先行したマグナスコルト・ニールセン(デンマーク、オリカ・スコット)が追い上げるナセル・ブアニ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)を抑えてスプリント勝利。チーム右京のサルバドール・グアルディオラ(スペイン)は終盤に単独アタックし見せ場を作った。



総合リーダーのグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)を先頭にスタートを待つ総合リーダーのグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)を先頭にスタートを待つ photo:Tim de Waele記念撮影に収まるフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)とオスカル・プジョル(スペイン、チーム右京)記念撮影に収まるフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)とオスカル・プジョル(スペイン、チーム右京) photo:Tim de Waeleマグナスコルト・ニールセン(デンマーク、オリカ・スコット)をナセル・ブアニ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)が追い上げるマグナスコルト・ニールセン(デンマーク、オリカ・スコット)をナセル・ブアニ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)が追い上げる photo:Tim de Waele集団スプリントを制したマグナスコルト・ニールセン(デンマーク、オリカ・スコット) 集団スプリントを制したマグナスコルト・ニールセン(デンマーク、オリカ・スコット)  photo:Tim de Waeleボルタ・ア・ヴァレンシアナ第3ステージの舞台はカナルスの街から内陸部を北上し、リバ・ロハを目指す163km。コース距離ど真ん中の地点にはカテゴリーが設けられない標高400m弱の山が控えているが全体に難易度低めのスプリンターコースだ。

スタート直後に形成された逃げグループにはアレクシ・グジャール(フランス、アージェードゥーゼール・ラモンディアール)らが入り4分ほどの差を稼いだものの、個人とチーム総合で首位キープしているBMCレーシングやコフィディス勢ががっちりと前を固めたため、逃げ切りを思わせる展開には繋がらない。

残り35kmでタイム差が1分を割り込むと、集団からはヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ)とエルマー・レインダース(オランダ、ルームポット・ネデランセロテリ)がジャンプし逃げにジョイン。すると「あまり逃げのペースが良くなかったので一人で先行した」と間髪入れずに余裕のあるファンエムデンが独走。しかしすぐ背後に迫る集団を振り切るには至らず、残り12km地点でキャッチされた。

ディレクトエネルジーらが引っ張る集団からは、昨日独走勝利を挙げたトニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)が、次いでサルバドール・グアルディオラ(スペイン、チーム右京)が抜け出したが、同調を得られずに沈没。そして残り3km、オリカ・スコットを筆頭にしたスプリンターチームの猛烈なペースアップが始まった。

豪快にシャンパンを開けるマグナスコルト・ニールセン(デンマーク、オリカ・スコット)豪快にシャンパンを開けるマグナスコルト・ニールセン(デンマーク、オリカ・スコット) photo:Tim de Waele右に左にターンを繰り返す市街地コースで中切れも発生し、縦に長く引き伸ばされた集団先頭ではマグナスコルト・ニールセン(デンマーク、オリカ・スコット)を先頭にスプリント勝負が勃発。ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)が追い上げたものの僅かに届かず、ニールセンが勝利した。

「コースがテクニカルだったので、位置取りがモノを言った。完璧なチームワークで今シーズン初勝利を挙げることができたので喜びもひとしおだ」と語る24歳のニールセン。総合リーダーのグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)はスプリントに参加して9着となり、危なげなく首位を守っている。

また、ジョン・アベラストゥリ(スペイン)で集団スプリントを狙っていたチーム右京だったが、ラスト700mの直角コーナーでアベラストゥリが痛恨の落車。

ウルタスン監督は「今日はジョンの今までの調子であれば何とか前でゴールできると信じていただけにガッカリです。第2集団の選手は横から来ていた強風区間で中切れにあってしまい先頭に戻ることができず、前は数的不利な状況だった。ジョンは1人でチャレンジしてくれたので感謝している。まだレースは終わっていないから諦めてはいない。」とチームFacebookページにて語っている。



ボルタ・ア・ヴァレンシアナ2017第3ステージ結果
1位 マグナスコルト・ニールセン(デンマーク、オリカ・スコット)        3h49’02”
2位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)
3位 ブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)
4位 イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ)
5位 エンリケ・サンツ(スペイン、スペインナショナルチーム)
6位 サミュエル・カルデイラ(ポルトガル、W52FCポルトカナル)
7位 オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール・ラモンディアール)
8位 ザッカリ・デンプスター(オーストラリア、イスラエルサイクリングアカデミー)
9位 グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
10位 ビアチェスラフ・クズネツォフ(ロシア、カチューシャ・アルペシン)

個人総合成績
1位 グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)    9h17’13”
2位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング)
3位 マヌエル・センニ(イタリア、 BMCレーシング)              +07”
4位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、チームスカイ)             +28”
5位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング)            +44”
6位 ダビ・デラクルス(スペイン、クイックステップフロアーズ)         +48”
7位 ゼネク・スティバル(チェコ、クイックステップフロアーズ)         +49”
8位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング) 
9位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)                +54”
10位 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)    +56”

山岳賞
1位 ヨハン・ファンジル(南アフリカ、ディメンションデータ)

ヤングライダー賞
1位 マヌエル・センニ(イタリア、 BMCレーシング)

チーム総合成績
1位 BMCレーシング

text:So.Isobe
photo:Tim de Waele