滋賀県高島市マキノ高原で開催された関西シクロクロス第2戦は、竹之内悠(TREK)が下位を4分以上引き離す独走劇で優勝。初戦に続いて2連勝を飾った。C2にはMTBクロスカントリー選手の斉藤亮(チームコラテック)が出場して見事優勝。シクロクロス全日本選手権出場の切符を手にした。

C1 入江克典(シマノドリンキング)らが先頭で最初のコーナーに向かうC1 入江克典(シマノドリンキング)らが先頭で最初のコーナーに向かう photo:Kei Tsujiレースの舞台となるのは、滋賀県北部に位置するマキノ高原。スキー場の緩やかな斜面を利用したコースで、その大半は草地。選手の多くが「路面が重い!」と重馬場を嘆いていた。

そして難所としてコース後半に現れるのが、一つ一つの段差が大きな合計63段の階段。バイクを担ぎ、息を切らして階段を登った後には、草地まで一気に駆け下りるテクニカルなダウンヒルが待っている。

C1 最後尾からスタートした竹之内悠(TREK)がシマノドリンキングの2人に迫るC1 最後尾からスタートした竹之内悠(TREK)がシマノドリンキングの2人に迫る photo:Kei Tsuji天候は晴れ。11月のスキー場だと言うのに、気温20度を超える暑さ。原則的に水分補給が禁じられているシクロクロスレースとしては過酷なコンディションだ。

22名がスタートしたC1は、松井正史と入江克典のシマノドリンキングコンビが1周目からレースをリード。しかし最後尾からスタートした竹之内悠(TREK)が約半周で20名を追い抜き、テクニカルな下りでオーバーランした松井を抜いて先頭に立った。

C1 下位とのタイム差を広げながら周回を重ねる竹之内悠(TREK)C1 下位とのタイム差を広げながら周回を重ねる竹之内悠(TREK) photo:Kei Tsuji竹之内は下位とのタイム差をぐんぐんと広げる走りで独走。階段区間も中程までバイク乗車でクリアし、下りもMTBクロスカントリーの選手らしいバイクさばきでこなしていく。MC担当の芦田(DJがらぱ)さんの計測によると、竹之内は階段&下り区間のスプリットタイムが他の選手よりも4〜5秒速い。

竹之内は次々と同時スタートの選手をパス。圧倒的なリードを築いてからも、ペースを落とさずに周回をこなしていく。最後は5番手を走行していた澤田雄一(チームサイクルマインド)まで抜きさってゴール。実に18名を周回遅れにする圧倒的な走りで2連勝を飾った。

C1 後続を4分以上引き離してゴールする竹之内悠(TREK)C1 後続を4分以上引き離してゴールする竹之内悠(TREK) photo:Kei Tsuji「中盤はかなりいいペースで走れていた。徐々にペースを上げて行こうと考えていたけど、後半は少しタレてしまった」と竹之内は振り返る。竹之内は12月の全日本選手権(12月13日)、そしてチェコの世界選手権(1月30-31日)を見据えてコンディションを上げていく。

C2には、元クロスカントリースキー選手で2007年にMTBクロスカントリーに転向した斉藤亮(チームコラテック)が出場。クロスカントリースキーでは全日本選手権天皇杯リレー5連覇を始め、世界選手権やワールドカップに参戦していた異色のライダーだ。

C2 沢田を置き去りにして独走する斉藤亮(チームコラテック)C2 沢田を置き去りにして独走する斉藤亮(チームコラテック) photo:Kei Tsujiレースは序盤から16歳の沢田時(ENDRESS/ProRide)がリードし、斉藤と競り合いながら周回をこなしていく。斉藤は終盤にかけて沢田を千切って独走し、他を寄せ付けない強さで勝利した。

組み上がったばかりのシクロクロスバイクで優勝した斉藤は「松本のシクロクロスミーティングに出場予定だったが、キャンセルになったので急遽関西シクロクロスに参戦した。シクロクロス全日本選手権に出場するために、ギリギリでC1に昇格することが出来て良かった」とコメント。今シーズンは各地のシクロクロスレースでその姿が見られることだろう。

CM1は第1戦ひよしで昇格したばかりの佐野光宏(ストラーダR)が、巳波一郎(Euro-Works)やビンセント・フラナガン(PEDALFORTH.com)らと競り合いながらも優勝。同時スタートのCL1は中村真清が圧勝した。

レースの模様はフォトギャラリーにて。


C1
1位 竹之内悠(TREK)1h02'21"
2位 松井正史(シマノドリンキング)+4'09"
3位 入江克典(シマノドリンキング)+4'34"
4位 船岡洋(タクリーノKS-Material)+5'55"
5位 澤田雄一(チームサイクルマインド)+1LAP
6位 伊澤優大(岩井商会レーシング)
7位 稲益拓也(京都大学サイクリング部)
8位 久保伸次(岩井商会レーシング)
9位 村岡俊典(R2 SPORTS CYCLING TEAM)
10位 中井康博(フカダマジリング)

CL1
1位 中村真清 37'36"
2位 中道のぞみ(Salata bianca kobe)+4'22"
3位 埜真賢美(Teamクルーズ)+7'03"
4位 三井由香(ベロチスタパースイズミスギノ)+10'06"
5位 光田真基(East West Freeride)

CM1
1位 佐野光宏(ストラーダR)34'48"
2位 巳波一郎(Euro-Works)+22"
3位 ビンセント・フラナガン(PEDALFORTH.com)+39"
4位 福中健二(チームカウボーイ)+53"
5位 岩本雅秀(チーム泥んこプロレス)+1'27"

C2
1位 斉藤亮(チームコラテック)35'22"
2位 沢田時(ENDRESS/ProRide)+42"
3位 後呂有哉(サイクルアシストオオバ)+1'50"
4位 今井智昭(ONE on ONE)+2'20"
5位 山田拓史(トレックフラッグシップストア)+3'01"

C3A
1位 中西重智(龍谷大学)26'39"
2位 吉田誠(White Jack)
3位 鳥居新也(team speed)+10"

C3B
1位 大橋正明(クロスジョーカー)29'57"
2位 竹浪芳晃(MASSA-FOCUS-OUTDOOR PRODUCTS)+51"
3位 竹ノ内脩兵 +1'22"

text&photo:Kei Tsuji

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