ツアー・オブ・ブリテンの総合争いを決定づけると言っても過言ではない16.2kmの個人タイムトライアルでラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ)が勝利。トップTTスペシャリストたちを下した2011年大会総合優勝者が総合リーダーの座に就いた。


ステージ優勝を飾ったラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ)ステージ優勝を飾ったラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
ステージ2位/6秒差 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロットNLユンボ)ステージ2位/6秒差 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロットNLユンボ) photo:Kei Tsuji / TDWsportステージ3位/7秒差 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ)ステージ3位/7秒差 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ) photo:Kei Tsuji / TDWsport

イングランド東部、ロンドンに近いエセックス州の海沿いの街クラクトン・オン・シーで、個人タイムトライアルが行われた。山岳ステージが設定されていないツアー・オブ・ブリテン2017年大会において総合成績に大きく響く重要な戦いであるのは明白で、さらにロード世界選手権を前に各TTスペシャリストの調子を見る場としても注目を集めた。

カモメが飛ぶ浜辺を発着する16.2kmコースは概ねフラットで、テクニカルなコーナーは多くない。パワーを問うハイスピードコースで、ロットNLユンボとチームスカイの力が光った。

2015年世界TTチャンピオンのヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ)が19分09秒の暫定トップタイムを出したが、白地に青ラインと黄色い星を配したヨーロッパチャンピオンジャージを着るヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロットNLユンボ)がタイムを1秒更新。さらにチームメイトのラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ)がカンペナールツのタイムを6秒更新して見せた。

ここまで4ステージでスプリント争いを繰り広げてきた総合上位のスプリンターたちはタイムを伸ばすことができず、ロットNLユンボがワンツー勝利を達成。他にもヨス・ファンエムデン(オランダ)がステージ5位、プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)がステージ12位に入るなど、ロットNLユンボが上位に多く選手を送り込んだ。ボームの平均スピードは51.068km/h。

ステージ優勝を飾ったラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ)ステージ優勝を飾ったラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
ステージ4位/8秒差 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)ステージ4位/8秒差 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji / TDWsportステージ6位/12秒差 トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)ステージ6位/12秒差 トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) photo:Kei Tsuji / TDWsport
ステージ38位/1分10秒差 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン)ステージ38位/1分10秒差 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン) photo:Kei Tsuji / TDWsportステージ16位/30秒差 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)ステージ16位/30秒差 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
ステージ113位/3分57秒差 カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)ステージ113位/3分57秒差 カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット) photo:Kei Tsuji / TDWsportステージ46位/1分23秒差 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)ステージ46位/1分23秒差 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
ステージ8位/17秒差 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)ステージ8位/17秒差 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji / TDWsport

チームスカイはステージ3位のキリエンカの他にもミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)がステージ7位、ゲラント・トーマス(イギリス)がステージ8位、オウェイン・ドゥール(イギリス)がステージ13位に。地元エセックス州出身のアレックス・ドーセット(イギリス、モビスター)はステージ9位だった。

グリーンジャージを着て走ったエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)は1分23秒遅れのステージステージ46位。総合2位のカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)はメカトラによって中盤からノーマルバイクでの走りを強いられ、4分近いタイムを失っている。総合トップ10の中で総合上位に残ったのはステージ16位のエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)だけだった。

中間計測ポイントでトップタイムを更新し、後半もスピードを維持してステージ優勝をつかんだボームは「タイムトライアルで前半から突っ込むのが自分のスタイル。残り4kmは向かい風が吹いていたのでタイムを失うと思ったけど、常に45〜48km/hは出ていたので問題なかった。トップ10に並ぶ(トップ選手の)名前を見ると喜びが倍増だ」と語る。

ステージ12位/25秒差 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ)ステージ12位/25秒差 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) photo:Kei Tsuji / TDWsportステージ21位/41秒差 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)ステージ21位/41秒差 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター) photo:Kei Tsuji / TDWsport
ステージ13位/26秒差 オウェイン・ドゥール(イギリス、チームスカイ)ステージ13位/26秒差 オウェイン・ドゥール(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji / TDWsportステージ9位/21秒差 アレックス・ドーセット(イギリス、モビスター)ステージ9位/21秒差 アレックス・ドーセット(イギリス、モビスター) photo:Kei Tsuji / TDWsport
ステージ7位/17秒差 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)ステージ7位/17秒差 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) photo:Kei Tsuji / TDWsport

スプリント向きの3ステージを残してボームが総合首位に浮上。カンペナールツが8秒差、キリエンカが9秒差で続いている。グリーンジャージを手にした2011年大会の総合優勝者ボームは「明日からのステージに向けて作戦を立てなければならない。メンバー6名でレースを完全にコントロールするのは難しく、戦略的にレース運びが必要になる。とにかく20秒以内の選手は全員が危険な存在だ」とコメントする。中間スプリントポイントを合わせると、1ステージ最大13秒のボーナスタイム獲得が可能。スプリンターのボアッソンハーゲンが19秒差の総合8位につけており、僅差の総合争いに持ち込まれる可能性が高い。

現在の世界TTチャンピオンで、昨年大会の個人タイムトライアル覇者であるトニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)はボームに12秒届かずステージ6位。「もちろん目標はステージ優勝だった。コースは自分向きだったのでチャンスはあったし調子も良かった。だから6位という結果に失望している。これからデータを解析して何が足らなかったのかを見極めたい。それに、まだまだ総合のタイム差が小さいので、顔を上げて残るチャンスを狙いたい」とマルティンは語っている。

ステージ11位/25秒差 ライアン・ミューレン(アイルランド、キャノンデール・ドラパック)ステージ11位/25秒差 ライアン・ミューレン(アイルランド、キャノンデール・ドラパック) photo:Kei Tsuji / TDWsportステージ7位/17秒差 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)ステージ7位/17秒差 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
ステージ4位/8秒差 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)ステージ4位/8秒差 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji / TDWsportステージ6位/12秒差 トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)ステージ6位/12秒差 トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) photo:Kei Tsuji / TDWsport
ステージ16位/30秒差 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)ステージ16位/30秒差 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) photo:Kei Tsuji / TDWsportバイクを交換してフィニッシュを目指すカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)バイクを交換してフィニッシュを目指すカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット) photo:Kei Tsuji / TDWsport
グリーンジャージに袖を通すラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ)グリーンジャージに袖を通すラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
ステージ成績
1位 ラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ) 19:02
2位 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロットNLユンボ) 0:06
3位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ) 0:07
4位 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) 0:08
5位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ) 0:11
6位 トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) 0:12
7位 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) 0:17
8位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
9位 アレックス・ドーセット(イギリス、モビスター) 0:21
10位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・スコット)
個人総合成績
1位 ラルス・ボーム(オランダ、ロットNLユンボ) 17:57:25
2位 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロットNLユンボ) 0:08
3位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ) 0:09
4位 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) 0:10
5位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ) 0:13
6位 トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) 0:14
7位 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) 0:19
8位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)
9位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
10位 アレックス・ドーセット(イギリス、モビスター) 0:23
ポイント賞
1位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ) 51pts
2位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン) 49pts
3位 カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット) 43pts
山岳賞
1位 ジェイコブ・スコット(イギリス、アンポスト・チェーンリアクション) 26pts
2位 グラハム・ブリッグス(イギリス、JLTコンドル) 25pts
3位  ルーカス・オウシアン(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) 21pts
チーム総合成績
1位 ロットNLユンボ 53:52:38
2位 チームスカイ 0:24
3位 カチューシャ・アルペシン 1:19

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