南イタリアの一大観光地であるアルベロベッロにジロ第7ステージはフィニッシュ。トゥルッリと呼ばれる伝統住居がひしめく旧市街の真ん中でスプリンターたちがバトルを繰り広げた。



会場を盛り上げながら選手紹介を行う会場を盛り上げながら選手紹介を行う photo:Kei Tsuji / TDWsport
スタート地点の空にツバメが舞うスタート地点の空にツバメが舞う photo:Kei Tsuji / TDWsport
ツバメと一緒にキャラバングッズが空を舞うツバメと一緒にキャラバングッズが空を舞う photo:Kei Tsuji / TDWsport
前夜の雨によって汚れたオフィシャルカー前夜の雨によって汚れたオフィシャルカー photo:Kei Tsuji / TDWsport
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)の登場に興奮するナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)の登場に興奮する photo:Kei Tsuji / TDWsport
前日の「足の甲」に続いて、イタリア半島の「土踏まず」を走る第7ステージ。第2ステージの現地レポートでお伝えした通り、季節風シロッコがアフリカ大陸のサハラ砂漠から砂塵をイタリア半島に運んでおり、そのおかげで空が黄色く霞んでいる。独断と偏見によるこの日の黄砂指数は130%。今まで経験したことないような黄砂が舞っている影響で数キロ先の山々の輪郭がボケて、晴れているのに地面に影が落ちない。外で一日を過ごしていると砂が貯まったのか目がイガイガと痛くなる。

カラブリア州カストロヴィラーリのスタート地点で空の色に負けない黄色い声援を受けたのが、アメリカ人俳優のパトリック・デンプシーだった。知らない人のために念のため言うと、パトリック・デンプシーはブリジット・ジョーンズの日記やトランスフォーマーに出演している51歳のアメリカ人。モータースポーツではレーシングドライバーとしてハンドルを握り、2013年には破産したタリーズコーヒーの47店舗(アメリカ)を買収するなど俳優の枠にとどまらない活動を行っている。ジロのオフィシャルタイムキーパーであるタグホイヤーのアンバサダーを務めている縁で、わざわざ南イタリアまで足を運んだという訳。デンプシーはピンク色のジャージでBMCレーシングの選手たちとステージに上がり、集団先頭でニュートラル走行を行った。

俳優のパトリック・デンプシーとティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)俳優のパトリック・デンプシーとティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji / TDWsport
ゼッケン番号が大きいチームは出走サインのために屈まなければならないゼッケン番号が大きいチームは出走サインのために屈まなければならない photo:Kei Tsuji / TDWsport
レースを先導する警察車両レースを先導する警察車両 photo:Kei Tsuji / TDWsport
この日はバーレーン・メリダのチームバスがスタート地点まで20kmほどを残した高速道路上で故障してストップ。スタート時間が差し迫っていたことから、選手たちはカストロヴィラーリまで自走で向かった(普段は高速道路の自転車走行はダメ、絶対)。バーレーン・メリダはキャンペーン用にもう一台チームバスを帯同させているため、第1チームバスの故障は大きな問題にならない見られているが、総合優勝を狙うチームとしてはあまり好ましくないニュースだ。

第4ステージでディエゴ・ローザ(イタリア、チームスカイ)を手で押して落車させたとしてハビエル・モレノ(スペイン、バーレーン・メリダ)が失格処分を受けたが、その事件は未だ収束していない。先に手を出したのはローザで、モレノが手を押さざるを得なかったというのが新たな説。実際にローザがモレノを軽く叩くシーンが映像に残っており、ローザも同様に失格処分を受けるべきだとの声がある。

ローザはガゼッタ紙の取材に対し、「人々は想像を膨らませすぎている。モレノを触ったことは確かだけど、プロトンの中での接触は日常茶飯事。過剰に反応したモレノが手で押してきたため、バランスを崩して落車してしまったんだ。自分がコミッセールにモレノの失格を嘆願しに行ったとも言われているけど、状況を説明しただけで、彼らは公平に判断を下しただけ。ヴィンチェンツォ(ニーバリ)やバーレーン・メリダの監督とも話したし、もう問題なんてない」と説明している。イタリア色の強いバーレーン・メリダに対し、海外色の強いチームスカイに風当たりが強いのは仕方がないのかもしれない。

下りを攻めるジュゼッペ・フォンツィ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)下りを攻めるジュゼッペ・フォンツィ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
黄砂によって向かいの山々が霞む黄砂によって向かいの山々が霞む photo:Kei Tsuji / TDWsport
撮影場所で待っていると手作りのビスケットを持ってきてくれる撮影場所で待っていると手作りのビスケットを持ってきてくれる photo:Kei Tsuji / TDWsport
伝統家屋トゥルッロを通過する伝統家屋トゥルッロを通過する photo:Kei Tsuji / TDWsport
ジロの第7ステージはプーリア州のアルベロベッロでフィニッシュを迎えた。「美しい(ベッロ)木(アルベロ)」を意味するアルベロベッロがフィニッシュ地点としてジロに登場するのは意外にも初めて。それもそのはず、ジロのフィニッシュを迎えるには朝から晩まで町の交通がほぼストップしてしまうので、すでに名前の通っている観光地はわざわざジロを誘致しない。年間100万人が訪れるアルベロベッロのような一大観光地を登場させるところに100回記念大会の意気込みを感じる。

アルベロベッロと言えば伝統住居トゥルッリ(単数形はトゥルッロ)が有名だ。白壁で灰色のとんがり屋根が特徴の民家が約1600軒が集まったアルベロベッロの歴史地区(アイアピッコラ地区とモンティ地区)は1996年にユネスコ世界遺産に登録されている。なお、トゥルッリはプーリア州のヴァッレ・ディトリアの伝統住居であり、アルベロベッロの外にもたくさん点在している。

アルベロベッロは岐阜県白川町と2005年に姉妹都市の協定を結んでおり、日本からの観光客も多数。町で配られる無料観光地図に日本語の記載もあるほどで、すれ違うローカルの人々に日本語で「こんにちわー」と威勢良く何度も何度も言われた。

トゥルッロを通過するジュゼッペ・フォンツィ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)とドミトリ・コゾンチュク(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)トゥルッロを通過するジュゼッペ・フォンツィ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ)とドミトリ・コゾンチュク(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
巨大なミケーレ・スカルポーニ巨大なミケーレ・スカルポーニ photo:Kei Tsuji / TDWsportアルベロベッロのトゥルッリ(単数系はトゥルッロ)アルベロベッロのトゥルッリ(単数系はトゥルッロ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
先頭でアルベロベッロにフィニッシュするカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)先頭でアルベロベッロにフィニッシュするカレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット) photo:Kei Tsuji / TDWsport
フィニッシュ後、アルベロベッロの町中を通ってチームバスに戻るフィニッシュ後、アルベロベッロの町中を通ってチームバスに戻る photo:Kei Tsuji / TDWsport
カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)のステージ初勝利で締めくくられたアルベロベッロ決戦。オーストラリア人選手によるステージ優勝は通算30勝目で、同じく非ヨーロッパ国のコロンビアを通算勝利数で引き離すとともに、イタリア人選手のステージ優勝空白期間をさらに延長させた。スプリンターに次にチャンスが回ってくるのは6日後の第12ステージ。翌日からしばらくは総合争いに影響する重要なステージが続く。

ピンクのデコレーションが施されたアルベロベッロピンクのデコレーションが施されたアルベロベッロ photo:Kei Tsuji / TDWsport
text&photo:Kei Tsuji in Alberobello, Italy
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