のポイント争いが起こったが、いずれもヘッケが先着。この日27ポイントを大量獲得し山岳ジャージを確定させている。

逃げ集団はタイム差を最大3分まで広げた。残り30kmになるとミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)が集団から逃げグループにジャンプアップし、それを機に逃げグループは崩壊。先頭はクウィアトコウスキー、ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ)、レト・ホレンシュタイン(スイス、カチューシャ・アルペシン)、クリスティアン・ロドリゲス(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA)の4名となった。

雪の残る山岳地帯を進む雪の残る山岳地帯を進む (c)CorVos
中盤にできた4名の逃げグループ中盤にできた4名の逃げグループ (c)VueltaCV残り6km地点 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ)が単独走を開始残り6km地点 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ)が単独走を開始 (c)VueltaCV


集団ではモビスターとアスタナが中心となって集団をコントロール。キリエンカが脱落し3名になった先頭グループを吸収しようと牽引するが、タイム差を縮めることが出来ず。残り10km地点では先頭グループに追走を掛けていた3名が合流し、その後、クウィアトコウスキーとジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ)という実力者2名が抜け出す展開に。

しかし、残り6km地点でクウィアトコウスキーが脱落し、ヴィスコンティも残り3km地点で集団に吸収されると、集団は1つで最後の1級山岳アルト・デ・ラス・カンテラに突入。プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)がペースを作りながら登る中、アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)がアタック。吸収されるものの、再度アタックし先頭で残り300mを通過した。

しかし、後ろから追走していたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が残り150mでイェーツを勢い良く抜き去るとそのままフィニッシュ。今大会2勝目となるステージ勝利を挙げた。これによりバルベルデがリーダージャージを堅守。総合優勝も確定させている。

クイーンステージを勝利したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)クイーンステージを勝利したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) (c)CorVos
度重なるアタックを試みたが実らなかったアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)度重なるアタックを試みたが実らなかったアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) (c)CorVos総合優勝を確定させたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)総合優勝を確定させたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) (c)VueltaCV


「まず今日1日、多くの仕事をこなしてくれたチームに感謝したい。クウィアトコウスキーがアタックした時、最初はなるべく早く吸収しようと思ったが、泳がせることにしたんだ。そうすることでチームが最終局面までレースをコントロールすることが出来ると思ったんだ。結果としてレースをコントロールして勝利することが出来た。このリーダージャージを守る事ができて嬉しいよ。5日間で2回の勝利を挙げられたけど、怪我の前より強くなっているかどうかは分からないね。」とバルベルデはコメントしている。

また中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)はコンディションが優れず集団後方にて完走している。「苦しい厳しい1日だった。それでも明日の最終日に繋ぐことができたので、しっかり回復に努めて明日に備えたい。」とレースを振り返っている。(チームのホームページより)。

集団後方で走るNIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニの選手達集団後方で走るNIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニの選手達
第4ステージ結果
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 4:48:35
2位 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +0:04
3位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)
4位 ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス・ソルシオンクレディ) +0:09
5位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) +0:10
6位 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)
7位 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) +0:15
8位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ミッチェルトン・スコット) +0:18
9位 キリアン・フランキーニー(スイス、BMC レーシング) +0:24
10位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、イスラエルサイクリングアカデミー) +0:30
個人総合成績
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 13:16:23
2位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) +0:14
3位 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) +0:26
4位 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
5位 ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス・ソルシオンクレディ) +0:48
6位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) +0:49
7位 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) +0:54
8位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ミッチェルトン・スコット) +0:57
9位 キリアン・フランキーニー(スイス、BMC レーシング) +1:03
10位 アマロ・アントゥネス(ポルトガル、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) +1:09
ヤングライダー賞
1位 キリアン・フランキーニー(スイス、BMC レーシング) 13:17:26
2位 ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ) +0:10
3位 メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ) +0:18
山岳賞
1位 プレベン・ヴァン・ヘッケ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) 27pts
2位 クリスティアン・ロドリゲス(スペイン、カハルーラル・セグロスRGA) 21pts
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 20pts
チーム総合成績
1位 アスタナ 39:50:58
2位 チームスカイ +2:10
3位 BMCレーシング +2:30
text:Kosuke.Kamata
photo:CorVos,VueltaCV

最新ニュース(全ジャンル)