オフシーズンのスキー場がジロのフィニッシュを迎え入れる。新しく敷き直された黒々としたアスファルトを走るグルペットの後方に山本元喜の姿があった。雨、晴れ、雨、そして晴れと、天気に翻弄された第6ステージの現地レポート。



雨のポンテに集まった観客たち雨のポンテに集まった観客たち photo:Kei Tsuji
第6ステージは雨第6ステージは雨 photo:Kei Tsujiマリアロッサのマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)マリアロッサのマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ) photo:Kei Tsuji
軽装でスタートに登場した山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)軽装でスタートに登場した山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji


ワイパーを最高速で動かしても捌ききれないほどの雨がスタート直前まで降り続けた。そんな日でもキャラバン隊は賑やかにスタートしていくが、当然選手たちはチームバスからなかなか出てこない。人工芝のサッカーグラウンドに作られた出走サイン台とスポンサーテントエリアでは、傘をさした観客たちが忍耐強く待ち続ける。

雨が小康状態となったタイミングで真っ先に、にこやかに、出走サインにやってきたのはエステバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)。続いてレインジャケットを着込んだ選手が出走サインを済ませていく。

山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)はショートスリーブにジレ(ベスト)を羽織っただけの軽装で登場。「寒さは全く問題ないですね。それよりも揺れた路面が怖いです」と山本。確かに南イタリアでは雨が降れば途端に路面がスリッピーになる。表面がスムーズではなく凸凹で路面抵抗が大きいくせに、濡れるとグリップが効かなくなる厄介な代物だ。

スタートラインに選手たちが並ぶ頃には晴れ間がのぞき始め、太陽の光によって路面が乾いていく。最初の2級山岳の下りで再び雨が降ったため集団内はナーバスな状態となったが大きな落車も起こらず。雨が大きなファクターになることなく路面の悪い南イタリアシリーズが終わった。



マリアローザのトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)マリアローザのトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン) photo:Kei Tsuji
2級山岳ボッカ・デッラ・セルヴァを登る2級山岳ボッカ・デッラ・セルヴァを登る photo:Kei Tsuji
フィニッシュ地点でレースを待つキリンさんフィニッシュ地点でレースを待つキリンさん photo:Kei Tsuji


フィニッシュ地点ロッカラーゾはイタリア国内では名前の知れたスキー場。イタリア半島の「ふくらはぎ」辺りのアブルッツォ州だが、標高1500m以上あるため冬場は質の良い雪が積もるという。フィニッシュ地点はゲレンデのど真ん中にあるリゾートホテルの前だ。

シーズンに向けて国内外にアピールしたいスキー場と、イタリア中部に標高のあるフィニッシュ地点を設けたい主催者の思惑が一致した。しかも何もない峠ではなく大会本部やプレスセンターを設置しやすいホテルなどの施設が揃っているため、ジロに限らずオフシーズンのスキー場がフィニッシュ地点になるパターンは多い。

後で判明したのだが、フィニッシュを徘徊していた謎のキリンの正体はNIPPOヴィーニファンティーニのスポンサーの一つであるアパレルブランド「ディ・ジラッファ(キリンの意味)」のマスコットで、撮影のためにポージングまでしてくれた中の人は同社の社長だったらしい・・・。

話を戻して、大会最初の山頂フィニッシュとあって観客やイタリアメディアはヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)を始めとする選手たちの反撃を期待したが、この日もトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)が最強だった。

翌日のガゼッタ紙の見出しは「ドゥムランが飛躍し、ニーバリは倒れる」。いくら難易度の低い2級山岳とはいえ、ニーバリをはじめとするオールラウンダーたちがドゥムランに対してタイムを失うことになるとは。レース後の記者会見でドゥムランは「いつか全て(マリアローザ)を失う日がやってくる」と話したが、昨年のブエルタ同様、それはかなり先の話になりそう。もしくはそんな日は最後までやってこないかも知れない。


独走のままフィニッシュに向かうティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)独走のままフィニッシュに向かうティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) photo:Kei Tsuji
17分30秒遅れのグルペットでフィニッシュを目指す山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)17分30秒遅れのグルペットでフィニッシュを目指す山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji


ルールブックを開くと第6ステージは「カテゴリーC」の中級山岳ステージに分類される。ステージ優勝者の平均スピードが35km/h以下であれば優勝タイム+9%、35〜39km/kmで+10%、39km/h以上で+11%といった具合にタイムオーバーは細かく設定されている。チームカーに乗る監督はこれらを計算しながらスプリンターたちにその日のタイムリミットを告げる。

この日の優勝予想タイムが4時間20分前後、平均スピード36km/h前後だったため、タイムオーバーは26分前後という計算。実際には4時間40分05秒で平均スピードは33.633km/h。つまり25分12秒以上であれば足切りになる(トラブルがあれば考慮される)。

17分30秒遅れのグルペットでフィニッシュに帰ってきた山本元喜の第一声は「余裕っすね」だった。身体の状態はすこぶる良く、登りをしっかり登れている印象。大会最初の山場ということで本人は身構えていたようだが、何の問題もなく乗り切った。表情に安堵の色を浮かべながら、山本は一緒にフィニッシュしたチームメイトとともに麓のホテルに下っていった。



観客にボトルを渡す山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)観客にボトルを渡す山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji
獲得標高差は3223m。最高心拍数は172bpmで「まだまだ追いこんでない」獲得標高差は3223m。最高心拍数は172bpmで「まだまだ追いこんでない」 photo:Kei Tsuji


text&photo:Kei Tsuji in Roccaraso, Italy
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