中級山岳コースで手に汗握るレースが展開されたブエルタ第6ステージ。逃げのスプリントを制したマルチンスキーや、積極的にアタックしたコンタドール、マイヨロホを守ったフルーム、落車でタイムを失ったヴァンガーデレンらのコメントを紹介します。


ステージ初優勝を飾ったトーマス・マルチンスキー(ポーランド、ロット・ソウダル)

ステージ優勝を飾ったトーマス・マルチンスキー(ポーランド、ロット・ソウダル)ステージ優勝を飾ったトーマス・マルチンスキー(ポーランド、ロット・ソウダル) photo:Tim de Waele / TDWsportとてもクレイジーなステージだった。目標とするステージ優勝にこんな早く手が届くとは。序盤から大きな逃げ集団が形成され、登りで人数を減らしていく展開で、最後は3名に絞られた。仮にフィニッシュで力が残ってなくてもいいから、絶対にライバルのアタックを封じ込めようと思っていた。逃げのチャンスを最大限生かせたと思う。完璧だった。

惜しくもステージ優勝を逃したパウェル・ポリャンスキー(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)

開幕から4日間ほど胃腸のトラブルに苦しめられていたので、逃げ集団に入ってステージ優勝に絡むのは最高の気分だった。一緒に逃げに乗ったチェザーレ・ベネデッティに大きく助けられたよ。逃げの中にチームメイトがいることで有利にレースを運ぶことができた。

最終山岳でも調子は良く、3名で飛び出してからは後方とのタイム差を気にしながら逃げ続けた。30秒後方のメイン集団がどんどん迫ってきたので、ローテーションで前を引きすぎて力を使いすぎたのかもしれない。最後はマルチンスキーが最大のライバルになるとわかっていた。でも彼のスプリントには対抗できなかった。ステージ2位は素晴らしい結果だけど、チームは勝つために出場している。これからも挑戦を続けたい。

ステージ3位で敢闘賞を獲得したエンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)

最終山岳は麓から頂上まで全開走行。フィニッシュまで逃げ切ったことに満足している。初出場のブエルタでステージ3位はとても良い成績だと言える。この成績を味わいながら明日はリカバリーに徹したい。彼ら(マルチンスキーとポリャンスキー)にはスピード負けするとわかっていたけど、最期まで諦めずに挑戦し続けた。

マイヨロホを守ったクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)

後方を確認するマイヨロホのクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)後方を確認するマイヨロホのクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Tim de Waele / TDWsport(総合で3分24秒しか遅れていない)ルイスレオン・サンチェスが逃げに乗っていたのでチームスカイはスピードを緩めるわけにはいかず、終盤はアタックが頻発。ここまでの中で最も厳しいステージだった。エネルギーを使う本当にタフなステージだったけど、チームメイトたちのおかげでマイヨロホを守ることができたし、チームスカイにとっては良い1日だったと思う。今日はコンタドールがインプレッシブだった。この先も彼はアタックを止めないと確信している。

チャベスとともに難関ステージを乗り切ったアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)

とてもタフなレースが展開された。自分を含めて多くの選手にとって今日が今大会最も厳しい1日になったと思う。スタートからフィニッシュまで常にハイスピードで、道もアップダウンの連続で曲がりくねっていたので、休みどころが全くなく、そこに暑さも加わった。予報では最高気温32度だったけど、集団内は無風で、バケツ何杯分も汗をかいたよ。そんな厳しいステージを無事に乗り切ることができて良かった。

積極的にレースを進めたアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)

最大勾配22%の2級山岳ガルビ峠でアタックするアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)最大勾配22%の2級山岳ガルビ峠でアタックするアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) photo:Tim de Waele / TDWsport今日は休む暇がないとても厳しいステージだった。総合ライバルたちを孤立させる絶好のチャンスだったので攻撃を仕掛けた。向かい風が吹いていたので、アタックに付いてくる選手によっては面白い展開になると思ったんだ。でも他の選手たちは協調を拒んだ。総合リードを広げるチャンスを無駄にしたライバルチームは後々後悔することになると思う。

今日のようなステージはアングリルよりも大きなタイム差がつくポテンシャルを秘めているのに、どの選手も自分を守ることに精一杯だった。個人的には調子が戻って、楽しみながらレースを展開できたよ。この地域は昔からトレーニングで訪れているので登りについてよく知っていた。重要なのは、積極的にレースを動かしたことと、まだ挽回のチャンスが多く残されているということ。

2度の落車でタイムを失ったティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)

調子はとても良かった。もちろんハイペースな展開だったので自分のリミットぎりぎりだったものの、総合ライバルたちが千切れる中でもセレクションに残ることができていた。総合の順位を固める上で重要なリードを得たと思った。でも凸凹の路面で何かに接触し、その拍子でハンドルから手が離れて落車した。高速で走っている時に発生した落車。映像を見て検証することもできるけど、正直言うと落車の映像は見たくない。

バイクが壊れたのでスペアバイクに乗って再スタートしてからは『ここからは被害を最小限に抑える走りに徹しよう』と言い聞かせた。3週間の戦いの中でトラブルのない完璧な走りなんて不可能。完璧ではない日をなんとか乗り切って、良い日にアドバンテージを広げる走りが必要なんだ。幸い小さな怪我で済んだし、士気も落ちていない。脚はよく回っており、ここで止まらずに前に進んでいきたい。

マイヨモンターニャを守ったダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)

山岳ポイント狙いの逃げは有益だった。今日も前半の山岳でポイントを稼ぐことができたけど、ここ数日間動き続けたツケが回って後半は失速してしまった。とにかく今日はペースが速かった。8ポイント獲得してリードを広げたことに満足している。

戦略ミスを悔やむアスタナのドミトリ・セドウン監督

逃げグループを牽引するトーマス・マルチンスキー(ポーランド、ロット・ソウダル)やルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)逃げグループを牽引するトーマス・マルチンスキー(ポーランド、ロット・ソウダル)やルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) photo:Tim de Waele / TDWsport今日はサンチェスが上手く逃げに乗り、賢く走っていたのに結果を残せなかった。逃げグループとメイン集団のタイム差が5秒まで縮まった時、逃げ切りのチャンスがなくなったと判断し、メイン集団に戻ってアルをアシストするよう彼に指示したんだ。

でもそこでアタックした3名(マス、マルチンスキー、ポリャンスキー)が逃げ続け、そして逃げ切った。ジェスパー・ハンセンが残り30km地点で落車してしまったものの、アルが総合タイムを失うことなく厳しいステージを乗り切ったことは好材料だ。

バーレーン・メリダのウラディミール・ミホイェヴィック監督

暑く、ハイスピードな1日だった。戦略的に逃げに乗ったジョヴァンニ・ヴィスコンティがステージ優勝を狙い、展開によっては終盤にヴィンチェンツォ・ニーバリのアシストをする予定だった。バーレーン・メリダは一丸となってキャプテンをサポートし、最後の2級山岳の勝負に持ち込んだ。

明日も200km超えのステージで、また逃げ向きのコースが設定されている。残り15km地点の登りは短いながらも勾配があり、ここでまたレースが動くかもしれない。

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